--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ニシキテグリ

2010年12月19日 00:47

Syspl_u5.jpg
(photo/J.E.Randall)

Syspl_u1.jpg
オス個体。(photo/J.E.Randall)

Syspl_u0.jpg
メス個体。(photo/J.E.Randall)


学名:Pterosynchiropus splendidus (Herre, 1927)
和名:ニシキテグリ
英名:マンダリンフィッシュ Mandarinfish
全長7cm
西部太平洋に分布

非常に派手な色彩をした小型種。多くのネズッポ類は、砂泥地や砂礫底を主な生活圏としているため、体型は上から押しつぶしたような扁平な体型をしている。しかし本種とスポッテッドマンダリンフィッシュ Pterosynchiropus picturatus の2種は、どちらかというと普通の魚の体型に近い。これは熱帯域で、ミドリイシなどのサンゴの隙間に入り込んだりするために都合のよい体型である。他のネズッポのように扁平な体型では、そのような場所に入り込めない。生息場所に適応した体型変化といえるだろう。本種は他の小型ネズッポ類と同様、ヒレの形状でオス・メスが判別できる。オスは第一背ビレが伸長するのに対し、メスでは全く伸長せず、小さい。またオスは第一背ビレだけでなく、各ヒレもメスより大きくなり、体型も大きい。メスはオスより小さく、体型がふっくらとする。日没時にペアが寄り添って海面方向に上昇し、産卵することが知られている。食性はゴカイや小型甲殻類などの底性小動物。

観賞魚としては非常にポピュラーで、ほとんどどこでも見られると言っていいほど。価格も安価で入手しやすい。しかし飼いやすいかというと、そうでもない魚である。基本的な飼育はミヤケテグリの記事を参照のこと。どのネズッポでも問題となるのが初期の餌付け。入荷して間もない、まだ痩せていない個体を入手して、素早く餌付けてしまいたい。まずは冷凍餌あたりから始めてみるのがよい。餌付いたら人工餌を混ぜていく。人工餌に完全に慣れてしまえば、あとは心配いらない。餌付き後は混泳魚に注意すれば、長期飼育は比較的たやすいはずである。
※本種はストレスを受けると、有毒な粘液を分泌することがある。おそらく同居魚にしょっちゅう突かれたり、体調が悪く死にそうな場合などだと思われる。事例としては少ないが、このようなこともあるので注意しておいた方がいいだろう。(情報提供:delphinus氏)
この事例に関する参考文献
Debelius, Helmut, & Baensch, Hans A., Marine Atlas, 1994, Tetra Press.
Dakin, Nick, The Marine Aquarium Problem Solver, 1996, Tetra Press.
Cy, Dr. Barb & Todley, Green Mandarin (Synchiropus splendidus), 2005

種小名は『光彩のある。華麗な』といった意味。美しい体色に由来したものである。英名は本種のオレンジ色が、おそらくマンダリンというミカンの一種の果実の色を、連想させるところから付いたのではないかと思われる。和名はその派手な体色に由来。

※英名について。
この種のエキゾチックな体色を、科挙で登用された官僚(科挙官僚=Mandarin)が着る服に見立てた物(情報提供:delphinus氏)。こちらの方が正しい由来とされる。
スポンサーサイト


コメント

  1. かつかつ | URL | -

    こんばんは^^
    いつも勉強させてもらってます♪
    体系など考えてみると自然にその場所
    に適応しているんですね~。

  2. delphinus | URL | F3Dgw1fA

    ニシキテグリのことをマンダリンと呼ぶ由来は、中国(清朝)にあると読んだ覚えがあります。この種のエキゾチックな体色を、科挙で登用された官僚(科挙官僚=Mandarin)が着る服に見立てた物。ソースは……忘れました。

  3. delphinus | URL | F3Dgw1fA

    連投失礼します(コメントの編集がなぜかできないので)
    マンダリンフィッシュは、死ぬと魚に悪影響を与える粘液をを出すことがあるようです。かなり前の話ですが、これが死んだことに数時間気がつかなかった60cm魚水槽が壊滅したことがあります。マンダリンの死骸を引き上げると粘液まみれでした。

  4. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■かつかつさん
    ネズッポに限らず、体型などは生活圏、食性などに影響されています。調べると色々面白いですよ。

    ■delphinusさん
    >この種のエキゾチックな体色を、科挙で登用された官僚(科挙官僚=Mandarin)が着る服に見立てた物。

    調べる過程でこれも候補に出てきたのですが、なんとなく自信が無かったので書きませんでした。貴重な情報ありがとうございます。早速、記事に取り入れました。

    >マンダリンフィッシュは、死ぬと魚に悪影響を与える粘液をを出すことがあるようです。

    私は経験がなく、初耳の事例です。粘液に直接の毒性は無い(何種かのカサゴがマンダリンフィッシュを食べましたが、死ぬことがなかったので)でしょうが、粘液分泌量が多いネズッポが、何らかの原因で過剰分泌する可能性はあるかもしれません。そうなれば、delphinusさんが経験されたようなことは起こりうるのではないでしょうか。

  5. delphinus | URL | F3Dgw1fA

    こちらのblogにうかつなことを書き込むと、多くのマリンアクアリストに影響が出る可能性がありますのでちょっと怖いですね。マンダリンフィッシュがストレス下で有毒なmucusを分泌することがあるという指摘は、たとえば以下の文献に書かれています。

    Debelius, Helmut, & Baensch, Hans A., Marine Atlas, 1994, Tetra Press.
    Dakin, Nick, The Marine Aquarium Problem Solver, 1996, Tetra Press.
    Cy, Dr. Barb & Todley, Green Mandarin (Synchiropus splendidus), 2005
    h ttp://www.flippersandfins.net/

    この魚はシアン採取の標的とされやすいために、水槽で飼ってもすぐ死ぬとの議論もありました(Hemdal 2006)。確かに、自然のサンゴ礁で、すぐに手の届かないところに逃げ込んでしまうネズッポを捕まえるのは難しそう。
    Hemdal, Jay E., Advanced Marine Aquarium Techniques, 2006, T.F.H.Publications.

  6. 雪風 | URL | cKg/74mY

    なるほど。ストレス下で有毒粘液を分泌することがあるのですね。そういえば、ネズミゴチなどは釣り上げられると、強烈な匂いの粘液を出すことがあります。あれが有毒粘液なのかもしれません。

    ネズッポのシアン採集については、どうでしょうね。ニシキテグリを採集したことはありませんが、その他のコウワンテグリやヤマドリなどは採集したことがあります。その経験からすると動作ものろく、実に採集しやすい魚だと思います。ガレ場であれば、ニシキテグリは容易に採集できる気がします。もっとも、枝サンゴが多い場所では、薬品に頼らないと無理でしょう。

  7. 雪風 | URL | cKg/74mY

    delphinusさん
    記事に反映してみました。
    いつも貴重な情報ありがとうございます。

  8. | |

    管理人のみ閲覧できます

    このコメントは管理人のみ閲覧できます

  9. 雪風 | URL | cKg/74mY

    鍵コメさん

    情報ありがとうございます。
    こちらでも調べましたが、それで当たりでしょうね。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://necon.blog38.fc2.com/tb.php/589-5b33dba4
この記事へのトラックバック



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。