2009年09月09日 17:08
いよいよアトリエにある水槽を紹介する。

150センチ水槽。
中はハタゴイソギンチャクがいくつかと、ペルクラとブラックオセラリスのペアが入っている。
隔離ケースの中には、そのペアの子供が育成されていた。
照明は、背後から入る自然光と、補助としてメタハラが1灯ついているのみ。

2段になった90センチ水槽の上段。
海藻の茂った中を、3匹のチョウチョウウオが泳ぐ。
底砂の下には底面板が敷かれているが、底面ろ過としては作動していない。
1種のプレナムになっていると思われる。
ろ過は外部フィルターで、水槽内にエアレーションしている。
クーラーは無く、訪問時の水温は28℃。
小さな冷却ファンがついていた。

魚は、ハナグロ、オレンジフェイス、アラビアンとエクスクイジットの交雑種の3種。
オレンジフェイスと交雑種が4年、ハナグロは2年の長期飼育。
水槽の底を見ればわかる通り、餌は冷凍アサリである。
それ以外のものは与えられていない。

こちらは下段の90センチ水槽。
上段水槽と同じく、底面板が敷かれているが、底面ろ過ではない。
この水槽にはろ過はなく、2カ所にエアレーションしてあるのみ。
底砂には全く手を入れてないようで、砂表面に多数のカイメンが繁殖していた。
こういった水槽は、真似してできるものではない。
経験の浅いアクアリストが真似ても、失敗するだけだ。
ベテランでも、真似るのは難しいだろう。

魚はオウギチョウ、ハクテンカタギの2匹のみ。
オウギは2年ほどだが、ハクテンカタギは7年も飼育されている。

T間さんオリジナルのアサリ給餌板。
アクリル板にテグスを取り付け、開いたアサリを挟むだけ。
板には別に長くテグスが付いていて、端には発泡スチロール片がある。
水槽から、すぐに取り出せる工夫だ。

せっかくなので、アサリの給餌を実演していただいた。
冷凍アサリを開き、水管、ヒモ、ベロといったかたい部分を取り除き
柔らかい内蔵だけを残す。
内蔵も、食べやすいように包丁で切れ目を入れるとベスト。

下ごしらえしたアサリを給餌板にセット。
あとは水槽に沈めるだけ。

アサリに群がるチョウチョウウオ。
ものすごい食べっぷりだ。
ハナグロの体の厚みがわかるだろうか。

こちらも美味しそうに食べている。
ポリプ食チョウチョウウオをアサリで長期飼育することは、以前は一般的なものであった。古くはS&S誌、最近ではMA誌46号に載ったi川さんも、アサリのみでポリプ食を長期飼育している。チョウチョウウオが餌付かなかったら、とりあえずアサリを与えてみる、というのは常道だ。チョウチョウウオ(特にポリプ食)を飼育してみようと思う人は、アサリの与え方は知っておいて損はないはずである。

150センチ水槽。
中はハタゴイソギンチャクがいくつかと、ペルクラとブラックオセラリスのペアが入っている。
隔離ケースの中には、そのペアの子供が育成されていた。
照明は、背後から入る自然光と、補助としてメタハラが1灯ついているのみ。

2段になった90センチ水槽の上段。
海藻の茂った中を、3匹のチョウチョウウオが泳ぐ。
底砂の下には底面板が敷かれているが、底面ろ過としては作動していない。
1種のプレナムになっていると思われる。
ろ過は外部フィルターで、水槽内にエアレーションしている。
クーラーは無く、訪問時の水温は28℃。
小さな冷却ファンがついていた。

魚は、ハナグロ、オレンジフェイス、アラビアンとエクスクイジットの交雑種の3種。
オレンジフェイスと交雑種が4年、ハナグロは2年の長期飼育。
水槽の底を見ればわかる通り、餌は冷凍アサリである。
それ以外のものは与えられていない。

こちらは下段の90センチ水槽。
上段水槽と同じく、底面板が敷かれているが、底面ろ過ではない。
この水槽にはろ過はなく、2カ所にエアレーションしてあるのみ。
底砂には全く手を入れてないようで、砂表面に多数のカイメンが繁殖していた。
こういった水槽は、真似してできるものではない。
経験の浅いアクアリストが真似ても、失敗するだけだ。
ベテランでも、真似るのは難しいだろう。

魚はオウギチョウ、ハクテンカタギの2匹のみ。
オウギは2年ほどだが、ハクテンカタギは7年も飼育されている。

T間さんオリジナルのアサリ給餌板。
アクリル板にテグスを取り付け、開いたアサリを挟むだけ。
板には別に長くテグスが付いていて、端には発泡スチロール片がある。
水槽から、すぐに取り出せる工夫だ。

