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魚の産地 太平洋編

2007年05月22日 23:26

とある方面からリクエストがありまして・・・。
魚の産地について書いた方が良いのではないか。というものでした。
普通、こういうことは自分で図鑑などを紐解いて調べるべきものなんですがねぇ。とはいえ、駆け出しのアクアリストが知らないのはまだしも、専門店たるショップが知らないというのは、確かに考えもの。というわけで、とりあえず産地ごとの特色などを書き出してみますか。

■沖縄
言わずと知れた国内便。トゲ、フウライ、アケボノ、スダレ、スミツキなどなど、各種チョウチョウウオ、ソメワケ、ヘラルド、ナメラ、スミレ、ニシキ、サザナミ、タテキン、アデなど各種ヤッコがメイン。業者によっては、共生ハゼやベニハゼ、イソハゼなどの小物類も充実している。人件費などの関係でフィリピン・インドネシア便より高額だが、距離が近いため状態良く届くのが魅力。

■フィリピン・インドネシア
古くから海水魚の輸出が盛んな地域。安価なポピュラー種のほとんどは、この地域から送られてくる。小型ヤッコはルリ、アカハラ、ソメワケなどの一般種から、ゴールデン、コリンズといった少々高価でデリケートな種類まで幅広い。チョウチョウウオも同様で、トゲ、フウライなどからバーゲス、テングといった少し珍しいものまで多数みられる。中・大型ヤッコも多く、シテン、キヘリキンチャク、チリメン、ホシゾラ、ニシキ、サザナミ、タテキン、ワヌケ、イナズマ、アデ、ロクセン、さらに遊泳性のタテジマ、ベルス、ヒレナガ、トサ、ヤイト、といった多数のヤッコが入荷する。太平洋産の多くのヤッコ、チョウチョウウオが集まるのが、この便の特色。

クマノミも、クマノミ、カクレ、ハマクマなどが毎週多数輸入される。が、クマノミ類は状態が比較的良い場合と最悪な場合があり、状態の上下が非常に激しいのが難点。コバルトやデバなどのスズメダイ類も多い。ハゼなどの小物はセブ便に多く、様々なものがみられる。ハシナガベラなどはセブ便からポピュラーになったものである。オレンジストライプやメニイストライプ、コレッティー、ヨコヤマハナスズキといったバスレットも、この地域から送られてくる。

ベラ類も非常に多い。キュウセン系をはじめとして、様々な種類がみられる。魅力的なイトヒキベラはこの地域に多く、様々な種が輸入される。ハナダイ類も多く、以前はフィリピン便のベントラリスもみられた。ベントラリスは再度の入荷を期待したいところだ。

インドネシアは東部インド洋にも面しているため、インド洋の魚も入荷する。インドフウライ、トライアングラーバタフライ、パウダーブルータンが、その代表格。インド洋の魚だからスリランカ・モルジブ便だとは限らないのだ。

全体的に状態はそんなに良いとは言えない(昔に比べると良くなってきてはいる)。魚の状態を見極められないと、無限ループにはまり込むことが・・・。

この地域は非常に島が多く、いまも数々の新種が発見されている。新着魚は高額だが、採集がコンスタントにできるようになると、一気に価格が暴落するのがこの便の特徴。そのため、初入荷に手を出すべきかどうかは考えてしまうところ。どうせ次も来るだろう、と見逃したら二度と来なかったという魚もいるから悩ましい。今後も注目すべき地域と言える。

■ベトナム
輸入はコンスタントではなく、たまにある程度。魚種は基本的にインドネシアなどとあまり変わらないが、この地域からは他地域では入荷の無いキンチャクダイやツキチョウが入荷する。特にキンチャクダイは頭部の青い部分が広く、通称「ブルーフェイス・キンチャクダイ」などと呼ばれている。大型個体が多く、小型個体の入荷がみられないのが残念なところ。

ちなみにキンチャクダイは、わずか数例だがインドネシアから輸入されたことがある。基本的には分布していないはずの地域から、何故入ってくるのかは不明。

■ハワイ
お馴染みのハワイ便だが、ハワイ便で来るのがハワイに分布している魚ではない。レモンピールやゴールドフレークが、ハワイの魚だと思っている人は少なくないだろう。しかしハワイは観賞魚の集積ストック場があり、他地域からの魚も受け入れているため色々な魚が送られてくるのだ。

観賞魚として輸入されるハワイの固有種というと、ポッターズ、ブラックバンド、ハワイアンクリーナー、サイケデリックラス、フレームラス、ハワイアンロングフィンアンティアス、フレンブリー、ミリアリス、ティンカー、シェブロンタン、といったところ。

ちなみにハワイアンウルトラフレームは、他地域のフレームと基本的に区別はつかない。赤の濃い個体など、他地域からいくらでも入ってくるからだ。混ぜてしまったら、ほぼ判別は不可能である。なので、ありがたがって珍重する必要は全く無い。ハワイにも赤の薄い個体はいるしね。

全体的に状態は良い方だと言える。純ハワイ産の魚は水質変化に弱く、また高水温に弱いので注意したい。ハワイはそんなに水温は高くないのだ。

■中部・南部太平洋
マーシャル諸島やクリスマス島、クック諸島、バヌアツ、フィジーなど広範囲に及ぶ。マーシャルやクリスマス、バヌアツからはフレームAやレモンピール、マルチカラーが。レモンピールはバヌアツ産などが来るようになって、ナメラとの交雑個体が非常に多くみられるようになった。他にマーシャルとバヌアツからは、人気の高い中部太平洋産シマヤッコ。クックではアクアリスト憧れのペパーミントAが採集されるが、現在はストップ。中型ヤッコのゴールドフレーク、グリフィスはクリスマスから。大型ヤッコはフィリピン・インドネシアと変わらないので入荷しない。チョウチョウウオは、クリスマスからマルケサンバタフライ。タラワからタラワティンカーなど。他にシテンチョウ、タヒチアンバタフライなども入荷。

