2008年01月07日 23:50
飼育に適した水槽
リオプロポマ属はリーフタンクで飼育していると、非常に状態良く飼育でき、かつ体色も濃くなってくる。またリオプロポマ属の魚は水温の上昇に弱いため、水温を低く抑える必要のあるリーフタンクは、飼育にもってこいというわけである。ちなみに適水温は22~25℃ほど。ただ、リーフタンクで用いるメタハラの強い照明で、体色が焼けてしまう種(ケーブバスやヨコヤマハナスズキ、オレンジストライプバスレット)がいる。そのような種は蛍光灯主体のLPS水槽や、陰日性サンゴをレイアウトした水槽が適している。リオプロポマ属は白点の寄生にも弱いが、状態の良いリーフタンクであれば白点の発生率も低いので、これもまた好都合な面だ。ただし「状態の良いリーフタンク」であることが肝心なのは言うまでもない。
あまり泳ぎ回る魚ではないため、水槽サイズは比較的小型でもいけるが、複数種飼育をするなら、最低でも90cm水槽以上は必要。なおペアになった種は、ペア以外の同種を攻撃するため、基本的に同種の複数匹飼育は向かない。同属でも、小型種(キャンディー、スイスガード、オレンジストライプなど)と大型種(ラスバス(ラッセバス)、ツルグエ)との混泳は避けた方が無難だ。他魚種については、口に入ってしまうような小型魚やエビなどとは一緒にできないが、それ以外の魚とは協調性が良く、ほとんど一緒にできる。むしろ他魚から攻撃を受ける方なので、そちらに注意したい。小型でも気の強いニセスズメ類やニセモチノウオ類、スズメダイ類などは、特に気をつける。大型でプレッシャーになるような魚と一緒にするのも感心しない。種類によっては、隠れたままになってしまうからだ。太平洋産のリオプロポマは臆病で隠れがちな種が多いので、タンクメイトの選定は十分に吟味したいところである。
個体選び
リオプロポマ属は深場の魚なので、まずは減圧症に注意。尻を上にして泳ぐ個体は避ける。とはいっても、ハナダイに比べると減圧のうまくいっている個体が多く、それほど心配しなくてもいい。特にカリブ海産の種は、ほとんど減圧症の心配がない。しかし、インドネシアから輸入される通称リオプロポマsp.の名で流通する種だけは、減圧症の出ている個体がかなり多い。最初は大丈夫そうでも、数日後に減圧症が出ることも多いため、入荷後すぐに購入するのは得策ではない。ウキブクロに注射針を刺して余分な空気を抜く方法はあるが、素人が処置するとそれでトドメを刺すことも多く、おすすめできない。まずは減圧症の個体を買わないことである。できれば入荷後10日ほどは様子を見たいところだが、人気種ではそうもいかないのが悩ましい。ちなみに、小型個体より大型個体の方が減圧症になっていることが多い。
次に、痩せていないかどうかに注意。餌付きの良いリオプロポマが痩せているということは、内蔵に障害を持っている可能性があるので避ける。白点病になっている個体も、もちろん避ける。また、リオプロポマは、入荷直後に驚いて水槽面に突進することがあり、それで吻(口)を傷めてしまうことがある。リオプロポマに限らず、口の傷んだ魚は危ないことが多いので、アゴに傷のある個体も避けておく。
餌
慣れれば粒餌やフレークなど、大抵の餌は食べるようになるが、最初はクリルから始めるといい。口に入る大きさにクリルを細かくし、目の前に落としたりしてやると、まともな個体ならだいたい食べる。もしクリルに見向きもしないようであれば、アマエビの切り身や冷凍イサザアミを。それでも駄目なら、生きたイサザアミか、小さいイソスジエビやアゴハゼ、あるいは安価なオヨギイソハゼでも泳がせておいてみる。生き餌を食べない場合は、さすがに駄目な場合がほとんど。個体選びさえ間違わなければ、そこまで食べない個体にはまず当たらないだろう。クリルから人工餌への移行は、比較的スムーズに行なえる。十分に餌付いた状態であれば、給餌は1日1回でよい。慣れると、やや食べ過ぎる傾向があるので、餌の量には少し気をつけること。
カリブ産と太平洋産
リオプロポマ属は、主に東南アジア地域とカリブ海地域から入荷するが、飼育しやすさは若干異なる。オレンジストライプやメニイストライプバスレットなどの太平洋産の種は、隠れがちな個体が多く、大型水槽では観察しにくかったりする。これらはどちらかというと、比較的小型の水槽で、状態をよく観察しながら飼育するのが向いている。反対にカリブ海産の種は水槽前面に出てきやすく、観賞しやすい。何故このような違いがでるのかは分からないが、観察のしやすさでいえば、カリブ海産のものがおすすめだ。特にキャンディーバスレットは、価格こそ高いものの、美しさや飼育のしやすさから人気が高い。スイスガードはキャンディーに比べると地味だが、飼い込むことによって綺麗な色合いをみせる。太平洋産では、臆病で体色が照明焼けしやすい難点はあるものの、オレンジストライプバスレットが美しくてよい。リオプロポマの中では、価格的に求めやすいのも良い点だ。