せっかくなので、アサリの給餌を実演していただいた。
冷凍アサリを開き、水管、ヒモ、ベロといったかたい部分を取り除き
柔らかい内蔵だけを残す。
内蔵も、食べやすいように包丁で切れ目を入れるとベスト。

下ごしらえしたアサリを給餌板にセット。
あとは水槽に沈めるだけ。

アサリに群がるチョウチョウウオ。
ものすごい食べっぷりだ。
ハナグロの体の厚みがわかるだろうか。

こちらも美味しそうに食べている。
ポリプ食チョウチョウウオをアサリで長期飼育することは、以前は一般的なものであった。古くはS&S誌、最近ではMA誌46号に載ったi川さんも、アサリのみでポリプ食を長期飼育している。チョウチョウウオが餌付かなかったら、とりあえずアサリを与えてみる、というのは常道だ。チョウチョウウオ(特にポリプ食)を飼育してみようと思う人は、アサリの与え方は知っておいて損はないはずである。
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コメント
松井 | URL | -
すげえ!一度は見てみたい水槽です。
ハクテンカタギは飼ってみたいなぁ。
けどこれらは、アサリすら食わないものが多いんでしょ?
( 2009年09月09日 21:36 )
かっしぃ。 | URL | -
どの水槽も無理な混泳などせずに、生態重視の落ち着いた環境が出来上がっているところが素晴らしいです。
雪風さんもおっしゃられているとおり、真似して出来るものではないですよね。
それにしてもハクテンカタギ7年というのはさすがとしか言いようがありません…
( 2009年09月09日 22:59 )
minimini | URL | SGnePlu2
はじめまして
はじめまして。凄くナチュラルですね!私も最近リフジウムに
興味をわき始めた所です。しかしろ過無しで素晴らしいです。
厚い砂が窒素を生みプレナムの役目を果たしているのかもしれませんよね。
( 2009年09月10日 00:06 [Edit] )
kodo | URL | 47TcmA4s
うわ・・・憧れの魚ばかりの水槽ですね。
初期餌付け方法での秘訣でもあるのでしょうか?(笑)
( 2009年09月10日 08:34 [Edit] )
狩人 | URL | VJ4o0tac
アクア界の歴史的人物ですね
一度、見てみたい!!
( 2009年09月10日 09:40 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
■松井さん
ハクテンカタギは、まともな個体さえ入手できれば、アサリに餌付けるのは難しくないです。オウギとハナグロはアレですが。
■かっしぃ。さん
水槽サイズに比べて、生体の数が少ないところがポイントですね。それが良いとは分かっていても、多くのアクアリストが実行できない点でもあります。誘惑が多いですからね(笑)。
■miniminiさん
はじめまして。
ろ過無し水槽は、エアレーションによる水流が大きなポイントだろうと思います。砂はプレナムにしては薄いですが、これはT間さんの経験から導き出されたものでしょう。
■kodoさん
初期餌付けの方法、実はあります。
それらも、いずれ紹介していく予定です。
■狩人さん
海水魚飼育の礎を作った一人であることは、間違いないでしょう。近年はお忙しいようで、なかなか水槽を見る機会がないのが残念なところです。
( 2009年09月10日 10:10 [Edit] )
狩人 | URL | VJ4o0tac
死ぬまでに 一度はお会いしてみたい方です
( 2009年09月10日 12:57 [Edit] )
ぴー父 | URL | -
こんにちは、おじゃまします。
目から鱗な水槽群・・・アサリ給餌で換水はどの程度でやられてるのでしょうか?
差支えなければ教えて頂きたいです。
こういう水槽を見るとムラムラします。(笑)
( 2009年09月10日 16:35 )
雪風 | URL | cKg/74mY
■狩人さん
お会いできるといいですねぇ。
■ぴー父さん
水換えは、水槽の状態をみながら不定期ですね。ベテランになると、だいたいそのような感じになりやすいので(特にこのような水槽は)、水換え頻度や量などを、分かりやすく説明するのは難しいです。
( 2009年09月11日 09:55 [Edit] )
wario | URL | qk2NS5S2
丁度タイムリーな話題ありがとです。
家では、凍らせ熱湯がけアサリ与えて次の日病気に成りました、原因がアサリでは無いと思いますが、アサリは鬼門のようです。
6~7年前、採集で合った、40年以上の採集暦の方に、水槽立上げでアサリ腐らせて、2~3ヵ月放って置き、臭いがなくなり、水が綺麗に成ったら立上げ完成と教えて頂いた事思い出しました。
家の水槽ならあれだけアサリの殻が放ってあったら、病気蔓延ですよ。
なんか、アサリの硬い部分とる時の水洗いが良いのかな?生あさり試して見たくなりました。
( 2009年09月11日 12:09 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
