購入時の病気持ち込みを防ぐ

2007年11月20日 19:33

魚を入手するときに最も気をつけたいのが、各種病気の持ち込みだろう。病気の持ち込みは、ほとんどのショップで可能性がある。しかし、その持ち込み率となると、ショップによって大きく異なる。良心的な海水魚専門店では、その持ち込み率はかなり低いが、安売りメインの量販店では持ち込み率が(とんでもないほど)飛躍的に高くなる。

持ち込む病気の多くは白点病だろう。他にもリムフォシスティス、ウーディニウム、ビブリオなどが挙げられる。最近ではベネデニア(ヒラムシ)の寄生も多い。ちなみに、ショップで発生している白点病と、状態の良い水槽に出る白点病は、致死率の高さが異なる。ショップ持ち込み白点は、死亡率が異様に高い場合がある。十分に気をつけたいところだ。

さて、量販店ではコスト削減のため、まともなトリートメントなどはまず行なわれない(だからこそ安いわけなのだが)。量販店の安売り魚を入手するなら、まず病気を持っていると疑ってかかるべき。これをそのままメインタンクに放り込んでしまえば、あっという間に飼育魚を殲滅することもできる(まさに生物兵器)。量販店で魚を入手したら、まずはバケツでもいいからトリートメントをするべきだ。トリートメント中に死んでしまったら、それまでということ。病気を持ち込まなくて幸いだったとすべきである。「餌付かないからメインタンクに入れて、ライブロックでも突いてくれれば・・・」などと考えて、メインタンクに入れてしまうのは、はっきり言って最悪の対応と言わざるを得ない。何も考えてないのと同じこと。

安売りの魚を買って、そのままメイン全滅となれば、まさに「安物買いの銭失い」以外の何ものでもない。値段ばかり見ていると、とんでもない目に遭う。安売りの生体を買う場合は、値段の安さに反した高いリスクがあることを、十分に知っておかなくてはならない。
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コメント

  1. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    病気マニア1

    病気大好きのパソです、こんばんは。

    (全般)
    検疫なしの魚のメイン投入はほんとうに危険だと思います。また、その危険の程度は、メインのほうの体制に大きく左右されると思います。ときどきあります、銅治療をメインで行って、白点ゼロにしている水槽(あるいは良い状態が何年も続いている、いい水槽)など、免疫がないので、ひとたび持ち込むと大変だと思います。他方、魚のひれがにごっているが、オゾナイザーや殺菌灯で致死にいたらない程度に増殖を抑えている水槽では、汚染魚の追加に対する抵抗力が強いと思います。

    (検疫期間ーとくに原虫に対して)
    検疫をどのくらいすればいいかですが、Noga, Fish diseases(2000)によるとウーディニウムは20日検疫でも持ち越されてしまうことあり(汚染魚が強いので、発症はしないのですが、虫を持っているという状態があるようです。日本でもそういう実例がありました)、こういうことを考えると、虫の導入を絶対に防ぎたいなら、トリートメントを銅でやる必要があると思います(もちろん導入魚には大変な負担となりますが、メインが無防備で、高価な魚がいる場合、そうするしかないのではという気がします)(つづく)。

  2. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    病気マニア2

    (原虫以外の菌、細菌について)原虫(おもに白点、ウーディニウム)問題が初心者における死亡原因のほとんどをしめると思いますが、それをクリアした場合にも、魚を飼っていると、ほかの原因で結局は死んでしまうことがあります。その主要なものとして、菌や細菌性の疾患があります。これについては、オゾナイザーや殺菌灯だけでは不足と思います。また、原虫でもトリコディナなどは理由がよくわからないのですがオゾナイザーでも抑えられないように思われます(伝統的な、淡水浴が非常に有効ですが)。こういった状況に対しては、抗生物質を短期集中で経口投与(シュアーにサルファ剤などをまぶす)するのがいいように思われます(とくにビブリオ。又、原虫でも二次感染というか、原虫自体で窒息して死ぬよりは感染症で死ぬ場合が少なくない(だからGFGなどを使えといわれる)ので、その場合も有効)。もちろん魚がぴんぴんなら抗生物質は使わないほうがいいですが、1ヶ月くらい生存したところで、どうも元気ないというときに、ビタミンその他のおいしい餌と同時に、予防的に薬を与えるのがいいように思います(つづく)。

  3. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    病気マニア3

    (長期飼育の場合のストレスによる病気について)初期の3ヶ月をクリアした魚はなかなか死なないものと思いますが、長期飼育していることに特有のHLLE(穴あき病)や内臓疾患、突然死などが特定の魚種に目立つという気がします。また、深度の深いところに棲む魚も同様のようです。

