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サンゴ水槽の白点病対策

2012年07月12日 17:11

昨今はサンゴ水槽、あるいはライブロックでレイアウトした水槽で、魚を飼育するアクアリストが非常に多い。従来の白点病治療薬が使用できない水槽である。こういった水槽で白点病が出ると、多くの場合、魚に栄養をつけさせるために給餌を増やす、水換えをする、といった感じで、魚を取り出して治療するという人は少ない。放置して、自然治癒にまかせるという人はわりに多い。他に、サンゴに無害な治療薬?を使う場合も多い。というわけで、サンゴ水槽用の治療薬?を、いくつか挙げてみよう。

・プロバイオティックマリンフォーミュラー
・ICH
・ハーバルフォーミュラープラス
・パラサイトリムーバー

プロバイオティックマリンフォーミュラは、善玉菌の力で白点虫などの活動を抑えるというもの。私も何回か使ったが、軽症ぐらいだったら、まあ効果は望める。ただし規定量よりも、かなり多めに(3〜5倍)使用する必要があり、大型水槽では、それこそ湯水のように投入する必要がある。そのため、規定の使用法以外の使い方では、コストパフォーマンスは非常に悪い。また、いつも効くというものではないので、治療の決定打とはならない。ハーバルフォーミュラプラスという製品があるが、こちらはプロバイオティックと併用すると効果がある、と説明書きにある。こちらは使ったことがないので、何ともいえない。

ICHは、白点病の治療薬である。その主成分はというと、過酸化水素(オキシドール)だ。過酸化水素を魚病の治療に使用するというのは、わりと昔から知られている。しかし治療に必要な濃度を水槽内で保つことが難しく、これが過酸化水素治療が普及しない大きな要因だ。事実、このICHを使用して、白点病に効果があったという人もいれば、まるで効果が無いという人もいる。このように、水槽ごとに効果に違いが出てしまうのが難点。同じ水槽でも、今回は効いたが、次回は効かないかもしれないという感じである。使うのはかまわないが、効果がみられなければ早々に打ち切った方がよい。効果の無いものを入れ続けても無意味だからだ。

パラサイトリムーバーは、白点虫を引きつけ、スキマーで除去するというもの。説明書きを見ると、非常に画期的な感じがする。だが、これを用いて劇的に症状が改善されたという話は聞かない。使ったことはないが、おそらくある程度の効果は見込めるのかもしれないが、治療できるというレベルではないのでは? 一度使ってみようと思っているので、効果は今のところ保留としておこう。

さてこうして見ると、サンゴ水槽で白点病治療の決定版となるアイテムは無いことになる。考えてみれば、白点虫以外の無脊椎には無害で、白点虫にピンポイントで打撃を与えるという注文自体に無理がある。当分は決定打となる治療薬は出現しないだろう。というか、私が生きているうちに実現するかどうか?

こうなると、サンゴ水槽で白点病が出たら、有効な治療法は無いということになる。ではどうするか。出たらどうするか、ではなく、出ないように努力するのが最善だ。そのためには、まず水槽の状態を良好にする。セットして2ヶ月ぐらいは魚を入れない方がよい。水槽が落ち着いてない状態で魚を入れれば、病気になりやすいのは当たり前だ。次に、水槽用クーラーを導入し、水温差をごく小さくする。クーラーの設置はサンゴ水槽ではもはや当たり前なので、言わずもがなだ。ちなみに、クーラーの機種は余裕のあるものがベスト。次に、殺菌灯、オゾナイザーの殺菌設備の充実。たとえば90センチ水槽にQL-40を2台設置するぐらいの勢いが欲しい(笑)。それだけ設置できれば、白点病の発生率は相当低下するだろう。あとは、魚は少なめにしておくこと。

そして最重要なものが、白点病を持ち込まないこと。入手した魚はトリートメントを通して、本水槽に導入すれば万全だ。ここで注意したいのは、本水槽に隔離ケースを浮かせて『トリートメント』と言っている人がいることだ。これはトリートメントの意味を全く理解していない行為であり、恥ずかしいのでやめるように。

よく魚混泳水槽ではトリートメントタンクの必要性が言われるが、本水槽で治療のできないサンゴ水槽こそ、トリートメントタンクが必要だろう。

ここまでに挙げた点を実践すれば、白点病に悩まされる可能性は、相当低い確率になるはず。まあ実際には、殺菌設備が充実できれば、良しとすべきなのかもしれない。多くの人は、トリートメントタンクを設置しても、いずれ飼育水槽に変化するだろうし(苦笑)。
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