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伝達不可

2006年02月01日 00:10

自分の脳ミソの中には、海水魚に関するアレやコレやがいろいろ入っている。
飼育などで、どの魚はどうやったらだいたいうまくいくとか、どのサンゴはこうすると良いなんてことは、文章にしても伝えることが可能だ(全部は無理だが)。使ったことのある器具ならば、うまい使い方などを、すぐにわかりやすく教えることもできる。また学術的なことなどは、ちょっと真面目に調べたりすれば、たいていの情報が入手可能である。こうしてみると文章化しておけば、多くの情報を残すことができるように思える。

ところが全く他人に引き継がせることのできないものがある。

その最たるものが「個体選びの眼」、「種の同定能力」などだ。
特に「個体選びの眼」は個人の経験・センスによるところが大きく、他人に教えることが不可能といっていい。

先日、あるショップで個体選びを頼まれた。頼んできた人は初めて会う人で、本に載っている人を見つけた(汗)ということで声をかけてきたのだそうだ。選ぶ対象はカリビアンフレームバックエンゼルだった。販売水槽に個別に5~6匹入っており、一番調子の良いものを選んで欲しいとのこと(当たり前だよね)。パッと見て、一番状態の良さそうなのは1匹しかいなかった。他は明らかにイマイチ。なので、一番良い個体をおすすめした。その人は指示通りにその個体を購入していった。水槽がまともなら、簡単に長期飼育できる個体だ。だが頼んできた人には、それが分からなかったのだ。自分と同じ感覚を持っていれば、この人も個体選びで迷うこともないのにな・・・。そう思ったのだが、この知識だけは分けたくても、分けてあげることはできない。こればかりは、授業料を払って経験を積んでもらうしかないのだ。

以前にも、某誌編集長に、ショップで魚の状態をレクチャーしたことがある。だが明らかに違う状態の魚を見せても、その違いを分かることはなかった。つまり、初心者にいくら魚の状態の見分け方を教えても、全く役に立たないということである。説明しても理解されないのでは、記事を書いても単なる無駄だ。でも本には一応、書いておかなくてはならない。

初心者が魚を選ぶところを見ていると、単に餌を食べているということだけで選んでいる。餌を食べてさえいれば、白点病でも持って行ってしまうのだ(それをそのまま売るショップもアレだが)。確かに餌を食べていない魚を持って帰るのは勇気がいる。餌を食べていれば安心できるというのも理解できるが・・・。難しいなぁ。

魚の状態というのは、数多くの魚を見たり、飼ったりしてこないとわからない。
色々なショップに行って、様々な状態の魚を見続けていると、段々と眼が養われてくる。
近くに何軒かショップがあれば、定期的に生体を見にいくだけでもいい。
ショップの無い地方の人はつらいが、大都市圏に住んでいる人なら、ショップ巡りは有効だ。
また上手に飼育している人の水槽を見て、生体のベストな状態を見ておくのも重要である。
ショップ巡りとスイハイは、スキル向上に最も役立つものなのだ。

できることならば実際に海に行き、魚やサンゴを見るのが一番。
フィールドワークは、アクアリストにとって最も重要な項目であるといえるだろう。

というわけで、この知識は教えられない。選魚眼は各自で養っていただきたい。
生体を選んであげることは可能だけれどね。
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コメント

  1. タツロウ | URL | E6kBkVdo

    感性・・・

    雪風さん、こんばんは、タツロウです。

    つい最近に、HPを知って拝見させていただきました。

    選魚眼を極める感性・センス・・・
    ご存知のとおり毎日仔魚観察をしています。一度に数十、数百の生命誕生を数え切れないほど見てきて、今では誕生仔魚の選別で余命○日なんて推察してあたってしまう経験を重ねていると、時にはマイナス暗示にかかります。

    わずかな成功例がそんな気分を吹き飛ばしてくれるので、がんばっていますが・・・
    繁殖の理論は当然ながら、仔魚飼育の感性を極めていくとなると、趣味ではあるものの、極めて真剣になってしまいますね。生命の神秘が故にでしょうか・・・

  2. 雪風 | URL | cKg/74mY

    タツロウさん、いらっしゃいませです。

    タツの仔魚の選別では、もはや誰もタツロウさんには敵わないでしょう。

    >今では誕生仔魚の選別で余命○日なんて推察してあたってしまう経験を重ねていると、時にはマイナス暗示にかかります。

    似たような経験は、ショップ巡りでもあります。この魚は駄目だな、と思った個体が、次に行ったときには死んでいたり、瀕死だったりすることがよくあります。そういうことを長く見てくると、段々と感覚がマヒしてきてしまいますね。

  3. Tetsuo | URL | -

    雪風さま。
    こんばんは。

    私もAquaristは是非、海に行き生体を見て勉強してもらいたいと思っています。やせほそったチョウチョウウオではなく、太ったチョウを、信じられないような美しさのヤッコのオス個体。

    われわれもがんばってはいますがまだまだ自然にはおよびません。

  4. 工場長A | URL | -

    ナチュラルパワー

    そうですよね~。
    自然下だと、やっぱりそれなりに環境に適応した強者しかいきのこれないからみてても綺麗だろうし。

    はなしは変わりまして石ノコ買いました。
    けっこう刃分ぶあついですね。
    LR切るのにはちと一苦労でした(笑

  5. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■tetsuoさん
    自然の海を見ることは、何よりの勉強です。ヤッコもチョウチョウウオも美しいですし、海中でのサンゴの生え方などは、レイアウトする際にも参考になりますね。100枚の水中写真を見るより、一回のスノーケリングの方が遥かに大きな収穫があります。

    ■工場長A氏
    いい季節になったら、伊豆オフか三浦オフを企画するよ。

    >LR切るのにはちと一苦労でした(笑

    固いのは時間かかるね。でも普通のノコで切る(切れないし)より、ずっと早いよ。

  6. Tetusuo | URL | -

    雪風さまの言うように一回のスノーケリングから学ぶことが多いです。クリスマス島へ潜りに行きたいのですが、なかなかいけません。フィジーでは大好きなソメワケヤッコのハーレムを観察出来てとても勉強になりました。

    伝達不可能という点では似ていることですが、雪風さまが以前、珍種だけではなく一般種の綺麗な個体を見つけることを記載されていましたね。この綺麗な個体を見る目も伝達不可能に近いですね。私は2日前にマーシャル便フレームAの立派なオスを入手しました。他のオスと比べても黒いバンドが太目の立派な個体だったのですが、他のお客さまには違いがわからなったようです。まぁ、今の流行ではフレームAは赤い部分が多く、赤みの強い個体が人気なのでしょうね。

  7. 雪風 | URL | cKg/74mY

    >クリスマス島へ潜りに行きたいのですが、なかなかいけません。

    おお、いいですねぇ。私は紅海に潜ってみたいですね。

    >私は2日前にマーシャル便フレームAの立派なオスを入手しました。

    フレームも真剣に探すとなると、なかなか意中の個体がいないものです。一般種の中の個体ごとの違いをどれだけ見抜くかは、例えて言うなら職人芸の世界に近いのではないかと思います(ちょっと違う気もしますが)。

  8. ゆう | URL | YZdnnNwY

    とうとう出ちゃったね

    うわさは本当だったよ。
    http://himitsu.ath.cx/4

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