2011年07月13日 16:49

(photo/J.E.Randall)

(photo/J.E.Randall)
学名:Chaetodon austriacus Rüppell, 1836
和名:なし
英名:エクスクイジット・バタフライフィッシュ Exquisite butterflyfish
全長:13cm
紅海、アデン湾に分布
紅海と、その入り口であるアデン湾にのみ生息するミスジチョウチョウウオの近縁種。生息域では数も多く、普通種である。本種は背ビレ後縁、尾ビレ、尻ビレが黒い点で、ミスジチョウやインドミスジとは容易に区別できる。ちなみに、ごく小さい幼魚では、尾柄部が黒い程度で、背ビレに黒はなく、尻ビレも少し黒みがかっている程度である。アデン湾とアラビア海が接する地域では、本種とアラビアン・バタフライフィッシュとの交雑がみられる。主にハードコーラルのポリプや共肉を食べ、単独あるいはペアで行動する。
以前から知られている種だが、ポリプ食であるためか、他の紅海産の魚に比べると入荷量は非常に少ない。しかしアサリを用いれば餌付けはさほど難しくなく、ポリプ食チョウチョウウオとしては、飼育はどちらかというと容易な部類に入るだろう。もっと入荷量が増えてもよいのではないだろうか。その他飼育に関してはミスジチョウの記事を参照。
種小名は、「南方の地」という意味である。ヨーロッパからみて南に位置する紅海から由来したものだろう。英名のエクスクイジットは、優美な、あるいは素晴らしく美しい、といった意味で、本種の綺麗な体色から付けられている。
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コメント
もちのすけ | URL | -
お久しぶりでございます。
色々有りましたが、そろそろ動かないと・・・
今年も南紀でお会い出来る事を楽しみにしております。
一方通行かと思いますが(泣)
では、今シーズンも宜しくお願い致します。
( 2011年07月14日 03:23 )
スーリン | URL | EBUSheBA
ご無沙汰しています。
あまり意味の無いレスですので、一読いただいたらスルーをば
「australis」はラテン語の「南の」という形容詞で、たとえば「南の国」なら「Terra australis」で、地名による形容詞形として一語で表せばaustraliacus(南の地の~)となります。
一方Oesterreich(;OeはOウムラート) はドイツ語由来ですが英語・ラテン語形ならaustriaで「東の国」という意味になり「austriacus」なら「東の地の~」という形容詞形になります。(「◎●cus」は「◎●の地の」という男性形の形容詞です)
アデン湾も西ヨーロッパから見れば「東方の地」なんでしょうかね?
「Chaetodon austriacus」は直訳すれば「東方の地に住む毛状歯」
( 2011年07月14日 15:01 [Edit] )
雪風 | URL | -
■もちのすけさん
ご無沙汰です。
今年も採集シーズンになりましたね。またどこかの磯でお会いしましょう。
■スーリン
ご無沙汰してます。
詳しい解説ありがとうございます。私もラテン語辞典を見ながら書いてたんですが、確かに「南方の」というのは出てきました。が、すっかりオーストリアの罠にはまってしまいました(汗)。面目ない限りです。記事の方は、後日訂正しておきますね。
( 2011年07月14日 20:26 )
雪風 | URL | -
記事を訂正しました。
「東方の」よりは「南方の」の方がしっくりくる感じなので、そちらにしてみました。情報提供下さったスーリンには、心より感謝致します。
( 2011年07月20日 10:22 )
田中宏幸 | URL | p6XL2UoU
学名の由来
面白いコメントですね。ためになりました。わずかの違いで大きく意味が変わる典型例なのでしょう。
逆に、Ruppell が当時住んでいた国の位置が分かりそうです。と、思いながら調べますとこの学者はドイツ人で、1882年にヨーロッパ人として初めてアカバ湾で探検しているそうです。
ドイツの”東”に位置する場所のチョウチョウウオ、そういう意味かも知れませんね。
( 2011年07月24日 10:05 [Edit] )
雪風 | URL | -
こういうのはいいですね。
当時の背景などが分かったりして、興味を惹かれます。
色々と想像してみるのも楽しいものです。
( 2011年07月25日 22:39 )
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