2007年07月11日 19:05

マーシャル産(photo/J.E.Randall)

小笠原産(photo/J.E.Randall)

タヒチ産(photo/J.E.Randall)
学名:Nemateleotris helfrichi Randall & Allen, 1973
和名:シコンハタタテハゼ
英名:ヘルフリッチズ・ダートフィッシュ Helfrich's dartfish
全長:7.5cm
南日本・小笠原、及び中・南部太平洋に分布
紫色の体色が美しい遊泳性の「ハゼ」。本種を含めたハタタテハゼの仲間は、いわゆるハゼ科ではなく、近縁のオオメワラスボ科に分類される。オオメワラスボ科には、他にクロユリハゼの仲間やサツキハゼの仲間、リボンゴビー、ワームゴビーなどが含まれる。いずれも遊泳性の種だ。本種には色彩変異があり、頭部の模様が異なるバリエーションがある。マーシャル産などは黄色い頭部が特徴的だが、南太平洋のクック諸島やタヒチには、頭部の黄色みがなく、ピンク色の濃い個体群がいる。専門誌では時として別種扱いをする場合があるが、分類上は同種となっており、単なる色彩変異と考えられている。なおトンガの個体群は、両パターンの中間的な頭部模様を示す。生息水深は深く、30~70mの範囲。40m前後の水深で,最もよくみられる。
観賞魚として紹介されたのは比較的近年だが、最近は入荷量が増え、ショップで普通にみられる高級魚のひとつとなった。飼育自体はそう難しいものではなく、餌付きやすく飼いやすいといえる。ただし、深場の魚ゆえに高水温は禁物だ。また、驚いて水槽外に飛び出す事故が多いため、フタや飛び出し防止フェンスなどの対策が必要になる。温和で、他の魚に攻撃をしかけることはなく、むしろ他魚に追われたりしないかどうかに気をつけなくてはいけない。しかし、こと同属同種となると性格は一変し、苛烈なまでの攻撃をしかける。したがって、ペア以外の同属同種との混泳はできない。外見上は雌雄の区別がないため、人為的にペアを組ませることは不可能。ペアを組ませるには、数匹を導入してペアを形成することを期待するしかない。が、その試みは大抵が失敗し、最終的に1匹しか残らないことがほとんど。ハタタテハゼ属の3種のうち、本種は最も性格がきついため、ペア形成はかなり難しいといえる。
深場の魚の割には入荷状態がよく、減圧症の心配も少ない。小型種で口もそれほど大きくないため、餌はフレークフードや顆粒状のものが適している。サンゴには影響を与えないため、落ち着いた状態のサンゴ水槽で飼育するのが最適。寿命は短く、長く生きても3年程度である。
種小名は人物名。和名は「紫紺」で、体色にちなむ。英名は種小名から。日本のアクアリストには「パープルファイア・ゴビー」の名で親しまれているが、これは日本のアクアリウム界でのみ通用する通称名。
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コメント
POE | URL | BW3s9fYE
20世紀末にパープルファイヤーゴビーを同時に10匹投入しましたが、何か?
最初は編隊を組んでて良かったのですが、2月くらいすると駄目ですね。
次々喧嘩して飛び出していく・・・。
最後は2匹残り、ペア化したのですが、ピンクヘッドを追加したら、片割れが虐め殺されました。
まぁ、最終的に普通のパープルファーやーゴビーもピンクヘッドも3年半生きましたから、最後は大往生、でしたね。
ところで、「イエローファイヤーゴビー」って英名ありませんでしたっけ?
( 2007年07月13日 00:51 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
POEさん、ども。
やっぱり2匹しか残らないのですよねぇ。それにしても、3年半は長生きですね。普通は2年ちょっとでいなくなったりしますが。
イエローファイヤーは、一時期使われましたね。今ではほとんど用いられていないようです。
( 2007年07月13日 12:26 [Edit] )
TAKA | URL | 9rjWiv8.
ども雪風さん、
>日本のアクアリストには「パープル
>ファイア・ゴビー」の名で親しまれ
>ているが、これは日本のアクアリウ
>ム界でのみ通用する通称名。
本当にその通りですね。私は日本の通称しかしらなかったので、ショップで「パープルファイアーゴビー」が安値で売られていたときにはびっくりしました。まあ、よく見ると全然ちがうのですが。危うくアケボノハゼを購入しかけました。笑
( 2007年07月14日 02:01 [Edit] )
雪風 | URL | cKg/74mY
TAKAさん
わはは。向こうでパープルファイアーといえばアケボノですからね。
それにしても、日本の通称名を誰が付けたのかに興味があります。
( 2007年07月14日 23:08 [Edit] )
Tetsuo | URL | -
いまでも普通にアケボノのパープルファイヤーと言ってショップを戸惑わせています。(笑)
トランペットコーラルは、エレガント。ヒユサンゴはブレインコーラル。ディスクはマッシュルーム。
一度憶えた名前を変えることはできません。
( 2007年07月15日 08:02 )
やまたけ | URL | -
>最終的に1匹しか残らないことがほとんど。
最初にペアを導入したものの、1匹が☆に。その後、3回ペアを追加したものの、常に闘争→ジャンプor☆。残るのは常に1匹ですorz
もうお手上げですw
( 2007年07月15日 12:04 )
Tetsuo | URL | -
やまたけさん。
それ普通です。私も常に最後の1匹しか残りません。
( 2007年07月15日 21:37 )
雪風 | URL | cKg/74mY
■Tetsuoさん
なかなかイジワルですね(笑)。
>一度憶えた名前を変えることはできません。
そんなものですよ。
一度使い慣れてしまうと、新しい名前で呼ぶのが難しくなりますね。
■やまたけさん
Tetsuoさんも書いてますが、そんなものですよ。
特にシコンハタタテはペアを解消してしまいやすいため、だいたい単独飼育になってしまいます。
( 2007年07月15日 22:08 [Edit] )
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