    そういったものについては、最終的な対処は海に帰してやることだと思います(海に帰るときのストレスは大きいですが、水槽に耐えた魚ですから体力は強いはず)。この点については、「原産地に戻さない限り、遺伝子を乱す」等々の議論がつきものですが、死滅回遊魚の分布の広さや乱す程度を考えると、ダイビングや観光をするほうが自然破壊として深刻のように思われます。

    (おまけ 理想の水槽)いくつかの、海に近い水族館のウラにあるタタキ?のような飼育所は、海水をとりいれ、太陽があたるという状態にありました。そうすると、室内で人工灯を使い人工海水で、という通常の家庭の水槽ではとてもできない奇跡が実現するようです(魚の繁殖やサンゴの継続的な繁茂)。

    海に近いということが飼育の理想とすれば、どんなに高級な水槽でも、室内水槽は所詮はそういった水族館うらでのびのび育っている魚のいる環境にかなわないという印象をうけています。水槽拡張の野望?がしぼんだ理由の一つです。

    長々と生意気な意見を申し訳ありません。

  4. Tetsuo | URL | ffVU29mw

    放流について

    >最終的な対処は海に帰してやることだと思います(海に帰るときのストレスは大きいですが、水槽に耐えた魚ですから体力は強いはず)。

    ウィルス系の病気は飼育環境下で生まれ、自然下で猛威を振るい自然種を滅ぼします。養殖業界では数年毎に新しい病気は発生しています。そういう点を考慮すると、一度でも閉鎖環境の水槽で飼育された魚を自然界に放流するのは賛成できません。特に、数年維持した水槽では特異な病気が発生するので、そのような水槽で飼育された魚は危険だと考えています。

    別の考えですが、長期飼育された魚を他の水槽に移すと水質変化であっけなく死ぬことがあります。これが放流でもおこる可能性があります。この点は雪風さんも以前”アクアなジンクス”触れていました。

    上記は閉鎖系の水槽の話なので、水族館のような海の水をポンプで引いている水槽では話は別です。

  5. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■パソニファさん
    長文コメント、お疲れさまです。

    メイン水槽の体制によって、危険度が異なるのは確かにその通りですね。

    持ち込みを取りあえず防ぎたいのは、白点とベネデニアですね。この2つは頻度が高いので、これを検疫すればだいたい危険度は下がりますね。まあ、クマノミだと白点よりは、トリコディナになりますが。

    水族館のバックヤードで飼育されている魚は、確かに凄く調子良かったりもします。が、ホームアクアリウムで飼育されている魚と一概には比べられないですよね。私はホームアクアリウムでも、かなり良い状態に維持することは可能だと思っています(深場の魚や、特殊環境のものは、さすがに厳しいですが)。

    ■Tetsuoさん
    ホームアクアリウム内で突然変異した病原菌が、自然界の魚に影響を及ぼすことはありそうですね。マダホームアクアリウム起源の特殊な病気は明確には知られていないようですが・・・。しかし、地中海のイチイヅタの例もあることですし、これからそういう事例が出てくる可能性は十分にありますね。

  6. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    病気マニアPS

    雪風さんTetsuoさん、
    コメントありがとうございます。

    (1)やはり第三の点がきびしいですね。

    問題はその個体が生き残れるか、と、周りに迷惑をかけるか、で、後者のほうが問題だけど、前者が×ならそもそも放流という話はおきないので、そういう順で思っていることを申し上げます。

    よく海や魚を知っているダイバー(放すときに相談する)は、「放流しても餌をとれないで死ぬかもよ」というのを一番いいます。

    実は、自分は飼って日の浅いのしかやったことがない(性質を知らないで買った)ので、長期飼い込みを放したことはありません。これは現場を見て判断するしかないと思います。半年ほど後に見て住み着いていた例も2つあります。

    水質変化は、水槽→海もですが、海→水槽のほうがやばいような気がします。

    ウイルス等変異の件ですが、放流のため顕著に病害が出たという報告例はないのかなと思います。また、養殖でいろいろ病気が、というのは、抗生物質等が効かないタイプの病気が出て、という場合が多いのかなと思います。
    要するに、天然の魚に対してペストのように悪い病気を長期飼い込み個体が保有している、というケースは、ちょっと考えにくいのですが、ここらへんは実例があれば、考えを変えます。

    いずれにしても、積極的にやりたいことでは決してないです。

    (2)水槽でも十分調子よい、について。水槽と水族館裏というのは良くなくて、Tetsuoさんの区分の閉鎖系、開放系のほうがよかったと思います。

    自然の魚も病気や怪我が結構あり、また、やせて早死にしている例も少なくないことを考えると、水槽にいたほうが幸せといえる場合もたしかにあろうと思います(Kローレンツの、檻にはいったライオンとか鷲とか)。

