2017年04月17日 17:39

ナンヨウチヌ
(photo/J.E.Randall)

キチヌ
(photo/Shiina Masato)
クロダイ類は、マダイやチダイなどに比べて沿岸や内湾性が強く、幼魚期には汽水域でも見られる。南方系のナンヨウチヌやミナミクロダイは、成魚も汽水域に侵入する。いずれの種も強い雑食性で、ゴカイや甲殻類などの小動物から海藻類まで多様なものを食べる。ミカンを餌にしても釣れるほどで、クロダイ類の雑食傾向の強さがうかがえる。夏〜秋にかけて磯や河口域で幼魚を観察することができる。
ショップで販売されることはまずなく、飼育しようと思ったら、基本的に自家採集となる。雑食性が強いため、餌付きは非常に良い。丈夫で飼育しやすいが、温帯に適応しているクロダイは水温の上昇に弱いので、クロダイを飼育するなら冷却設備はあった方がよい。水温面を考えれば、南方系のナンヨウチヌやキチヌが水温上昇に耐性があるので、そちらを選ぶのが無難。タイ類はどれも気が強いので、混泳面では注意したい。温和な魚や餌食いの遅い魚などとは一緒にしない方がいい。どの種も自然下では50〜60cmほどになり、水槽内でも20cmは超えてくる。体型の格好良さに惹かれるが、それなりの水槽サイズは必要になるということは理解しておきたい。
なお採集個体はハダムシなどの寄生がみられたりするので、水槽導入前に淡水浴や薬浴などの対処は必ずするようにしたい。
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