2007年08月11日 00:14
前回は「持て余す魚」だったが、今回は持て余すことすら許されない、飼育困難な魚たちについて。難しい魚は稀少珍種かというと全くそんなことはなく、むしろ入手しやすい魚に多い。次に挙げる魚たちを年単位で長期飼育できたら、どんな珍種・希少種を飼育するよりも自慢できるだろう。
ハナグロチョウ、オウギチョウ、ハクテンカタギ
安価で入手できるチョウチョウウオだが、この3種は餌付きにくいポリプ食チョウチョウウオの中でも最高に難しい。まずアサリに餌付かせるだけでも苦労するし、人工餌にはほとんど餌付かない。3種の中ではハクテンカタギが最も餌付かせやすいが、他2種に比べてという程度。余りにも餌付かないため、この3種は観賞魚としての輸入を禁止してもいいと思う。飼えない魚は、切り花的に消耗されるだけだからだ。
(2009年後半あたりから、餌付く個体の入荷が多くなってきたように思える。とはいえ、飼育難魚であることに変わりない)
スギアヤチョウ、バンデットバタフライ
これらも飼いにくいチョウチョウウオである。ほとんど状態の悪いものしか流通せず、飼育できそうな個体を探すのが難しい。どちらもカリブ海産であるが、米国在住経験のあるTetsuoさんによると、米国内では比較的良い状態で流通しているそうだ。となると、輸出シッパーの扱いが全く駄目だということになる。Tetsuoさんは業者の餌止めのし過ぎを指摘している。
ハシナガチョウ
チェルモンの名で親しまれるが、これも長期飼育の難しい魚。アサリやゴカイ類はよく食べるが、なかなか人工餌にまで移行できない。混泳もやや難しく、年単位の長期飼育は難しい。吻の長いチョウチョウウオはポリプ食ではないものの、なかなか手強い種類が多い。
フエヤッコ
この魚も難しい。比較的人工餌には餌付きやすいものの、口が小さいために大きな餌が食べられない。そのため、かなりこまめに餌を与えないとすぐに痩せやすい。餌は人工餌だけよりも、アサリなどの生餌も併用した方が成績が良いようだ。餌の与え方などを考えると、混泳は少々難しい。安価だが、ビギナーが手を出しても、まず長生きはさせられない。
アカククリ
非常に飼育の難しい魚として有名。亜成魚サイズ以上は比較的飼育しやすいが、幼魚はとてつもなく飼育難易度が高い。幼魚から成魚まで育てあげたという話を、全く聞いたことがないほど。昔から知られる観賞魚だが、いまだに幼魚の餌付けが確立されていない。観賞魚としての輸入が不適当と思われる魚のひとつだ。
ヘコアユ
珍妙なスタイルと泳ぎ方が印象的な海水魚。口が小さくプランクトン食のため、与える餌に困る魚である。大抵は適当に細かい餌を与えるうちに餓死というパターンになる。長期飼育は結構難しい魚だ。餌にはアミエビが適しているので、それを与えるとよい。人工餌に餌付くことは稀で、せいぜい細かくしたクリルがいいところ。他魚との混泳も考えない方が良い。
テングカワハギ
ポリプ食だというのにもかかわらず、多数がコンスタントに入荷する。ミドリイシやコモンサンゴなどのポリプを主食にするため、飼育は大型のリーフタンクに収容して、勝手にポリプを食べさせる方法ぐらいしかない。人工餌に餌付くことはまず無いため、初心者向きとして販売するべき魚とは言えない。
(実は人工餌を食べるようになる個体がわりといることが判明した。個体を選べば、顆粒餌に餌付けることが可能である)
マルチカラーラス
本種をはじめ、オグロベラの仲間は飼育が難しい。デリケートで餌付きにくい。砂に潜ったまま出てこないで死亡するパターン、他魚にプレッシャーを受けて飛び出して干物になるパターンが非常に多い。専用水槽を用意するなどして飼育しないと、長期飼育はかなり厳しいといえるだろう。
ソメワケベラ
とにかく餌付きが悪い。なかなか餌付かず、痩せて餓死というパターンが多い。稀に人工餌に餌付いて長期飼育できる個体もいるが、多くの場合で飼育は難しい。餌付きの悪さは、幼魚、成魚ともに同じ。
(最近入荷の個体は餌付くものが多いようである。2011年追記)
ハナグロチョウ、オウギチョウ、ハクテンカタギ