    ちなみに老後の夢は、バリに浜つき土地をもって、その浜の岩礁に柵をつくって魚を飼うというものですが、逃げたり鴎や地元の子供にやられたり、とかいう情けない結末になりそう。。。

    (3)ベネデニアは、プラジカンテルさえあれば、あまり怖くないと思いますが、入手が難しいですね。ちなみに、ヒカリのリキッドの薬より、猫薬の流用のほうがよく効きました。

  7. かっしぃ。 | URL | -

    >まずはバケツでもいいからトリートメントをするべきだ。

    ショップで白点病の魚がいる水槽に泳いでいた2匹のチョウチョ(これには白点はついていない)を同時に購入して、トリートメントの効果を確認したことがあります。

    2つの新しい海水の入った小分け水槽を用意して、1つはトリートメントをした固体を投入。もう1つは、トリートメントをしないでそのまま投入。

    もちろん水槽の大きさも、ろ過の方法も、照明も水温も、可能な限り条件を同じにして並べて様子を見てみました。

    記録を見返すと、いままで5回同様の実験をしていたのですが、

    半年経っても両方とも白点が発生せず
    →1回。
    1週間以内にトリートメントをしないほうだけに白点が発生
    →3回。
    1ヶ月以内にトリートメントをしないほうだけに白点が発生
    →1回。

    という結果でした。データの蓄積が少ないですが、トリートメントの効果は高いように思います。ちなみにこのときのトリートメント方法はバケツにグリーンFゴールドを溶かした海水を入れ、エアレーションのみで24時間です。

    参考になれば良いですが・・・

  8. Tetsuo | URL | ffVU29mw

    ウィルス

    >半年ほど後に見て住み着いていた例も2つあります。

    水槽内では丈夫なCentropygeの成魚の自然界での年生存率が10%という論文がありますから、水槽内での飼育魚放流での生存例が2例あったら生存率は高いと思います。

    >天然の魚に対してペストのように悪い病気を長期飼い込み個体が保有している

    いえ。養殖業界で出るのはまったく新しい病気です。ウィルスの病気が知られない/確認されない理由は病気の原因がウィルスと特定できないからです。菌の同定と比べるとウィルスの同定はとても難しいのです。また新規となるとその難しさは想像できません。現状で確認できるのは外国で報告のある病気だけです。菌と違ってウィルスの方が変異が早いこともより、わかりにくくしています。

    海での実例はありませんが、淡水で有名なのはコイヘルペスウィルスです。未だに国内へどのように持ち込まれた不明ですが、遺伝子調査から自然の川で自然発症したわけではないことがわかっています。(生存した鯉が放流ものの方が多く、天然ものは死亡率が高かった)

    自然の海での場合。実はウィルスの大量死はないのです。つぎつぎと増え続け、感染しつづけるのです。稀に一部の個体のみ発症して死にます。

    が、海上養殖では例外もあります。
    そのひとつがビルナウイルス(Aquabirnavirus)です。ブリやヒラメの腹水症の原因のひとつです。

    どのような経緯で発症するかはまだ明確にはわかっていません。(注;過密飼育によるストレスとあいまいな言葉で論文には書かれています)ビルナウイルスは多くの遺伝子変異タイプが確認されています。本来、このウィルスには殺傷性はなかったかもしれませんが、養殖場などで、なんらかの要因で変異した可能性もあります。またコイヘルペスの場合と同じく、キャリア-となった個体が被害を広めることをMurrayやKnueselが2003年に報告しています。キャリアーは死にませんので誰も気付かないうちに放流されてしまうでしょう。そして感染。つまり放流された魚は死なないので原因がつかめない可能性は高いですし、海で弱った魚は他の魚の餌になるので死体の確認も難しいです。

    いまのところ、これらのウィルスが海外から来たという説が有力ですが、どうやって来たのかがどれひとつ明確になっていません。もしかしたら、養殖場でこれらのウィルスが変異したのかもしれません。また、海外でもこのウィルスが急に猛威を振るうようになったのかが、わかっていません。

    これらのウィルスが変異種でないとしてもわれわれの飼育する多くの魚が海外から来ているということを忘れてはなりません。水槽内で海外から来た魚と国内から来た魚を一緒に飼育しているだけでウィルスに感染する可能性はあります。

    ウィルスの多くが潜伏性のものです。リムホンシスティスが一番わかりやすいと思います。めったに魚を殺しません。しかし、感染はし続けます。口部にできたときは魚を殺すこともあります。ところが同じイリドウィルスでもマダイイリドウィルスは死亡率の高いウィルスです。