病気
最も恐いのは白点病。水質のよくない水槽に収容されると、白点病になる確率が高く、十分に注意したいところだ。重症になると、ほとんど助からない。不幸にして発病した場合は、なるべく早い時期に治療してしまうようにしたい。バケツやトリートメントタンクにて、グリーンFゴールド浴が適当。濃度は規定量の半分、または半分よりもやや薄め。白点が完治しても、肌がやや荒れた感じになってしまうことが多い。これが元通りになるには、ちょっと時間がかかる。なるべく状態の良いリーフタンクで飼育し、病気を出さないように心がけることが大切だ。殺菌灯などを設置して、予防につとめるのも効果的。
リオプロポマは、リーフタンクにおいて飼育しやすい魚だといえる。が、決して初心者向きの魚とは言えない。できればミドリイシ主体のリーフタンクではなく、LPSや陰日性サンゴを中心とした、やや暗めのリーフタンクで飼育したい魚だ。組み合わせで無茶をせずにうまく飼育すれば、5~10年は生きる。結構長く付き合える魚たちなのだ。
リオプロポマ属はリーフタンクで飼育していると、非常に状態良く飼育でき、かつ体色も濃くなってくる。またリオプロポマ属の魚は水温の上昇に弱いため、水温を低く抑える必要のあるリーフタンクは、飼育にもってこいというわけである。ちなみに適水温は22~25℃ほど。ただ、リーフタンクで用いるメタハラの強い照明で、体色が焼けてしまう種(ケーブバスやヨコヤマハナスズキ、オレンジストライプバスレット)がいる。そのような種は蛍光灯主体のLPS水槽や、陰日性サンゴをレイアウトした水槽が適している。リオプロポマ属は白点の寄生にも弱いが、状態の良いリーフタンクであれば白点の発生率も低いので、これもまた好都合な面だ。ただし「状態の良いリーフタンク」であることが肝心なのは言うまでもない。
あまり泳ぎ回る魚ではないため、水槽サイズは比較的小型でもいけるが、複数種飼育をするなら、最低でも90cm水槽以上は必要。なおペアになった種は、ペア以外の同種を攻撃するため、基本的に同種の複数匹飼育は向かない。同属でも、小型種(キャンディー、スイスガード、オレンジストライプなど)と大型種(ラスバス(ラッセバス)、ツルグエ)との混泳は避けた方が無難だ。他魚種については、口に入ってしまうような小型魚やエビなどとは一緒にできないが、それ以外の魚とは協調性が良く、ほとんど一緒にできる。むしろ他魚から攻撃を受ける方なので、そちらに注意したい。小型でも気の強いニセスズメ類やニセモチノウオ類、スズメダイ類などは、特に気をつける。大型でプレッシャーになるような魚と一緒にするのも感心しない。種類によっては、隠れたままになってしまうからだ。太平洋産のリオプロポマは臆病で隠れがちな種が多いので、タンクメイトの選定は十分に吟味したいところである。
個体選び
リオプロポマ属は深場の魚なので、まずは減圧症に注意。尻を上にして泳ぐ個体は避ける。とはいっても、ハナダイに比べると減圧のうまくいっている個体が多く、それほど心配しなくてもいい。特にカリブ海産の種は、ほとんど減圧症の心配がない。しかし、インドネシアから輸入される通称リオプロポマsp.の名で流通する種だけは、減圧症の出ている個体がかなり多い。最初は大丈夫そうでも、数日後に減圧症が出ることも多いため、入荷後すぐに購入するのは得策ではない。ウキブクロに注射針を刺して余分な空気を抜く方法はあるが、素人が処置するとそれでトドメを刺すことも多く、おすすめできない。まずは減圧症の個体を買わないことである。できれば入荷後10日ほどは様子を見たいところだが、人気種ではそうもいかないのが悩ましい。ちなみに、小型個体より大型個体の方が減圧症になっていることが多い。
次に、痩せていないかどうかに注意。餌付きの良いリオプロポマが痩せているということは、内蔵に障害を持っている可能性があるので避ける。白点病になっている個体も、もちろん避ける。また、リオプロポマは、入荷直後に驚いて水槽面に突進することがあり、それで吻(口)を傷めてしまうことがある。リオプロポマに限らず、口の傷んだ魚は危ないことが多いので、アゴに傷のある個体も避けておく。
餌
慣れれば粒餌やフレークなど、大抵の餌は食べるようになるが、最初はクリルから始めるといい。口に入る大きさにクリルを細かくし、目の前に落としたりしてやると、まともな個体ならだいたい食べる。もしクリルに見向きもしないようであれば、アマエビの切り身や冷凍イサザアミを。それでも駄目なら、生きたイサザアミか、小さいイソスジエビやアゴハゼ、あるいは安価なオヨギイソハゼでも泳がせておいてみる。生き餌を食べない場合は、さすがに駄目な場合がほとんど。個体選びさえ間違わなければ、そこまで食べない個体にはまず当たらないだろう。クリルから人工餌への移行は、比較的スムーズに行なえる。十分に餌付いた状態であれば、給餌は1日1回でよい。慣れると、やや食べ過ぎる傾向があるので、餌の量には少し気をつけること。
