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魚の産地 インド洋編

2007年05月24日 18:48

さて、次はインド洋。

■モルジブ・スリランカ
インド洋エリアでは古くから知られている採集地。ヤッコでは、特産種のクロシテン、メニイスパインド、イエローフィン、エイブリー、ニシキヤッコ(インドニシキ)、アデヤッコ、タテキン(ラウンドスレッド)など。クロシテンとシテンの交雑種である、アーミターギエンゼルも入ってくる。チョウチョウウオでは、コラリス、インドスダレ、イッテン(インド洋のは別種)、サントス、マダガスカルB、インディアンBなど。

ハナダイは、スクリブルドアンティアス、インドキンギョ、エバンス、フレームアンティアス、コウリンハナダイ、レスブレンデントアンティアス。クマノミは特産のモルジブアネモネがいるが、着状態が悪い。他にセバエも。ベラではインディアンカナリーラス、フォルモーサンラス、アドルネッドラス、ディビデットラス(バーミキュレイトラス)など。イトヒキベラはパープルフェアリーラス、マッコスカーズラスが有名どころ。他にインド洋版のニシキイトヒキベラ、フタホシキツネベラなど。

底モノ系は少なく、ドラキュラシュリンプゴビーとオーロラゴビー、モンツキカエルウオ程度。インド洋タイプのアケボノハゼも入ってくる。ハギは、パウダーブルータンがメイン。他にインディアンミミックタン、ナンヨウハギ(インド洋タイプ)、インドヒレナガハギなど。

総じてクマノミ類を除き、状態はそれなりに良い。この便の人気種は、何と行ってもインドニシキだろう。ハナダイ系の人気も高い。最近アフリカンバスレットが入荷したように、この地域も探せば面白い魚はまだいる。トールフィンゴビーやインド洋版タテジマヘビギンポなどは入荷を望みたい魚だ。

■紅海
以前はアクアリスト憧れの紅海便の魚も、最近は手に入れやすい価格に落ち着いた。ヤッコでは、何といってもアズファーとマクロスス。他に紅海版のタテキンとニシキヤッコ、レッドシーエンゼル、ゼブラエンゼル。チョウチョウウオは、入荷するほとんどのものが特産種。ゴールデンB、レッドバック、ホワイトフェイス、オレンジフェイス、レッドシーラクーン、エクスクイジット、レッドシーバンナー、紅海版トゲチョウ。アラビアンバタフライはどちらかというと紅海産ではなく、紅海周辺からアラビア湾にかけてである。チョウチョウウオでは、オマーンバタフライの入荷が待たれる。

ベラは入荷するものが少なく、エイトラインラス、ブルームテールラス、レッドシークリーナーラスの3種だけ。ヤリイトヒキベラ似の美しい Cirrhilabrus blatteus の入荷が待たれる。ハギでは特産のパープルタン。スズメダイ類は、ツーバンドアネモネとレッドシーダッシルス。

ハナダイはストライプアンティアスが入荷していたが、現在は全くみられなくなってしまった。他にもタウンゼンズアンティアスやヒームストラズアンティアスといった魅力的なハナダイがいるので、それらの入荷を期待したい。ニセスズメはフリードマニーやサンライズドッティ、スプリンゲリー、ネオンドッティと美しい種が多い。フリードマニーやサンライズドッティなどは養殖もされている。

紅海は閉鎖環境に近いため比重がかなり高く、1.030ぐらいは普通にある。そのせいで、あまり低い比重で飼育していると、良い状態で飼育できないことも多い。特にデリケートなホワイトフェイスあたりのチョウチョウウオは注意。治療のための淡水浴は危険で、半海水浴ぐらいにしておきたい。状態良く飼育するなら、あまり他の海域の魚とは一緒にしない方が無難。水温も高めが良い。

■東アフリカ
最近になって、入荷量が増えている。特産種は、なんといってもクリスルス(イヤースポットエンゼル)。アフリカンフレームバック・ピグミーエンゼルも、東アフリカ便ならでは。数は少ないが、マクロススも来る。東アフリカ産のマクロススは紅海産と変わらないと言われるが、それは飼ったことが無い人か、上手く飼育できなかった人だろう。アフリカ産の方が、明らかに綺麗である。同様に、違いの分かる人は知っていると思われるが、アフリカ産のサザナミヤッコも色調が太平洋産とは異なる。このあたりは、いずれ詳しく述べたい。

チョウチョウウオは少なく、ガーディナーズ、ソマリ、ブラックバーンズ、ザンジバル、といったところ。ベラは、リーデントラスが特産。最近はセイシェルズフラッシャーラスが来ている。他はモルジブと変わりがなく、フォルモーサンラス、マッコスカーズラス、など。その他にはアラルズアネモネぐらいなもの。ヤッコ、チョウチョウウオ以外はめぼしいものがほとんどいない。ハゼやギンポなどといった小物の開拓が待たれる。

比較的状態良く入荷する便だが、クリスルスは状態を崩していることもたまにあり、状態にはやや注意したい。

■モーリシャス
入荷のほとんど期待できない便だが、魅力的な魚が多い。入荷が待たれるのは、やはり何と言ってもブルーモーリシャス・ピグミーエンゼル(デベリウス)だろう。他にジェムタン、モーリシアンアネモネ、ウーンデットフェアリーラス、エレガントラス、レッドストライプホグ、モーリシャスダートゴビー、オシャレハナダイ、といった人気種がある。なんとか入荷を期待したい便である。

■ココス・キーリング
インドネシアの西方、つまり東部インド洋に浮かぶ小さな島。クリスマス島と呼ばれる島だが、太平洋にも同じ名前の島があるのでややこしい。ここからは、有名なココス・ピグミーエンゼルが入荷する。ココス・キーリングにしかいない固有種だ。他にレモンピールも入ってくるが、ココス・キーリングのものは、アイシャドウの入り方が異なり、別種のような印象を受ける。なお、インド洋にはここにしかレモンピールがいない。このあたり、かなり変わっている。また、エイブリーとの交雑個体もよくみられるようだが、ココス・レモンピールが入ってくるのに、この交雑個体が入ってこないのは不思議。以前はちょくちょくみられたのだが。
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コメント

  1. Tetsuo | URL | -

    東アフリカとモーリシャスやその近辺の島からの輸入を期待してますが、どうも特定の有名種しかこないのが残念。輸送時の隙間に小物を入れてくれればうれしいのですが。

    東アフリカ便でスカンク・アネモネフィッシュを入手したもののインドネシア便のスカンクとの区別がつかない…違うのは値段だけ。生息地てきにはシーラカンス並に離れているの不思議です。

    クリスルスは昔と比べるとびっくりするくらい安くなりましたね。

    紅海は有名種以外のニセスズメの仲間や、太平洋種よりも丈夫な傾向にあるサンゴの入荷があるとうれしいのですが。ドバイ経由で輸入量が増えても良いとは思うのですが、今後に期待です。

    モルジブアネモネは投入翌日に既に行方不明。散々選んだ個体だったのに難しいです。多分、2度と買わないでしょう。

  2. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ココス・キーリングが抜けていたので追加しておきました。

    西部インド洋からは、本当に小物が来ませんね。このあたりを開拓してくれたら、すごく嬉しいんですが。マダガスカルアネモネとか、セイシェルズアネモネなども期待したいところです。

    紅海のサンゴは、確かに丈夫ですね。ルートができれば、結構楽しめるでしょう。

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