2013年01月29日 21:59

(photo/J.E.Randall)
以下、参考画像集
クマドリカエルアンコウ
イロカエルアンコウ
オオモンカエルアンコウ
ちょっと魚種別解説の趣向を変えて、カエルアンコウ類の見分け方を。
今回は、クマドリ、イロ、オオモンの人気の3種について。
参考画像を見ながら、解説を読んで下さい。
■クマドリカエルアンコウ
クマドリ模様が決め手のように思えるが、クマドリ模様がまるで無い個体もおり、模様は判別の決定打とはならない。とはいえ、参考にはなる。また各ヒレがオレンジに縁取られる点で見分ける人もいるが、これは幼魚期のみの特徴であることが多く、中には縁取りが無いものもいる。これもまた決定打とはならない。
確実な見分け方は、第1背ビレと第2背ビレの形状である。第1、第2とも鰭膜が薄いのが特徴で、ヒレを広げた状態では三角形に近い形状となる。これは小型個体の方が顕著であり、小型個体では、ほぼヒレで見分けが付けられる。また第1、第2背ビレの棘は、根元より先端の方が太くなる。
参考画像の 023、026、028、030 は、典型的形質を示す好例。
025、040 は、クマドリ模様無しの例。
■イロカエルアンコウ
第1背ビレは鰭膜が薄く、この点ではクマドリカエルアンコウによく似ている。しかし、ヒレの幅がクマドリより狭いことと、棘は根元から先端まで太さがあまり変わらない点が異なっている。第2背ビレの鰭膜は厚く、ヒレを広げると鈍角な三角形という感じ。中には棘が体後方に向かって大きくカーブしているものもいる。
参考画像の 022、023、028、037 は、典型例。
■オオモンカエルアンコウ
第1背ビレの鰭膜はほとんどなく、こん棒状の形状をしている。第2背ビレの鰭膜はイロよりも厚く、棘は非常に太い。小型個体ではイロと間違えることもあるが、棘の形状をじっくり観察すれば、見分けは可能だ。大型種で30センチものサイズになり、大型個体はサイズだけで他種と区別できる。
参考画像の 006、009 は、典型例。
■交雑個体?
クマドリやイロなど、色彩変異は大きいものの、形質自体はわりと安定しているが、中にはどの種ともつかない、中途半端な個体に出会うことがある。クマドリとイロの中間個体、イロとオオモンの中間個体である。これらは交雑個体ではないかと思われる。クマドリとオオモンと思われる中間個体を見たことがないのは、おそらく繁殖サイズの問題ではないだろうか。こういった中間的個体は、どっち付かずで判別に困ってしまう。中間個体の多くは、イロとして流通しているので、イロの中から探してみると面白いだろう。
クマドリ画像の 034、003、イロ画像の 004、005、012 あたりは、あやしげな個体である(画像を見た限りの印象)。
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