安価で入手できるチョウチョウウオだが、この3種は餌付きにくいポリプ食チョウチョウウオの中でも最高に難しい。まずアサリに餌付かせるだけでも苦労するし、人工餌にはほとんど餌付かない。3種の中ではハクテンカタギが最も餌付かせやすいが、他2種に比べてという程度。余りにも餌付かないため、この3種は観賞魚としての輸入を禁止してもいいと思う。飼えない魚は、切り花的に消耗されるだけだからだ。
(2009年後半あたりから、餌付く個体の入荷が多くなってきたように思える。とはいえ、飼育難魚であることに変わりない)
スギアヤチョウ、バンデットバタフライ
これらも飼いにくいチョウチョウウオである。ほとんど状態の悪いものしか流通せず、飼育できそうな個体を探すのが難しい。どちらもカリブ海産であるが、米国在住経験のあるTetsuoさんによると、米国内では比較的良い状態で流通しているそうだ。となると、輸出シッパーの扱いが全く駄目だということになる。Tetsuoさんは業者の餌止めのし過ぎを指摘している。
ハシナガチョウ
チェルモンの名で親しまれるが、これも長期飼育の難しい魚。アサリやゴカイ類はよく食べるが、なかなか人工餌にまで移行できない。混泳もやや難しく、年単位の長期飼育は難しい。吻の長いチョウチョウウオはポリプ食ではないものの、なかなか手強い種類が多い。
フエヤッコ
この魚も難しい。比較的人工餌には餌付きやすいものの、口が小さいために大きな餌が食べられない。そのため、かなりこまめに餌を与えないとすぐに痩せやすい。餌は人工餌だけよりも、アサリなどの生餌も併用した方が成績が良いようだ。餌の与え方などを考えると、混泳は少々難しい。安価だが、ビギナーが手を出しても、まず長生きはさせられない。
アカククリ
非常に飼育の難しい魚として有名。亜成魚サイズ以上は比較的飼育しやすいが、幼魚はとてつもなく飼育難易度が高い。幼魚から成魚まで育てあげたという話を、全く聞いたことがないほど。昔から知られる観賞魚だが、いまだに幼魚の餌付けが確立されていない。観賞魚としての輸入が不適当と思われる魚のひとつだ。
ヘコアユ
珍妙なスタイルと泳ぎ方が印象的な海水魚。口が小さくプランクトン食のため、与える餌に困る魚である。大抵は適当に細かい餌を与えるうちに餓死というパターンになる。長期飼育は結構難しい魚だ。餌にはアミエビが適しているので、それを与えるとよい。人工餌に餌付くことは稀で、せいぜい細かくしたクリルがいいところ。他魚との混泳も考えない方が良い。
テングカワハギ
ポリプ食だというのにもかかわらず、多数がコンスタントに入荷する。ミドリイシやコモンサンゴなどのポリプを主食にするため、飼育は大型のリーフタンクに収容して、勝手にポリプを食べさせる方法ぐらいしかない。人工餌に餌付くことはまず無いため、初心者向きとして販売するべき魚とは言えない。
(実は人工餌を食べるようになる個体がわりといることが判明した。個体を選べば、顆粒餌に餌付けることが可能である)
マルチカラーラス
本種をはじめ、オグロベラの仲間は飼育が難しい。デリケートで餌付きにくい。砂に潜ったまま出てこないで死亡するパターン、他魚にプレッシャーを受けて飛び出して干物になるパターンが非常に多い。専用水槽を用意するなどして飼育しないと、長期飼育はかなり厳しいといえるだろう。
ソメワケベラ
とにかく餌付きが悪い。なかなか餌付かず、痩せて餓死というパターンが多い。稀に人工餌に餌付いて長期飼育できる個体もいるが、多くの場合で飼育は難しい。餌付きの悪さは、幼魚、成魚ともに同じ。
(最近入荷の個体は餌付くものが多いようである。2011年追記)
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コメント
かっしぃ。 | URL | -
いつも更新されるのを楽しみにしております。
ハナグロチョウ、オウギチョウ、ハクテンカタギは、私も観賞魚としての輸入を禁止していいと思います。ショップで痩せこけているのを見ると悲しくなります。本当にやめて欲しい。。。
ハシナガチョウは「ゴカイをあげてください」とショップが購入者にいうべきだと思います。我が家には3匹いるのですが、雪風さんのおっしゃっているように、ゴカイ類ならよく食べます。いろいろあげてみましたが、特にケヤリムシは食べ応えがあるのか、どの個体もよく食べてくれます。あと、棲管のままあげたほうが、彼らは食べやすいみたいです。