病気を心配してアサリを与えない人もいますが、私やT間さん、某氏といった古いアクアリストは、アサリ派の人が多いです。病気が出るのは,必ずしもアサリが原因ではないですよ。アサリが病気持ちで、頻繁に病気が出ていたら、T間さんのチョウチョウウオは、今頃全滅しているでしょう(笑)。
アサリも使い続けていると、色々分かってくると思います。ハクテンカタギをやられているのであれば、是非アサリをマスターして下さい。
( 2009年09月11日 12:54 [Edit] )
ひろさん | URL | WGv/JGO2
はじめまして。
自分もチョウチョが好きで飼育をしているのですが、
あのお方の水槽がこんなところで見られるとは思いませんでした。
いつもT間さんとは行きつけのショップで会うことが多く、飼育のアドバイスを頂くことが多いです。
話では伺っていたのですが、長期飼育達成と魚のコンディションの良さにはびっくりです。
( 2009年09月11日 13:07 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
ひろさん、初めまして。
行きつけのショップで会われてましたか。良きアドバイスを頂いていることでしょう。
ちなみに、行きつけのショップには私もちょくちょく行きますので、いつかお会いするかもしれませんね。
( 2009年09月11日 14:37 [Edit] )
松井 | URL | -
>ハクテンカタギは、まともな個体さえ入手できれば、アサリに餌付けるのは難しくないです。
>オウギとハナグロはアレですが。
えっ、そうなの?
同レベルかと思ってた。
しかし、マニアックなミノカサゴと違って、みんな食い付きがいいねぇ。
( 2009年09月11日 22:00 )
雪風 | URL | cKg/74mY
どういうわけか、ハクテンカタギは比較的餌付きやすいんですよ。
>しかし、マニアックなミノカサゴと違って、みんな食い付きがいいねぇ。
ま、そんなもんでしょ(笑)。
( 2009年09月14日 09:41 [Edit] )
トワ | URL | yjwl.vYI
かなりお久しぶりです。
T間氏のことはS&S当初(コピー・生写真)からよく見ておりました。
システムの流行が変わる中で、マイペースな飼育スタイルには感銘を受けておりました。
ところで、ぜひともT間氏にお伺いして欲しいことがございます。
ハナグロ・オウギの混泳の中に、どうしてもハクテンが混泳できないのです。
この3種の混泳は無理なのでしょうか?
お願いいたします。
( 2009年09月14日 23:25 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
トワさん、お久しぶりです。
>この3種の混泳は無理なのでしょうか?
T間さんは、結構前に3種の混泳をやっていたと言っていましたので、可能でしょう。やり方については詳しく話されなかったので、そのあたりは、それぞれのアクアリストで工夫してね、と言うことだと思います。
以前聞いたときのタンクメイトは、ハナグロのペア、ハクテンカタギのペア、オウギ、という構成だったと記憶しています。
( 2009年09月15日 15:27 [Edit] )
TAKA | URL | -
雪風さん、
超初心者(いつまで初心者だなんてつっこまないでくださいね 笑)な質問で申し訳ないのですが、1つ質問させて下さい。
チョウだけでなく、他の偏食気味な魚などもアサリだけで飼育可能なのでしょうか?アサリだけで飼育した場合、栄養の偏りなどは問題にならないのでしょう?
( 2009年09月18日 05:13 )
雪風 | URL | cKg/74mY
チョウチョウウオのように、動物食主体の魚ならいけると思いますが、ヤッコのように植物質もよく食べる魚だと、アサリだけでは栄養に偏りが出ると考えられます。
( 2009年09月18日 13:38 [Edit] )
まっすん | URL | SFo5/nok
初めまして。
いつも拝見しておりました。
伝説の方ですよね!
Salt&Seaで拝見したことがあります。
あ、当然雪風さんもですよ!
実は雪風さん、アクア○ーケットに来られた際、私も店に居たことがありまして
お連れさんとご一緒だったんで遠慮しました^^;
アサリはうちの全く餌に見向きもしなかったレモンピールを餌付かせるため4年前にやり見事餌付いたのでかなり有効だと自分では思っています。
現在もとても元気です^^
ではこれからどうぞ宜しくお願い致します!
( 2009年09月23日 22:44 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
まっすんさん、初めまして。
T間さんは伝説の方ですよ。
私も追いつけ追い越せとやってきましたが、まだまだ遠いですね。
レモンピールをアサリで餌付けましたか。最近ではやっている人は少なくなってしまいましたが、アサリはヤッコにも有効です。キートドントプルスや、成魚サイズのポマカントゥスなどに使えます。