    HLLEも実はウィルスかもしれませんよ。海では確認されていない症状ですが、最近では日本近海の海でも確認されています。まぁその個体は放流魚でしょう。(苦笑)

    >いずれにしても、積極的にやりたいことでは決してないです。

    そうですね。不要魚の問題はいつまでも続くので、今回の書き込みは良かったと思います。飼育を続ければ続けるほど不要魚は出てきます。しかしなかなかこういうことを書く機会はありません。

    >老後の夢は

    いい夢ですね。私はインド洋の島に移住したいです。老後はスローライフを送りたいです。という今すぐにスローライフを送りたいのですが…。

  9. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■パソニファさん
    >いずれにしても、積極的にやりたいことでは決してないです。

    ですね。
    私は、もし不要魚が出たときには、まず引き取り手を探します。引き取り手が居ない場合、近海魚であれば個体の状態などにもよりますが、放流はあり得ます。しかし、最近はだいたい殺処分ですね。可哀想ですが、誰にも迷惑をかけない(魚にとっては非常に迷惑ですが・・・)のが利点です。殺処分といっても実際には、オコゼやサメの餌になります。

    >ちなみに老後の夢は、バリに浜つき土地をもって、その浜の岩礁に柵をつくって魚を飼うというものですが、逃げたり鴎や地元の子供にやられたり、とかいう情けない結末になりそう。。。

    いいですね。
    私ならタタキ池でも作って、そこで魚を泳がせるかもしれません。掛け流しのタタキ池で、折れたミドリイシを適当に入れて、上から見るサンゴレイアウトも良さそうです。

    ■かっしぃさん
    貴重な情報、ありがとうございます。
    良い実験だと思います。
    やはりトリートメントは、しないよりも、やった方が良いですよね。病気の発生率は明らかに違うものです。また、餌付けの際にも有効ですね。

    ■Tetsuoさん
    ウイルスは難しいですね。
    研究者の苦労が偲ばれます。

    それにしても今回の書き込み、なかなか濃いものになりましたね。魚病に関しては、Tetsuoさんの得意分野ですしね。いつも参考になります。

    >HLLEも実はウィルスかもしれませんよ。

    私は、たぶんウイルスなんじゃないかと疑っています。

    >飼育を続ければ続けるほど不要魚は出てきます。しかしなかなかこういうことを書く機会はありません。

    ですね。良い機会だったと思います。

    >私はインド洋の島に移住したいです。

    Tetsuoさんはインド洋ですか。
    モーリシャスあたりにどうです?(笑)

  10. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    病気マニアPS2

    1 かっしいさんのトリートメント効果について。GFGは寄生している白点子虫には無効というのが定説のようですが、結論としては抑える効果があるようですね。いまはあまりなくなりましたが、「黄色い水で通販の魚を送ってくる」という実務、結構合理的だったのかなと思います。

    2 ウイルス。菌や細菌と違って、たしかに難しいところだと聞いています。

    政策としては、現在の各国検疫で、他の動植物に比べ魚には甘い状態になっている(知る限り最も厳しいのがシンガポールとオーストラリアですが、前者は申告すれば量的制限はあるがOK,後者は事実上形式的な輸出手続きのみ)ことも、まあいいかの一つの理由なのですが、病理的にはマイナスはあってもプラスはないということは事実です。

    3 その他。生存例はスズメとウツボで、ケントロはたしかにいやだなという気がします(ケントロではないですがニシキヤッコなんか、縄張りが厳しいので)。

    雪風さんはすごい鮫を飼ってらっしゃるのですね。わたしも水槽内で食べてもらうのが一番ましかと思いますが、殺処分は難しい。。。治療をしているとき特にそうです。海水は大体さっさとくたばってくれますが、淡水は致死的な病気(悪性の潰瘍とか)でも長く生きているから、殺してやるべきなのでしょうが、できないです(冷蔵庫にいれて安楽死が苦痛が少ないという説あり)。

    黄色くなったクインエンゼルなんか、引き取ってもらっても絶対に餌ですね、売っているのを見たことがないです。アメリカエンゼルの子供はほんとうにかわいそうです。

    無脊椎の消毒にはGFGは使えませんが、シーケムでリーフディップという、要するにヨウ素の溶液を売っています。心配なときはこれを気休めに使っています。

  11. 雪風 | URL | cKg/74mY

    >雪風さんはすごい鮫を飼ってらっしゃるのですね。

    遊泳性のものではなく、底性のオオセの仲間です。サイズはさほど大きくないですが、口が大きいため、結構なサイズの魚も食べてしまいます。先日も、他所で不要になった魚を引き取って来て、餌として与えました。

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