( 2007年08月11日 01:41 )
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( 2007年08月11日 02:21 )
雪風 | URL | cKg/74mY
■かっしぃさん
いらっしゃいませ。
チョウチョウウオを中心に飼育しておられるようですね。最近はそういう人が随分と減ってしまいました。
やはりハナグロあたりの難しさはご存知ですか。このあたりは水槽では飼ってはいけない魚だと思いますよ。
ハシナガチョウですが、3匹一緒に飼育しておられるのでしょうか。ケンカはどうですか? うちではずっと昔に複数飼育したことがありますが、もの凄いケンカをしてました。
■○○さん
>長期も可能です。
これは知りませんでした。
情報を公開してもいいんですが、まずは自分でやってみてからにしたいと思います。きちんと紹介しないと駄目でしょうから。
それにしても、面白い習性があるものです。普通種といえども、魚は奥が深いですね。これだからやめられません(笑)。
( 2007年08月12日 01:23 [Edit] )
かっしぃ。 | URL | -
ハシナガチョウですが、3匹一緒の水槽です。
いちばん古株は02年4月に購入した個体で、新しいのは06年7月から飼育しています。当然1匹ずつ足しています。そのまま2匹目以降を入れると、確かにケンカは避けられない場合が多いと思うのですが、臨時避難所として「たこつぼ」を一緒にいれたら上手くいきました。当然、後から入れる方を大きい個体にするなど、いろいろ考慮することは多いですが。
混泳にも挑みましたが、あきらめました。現在は彼ら3匹の専用水槽が1本できあがっております。ちなみにレイアウトはたこつぼ3個です(笑)
( 2007年08月12日 10:45 )
雪風 | URL | cKg/74mY
かっしぃさん
>いちばん古株は02年4月に購入した個体で、新しいのは06年7月から飼育しています。
ハシナガチョウとしては、かなりの長期飼育ではないですか。素晴らしいです。しかもハシナガチョウだけの専用水槽とは。やはり、クセのある魚はそういった飼育になりますね。
それにしても、タコ壷が役に立ってますね(笑)。意外に隠れ家としては良いアイテムなのかもしれません。
( 2007年08月12日 13:41 [Edit] )
toshi-14 | URL | ODiuZLVs
ここに書かれている魚は年単位の飼育は難しいんですね
そんな飼育内容を把握していないのに売るショップが存在しているなんて残念に思います
( 2007年08月13日 00:33 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
toshi-14さん
このあたりは意識改革が必要ですね。ショップもそうですが、アクアリストも注意していかないといけません。どんな魚かを理解していないアクアリストは大勢います。ショップ、アクアリスト、どちらも勉強が必要です。
( 2007年08月13日 21:29 [Edit] )
松井 | URL | -
ま、難しいと言えば挑戦したくなりますがね。
ところで、ここに載った魚たちは、自己採集でも難しい魚ばかりですか?
(もちろん、日本に分布してない魚は除きます)
( 2007年08月14日 22:14 )
松井 | URL | -
書き忘れ。
○○さんの話が気になる。
○○さん、今度からは公開してくださいませんか?
( 2007年08月14日 22:15 )
雪風 | URL | cKg/74mY
松井さん
自家採集でもどうでしょうねぇ?
難しさは変わらない気がしますよ。
>○○さん、今度からは公開してくださいませんか?
かなり気になっておられるようで(笑)。
( 2007年08月15日 12:39 [Edit] )
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