こちらこそ、今後とも宜しく御願い致します。
あ、リンクしておきましたのでご確認下さい。
( 2009年09月24日 14:43 [Edit] )
つっち | URL | SFo5/nok
雪風さん、はじめまして
ブログの方はず~~~っと前から拝見しておりましたw
今回、MA誌でT間氏の水槽を見て感銘を受けました。
海中でハナグロを見かけても、餌付けの面倒さ(と、維持の難しさ)から眼中に入ってこないヘタレですw
アサリだけでアレだけすばらしい体型が維持できるんですね!
正直驚きでした。
人工エサだけですと、ポリプチョウはどうしても妙な痩せ方をすると言うような先入観があります(実際、うちではウミヅキ以外は妙な痩せ方をした)
ところで、一点質問があります。
MA誌では”冷凍もしていない生のアサリ”との記述がありました。
ところが、雪風さまのブログでは”冷凍アサリ”とあります。
どちらが正解なのでしょうか?
( 2009年09月24日 22:15 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
つっちさん、初めまして。
アサリだけでもチョウチョウウオは十分に飼育できますので、次回はぜひトライしてみて下さい。
さて冷凍かどうかですが、どちらも正解です。冷凍のも与えるし、生のものも与えるそうです。『生』と書くのは、ちょっと避けてたんですが(^^;;
嗜好性は冷凍よりも生の方がいいですね。しかし、生だと病気の持ち込みが心配というのは、よく言われます(私もそのように思ってます)。でもT間さんは、そこはあまり問題ではないと考えているようです。餌付け初期には、生アサリを与えるのが有効なのかもしれません。
( 2009年09月25日 09:39 [Edit] )
つっち | URL | SFo5/nok
お答え、ありがとうございます。
やはりどちらも与えているんですね。
常に生をストックしておくのは大変ですし・・・
うちの餌付け水槽は少々過密になってきておりますので、病気の発生を考えても生は避けた方がいいみたいです。(既に飼育水槽に成り下がっておりますがw)
アサリの臭いが嫌いで、餌付けに冷凍タラコを使っておりましたが、すり身にしないなら臭いも関係ありません。アサリの方が入手しやすいですしね。
アサリの使用も再考してみたいと思います。
( 2009年09月25日 11:12 [Edit] )
トワ | URL | yjwl.vYI
僭越ながら少しばかりコメントさせていただきます。
MA誌でのT間氏は、冷凍・解凍・すると身が殻から剥がれやすくなるので生のほうが良い・・・と記載されていますが、その通りです。
解凍すると細胞膜が破壊されて細胞液が溶出してしまうからです。
そこで、冷凍・解凍した場合は身を生に近いくらいに固めるように、少し熱湯をかけて凝固させると良いです。
当然殺菌効果もありますし。
ただ、やりすぎると硬くなりすぎてダメですが・・・。
( 2009年09月25日 11:48 [Edit] )
まっすん | URL | SFo5/nok
雪風さん、リンクありがとうございました!
うちもリンクさせて頂きますので宜しくお願い致します。
まだ先の話ですが、この趣味をやる前から憧れていたチョウチョウウオを飼育しようと思っています。
マメサイズです。
その時もレモンピールを餌付かせたときみたいに、アサリをぐちゃぐちゃに潰したものを与える→そこに人工餌を混ぜて与える→人工餌を与える の流れでと思ってましたが、アサリのみで長期飼育とお聞きするとその方が良いのかなと思ったりもします^^;
( 2009年09月25日 11:55 [Edit] )
つっち | URL | SFo5/nok
トワさん、ありがとうございます。
そう言えば、ずっと以前にハナグロの飼育について聞かれた気が・・・w
ついでですのでお尋ねしたいことが・・・その手のエサだけでもチョウの体型が維持できますか?
( 2009年09月25日 16:08 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
■つっちさん
餌付け水槽が飼育水槽になるのは、ありがちですね(笑)。
アサリの使用、検討してみて下さい。
■トワさん
熱湯をかけるのもありかもしれませんね。熱湯をかける加減が微妙そうですが。
ただ、個人的には解凍したままで与えますね。
■まっすんさん
チョウチョウウオを、しっかりと飼育しているアクアリストが少なくなっているので、ぜひ挑戦して上達してください。
雑食性のチョウチョウウオであれば、人工餌に移行できるので、そちらは人工餌で問題無いです。ポリプ食の場合は、無理に人工餌に移行すると、かえってダメになることもあります。そういうときは、アサリで十分ですよ。
( 2009年09月25日 16:48 [Edit] )
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