カリブ産と太平洋産
リオプロポマ属は、主に東南アジア地域とカリブ海地域から入荷するが、飼育しやすさは若干異なる。オレンジストライプやメニイストライプバスレットなどの太平洋産の種は、隠れがちな個体が多く、大型水槽では観察しにくかったりする。これらはどちらかというと、比較的小型の水槽で、状態をよく観察しながら飼育するのが向いている。反対にカリブ海産の種は水槽前面に出てきやすく、観賞しやすい。何故このような違いがでるのかは分からないが、観察のしやすさでいえば、カリブ海産のものがおすすめだ。特にキャンディーバスレットは、価格こそ高いものの、美しさや飼育のしやすさから人気が高い。スイスガードはキャンディーに比べると地味だが、飼い込むことによって綺麗な色合いをみせる。太平洋産では、臆病で体色が照明焼けしやすい難点はあるものの、オレンジストライプバスレットが美しくてよい。リオプロポマの中では、価格的に求めやすいのも良い点だ。
病気
最も恐いのは白点病。水質のよくない水槽に収容されると、白点病になる確率が高く、十分に注意したいところだ。重症になると、ほとんど助からない。不幸にして発病した場合は、なるべく早い時期に治療してしまうようにしたい。バケツやトリートメントタンクにて、グリーンFゴールド浴が適当。濃度は規定量の半分、または半分よりもやや薄め。白点が完治しても、肌がやや荒れた感じになってしまうことが多い。これが元通りになるには、ちょっと時間がかかる。なるべく状態の良いリーフタンクで飼育し、病気を出さないように心がけることが大切だ。殺菌灯などを設置して、予防につとめるのも効果的。
リオプロポマは、リーフタンクにおいて飼育しやすい魚だといえる。が、決して初心者向きの魚とは言えない。できればミドリイシ主体のリーフタンクではなく、LPSや陰日性サンゴを中心とした、やや暗めのリーフタンクで飼育したい魚だ。組み合わせで無茶をせずにうまく飼育すれば、5~10年は生きる。結構長く付き合える魚たちなのだ。
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コメント
POE | URL | nSWEU1Es
ハナスズキ篇に突入した途端、コメントが付かなくなっちゃいましたね・・・。
(´・ω・`)ショボーン
ハナスズキ、人気ないのかしら?
個人的には、ケントロピーゲやプセウドアンティアス同様好きな種属なので、今後の魚種に注目してますよ。
なんせ、某洋書でもハナスズキ属の写真は少なく、情報量も僅かでしたからね。
それと、ウチのレフュジウム用にトゲハナスズキの5~7cmサイズをきぼん。(笑)
( 2008年01月11日 15:17 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
POEさん
コメント、どもです。
ハナスズキ、リーフ・アクアリウムにはお似合いの魚なんですがねぇ。みんな興味ないのかな? それとも、キャンディーとか出てこないと反応しないのかも(笑)。ま、一部のメジャー種以外はマニアックですが・・・。
今後は入荷の無い種も取り上げる予定です。
それにしてもトゲハナスズキとは、またディープなモノを・・・(笑)。個人的にはバラスズキですかね。これも深くて入荷の可能性はほとんど無いですが。
( 2008年01月11日 15:57 [Edit] )
Tetsuo | URL | -
ハナスズキは大好きです。でも教えてくれる先生はPOEさんくらいですね。やはりマイナー種?
わたしはクロオビスズキだろうが、フタイロハナスズキだろうが、ゴマハナスズキだろうが、バラスズキだろうがどれでも大満足です。
でも一番好きなのはオレンジストライプバスレット。あれを初めて見たときは感動しました。飼育していると、稀にしか見かけないのでつまらない魚ですが…。あと、エビとハゼを勝手に食べるのはやめて欲しいです。
( 2008年01月11日 22:25 )
雪風 | URL | cKg/74mY
Tetsuoさん
>やはりマイナー種?
キャンディーやスイスガード、オレンジストライプ以外はマイナー種でしょうね。
>稀にしか見かけないのでつまらない魚ですが…。
チラリズムの極地みたいな魚ですから(笑)。
>あと、エビとハゼを勝手に食べるのはやめて欲しいです。
勝手に食べて、勝手に大きくなります(^^;
( 2008年01月12日 22:30 [Edit] )
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