ベントラリスは主にクックから。マーシャルからも別バージョンが少数入荷する。バートレットアンティアスは中部太平洋特産種。最近ではバートレットと共に、バートレットタイプのアカネハナゴイもみられる。他にゴールデンストライプアンティアス、ソメワケミナミハナダイなど。クマノミではオレンジフィンアネモネやスリーストライプアネモネ。ただし、クマノミ類は状態に難があることが多い。ハギではコーレタン、ロストラタン、トミニエンシス。ハゼではパープルファイアーのみ。ベラではバヌアツやマーシャルなどからイトヒキベラが数種入ってくる。

イースター島では、ホツマツアとリッツが有名どころ。しかし、この島が世界遺産に登録されたため、今後の入荷の確立は非常に低い。もはや無いものと考えた方がよさそうだ。

一部を除いて、全体的に魚のコンディションは良いといえる。この地域は探ればまだまだ新種が出てくると思われるが、いかんせん不便なところが多く、観賞魚ルートはなかなか開拓されない。個人的にはグアムあたりに再びルートができ、ベントラリスやダイダイヤッコなどが、コンスタントに入荷するようになることを望みたい。

■オーストラリア
主に熱帯域と温帯域で分けられる。熱帯域では、スクリブルドA、パソニファ、コンスピ(厳密にはオーストラリアではないが)、ミューラーズチェルモン、マージンチェルモン、レインフォーズB、ゴールデンストライプB、ドットアンドダッシュB、ブラックB、ペインテッドアンティアスといった、オーストラリアならではの魚が送られてくる。これらは熱帯域なので、飼育上はインドネシアなどの魚と変わらない。

温帯域からは、ホワイトバードボックスやショウズカウ、オーネイトカウ、オールドワイフ、トランケートチェルモン、シードラゴンなどといった、個性的な魚たちが入荷する。これらは温帯性のため、水温は20℃以下にしておかないと調子を崩してしまうことが多い。また、白点病にもかかりやすくなる。高額な種類が多く、飼育難易度からもマニアックな地域と言える。

■東部太平洋
アメリカの東部沿岸地帯。主な種類は、コルテツA、パッサー、クラリオンといったところ。このうちクラリオンの入荷の可能性はごく少ない。他にカタリナゴビー、レッドヘッドゴビー、ブルースポットジョーフィッシュ、ガリバルディ、バーバーフィッシュ、サイズバタフライなど。このあたりは水温が低く、高い水温では白点が出やすかったり、調子を崩したりするので注意したいところ。水質の変化にも弱い。コルテツAは入荷状態が悪いことが多く、取り扱いに気をつけたいヤッコだ。

これらはアメリカ便になるが、アメリカ便の魚が全部カリブ海産だと思っている人もいるようだ。全く嘆かわしい。
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コメント

  1. Tetsuo | URL | -

    インドネシア便の無限ループにははまります。(苦)

    現状ではインドネシアの一部の地域でしか採集できない魚がいるんで、選択肢がありません。インド洋側、太平洋側とあるので魚のバラエティが多く、地域色と思われる個体も多いので一般種でも毎回確認しないと気がすみません。ショップの方も名前を調べるのに一番苦労する便ではないでしょうか。

    雪風さんの言われるようにまだまだ業者の手が入っていない島が多いので今後も楽しみな便です。あと、出来れば、採集地の情報(島名)とかの情報をショップが管理してくれると助かるのですが…。バリとかインドネシア便とか言われても採集地は違いますからね。

  2. POE | URL | BW3s9fYE

    >他にクックのゴールデンストライプアンティアス、ソメワケミナミハナダイなど。

    ゴールデンストライプアンティアスはキリバス領のライン諸島及びファニング島が分布域になってますよ。
    http://www.fishbase.org/Summary/speciesSummary.php?ID=46511&genusname=Pseudanthias&speciesname=aurulentus

    僕もショップに教えられて、ずっとクック産だと信じていたのですが、クック諸島で採取されるのは、ゴールデンストライプアンティアスに似た未記載種だそうです。(BH和田さん談)
    この種の写真は、MA誌31号「Anthias×Anthias」に載ってましたよ。

  3. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■Tetsuoさん
    インドネシアはポピュラーな産地ですが、侮り難い地域ですね。私もよく注意して見ています。

    産地情報は、あまりアテにできませんね。そこが困ったところではあります。

    ■POEさん
    あ、間違えてましたね。修正しました。

    ちなみにクック産のハナダイは、既に記載されております。
    Pseudanthias privitera Randall & Pyle, 2001

  4. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    おもしろいですね!
    コンスピはオーストラリアのロードハウにもいるようです。いまマイルをためて、ブリスベンからロードハウまで行こうと考えているのですが、滞在費が高い。。。

  5. 雪風 | URL | cKg/74mY

    パソニファさん
    ロードハウにコンスピいますね。でも、あそこは採集禁止区域なので、観賞魚ルート的に無しと考えていいでしょうね。

    それにしても、ロードハウに行く計画なのですか。いいですねぇ。スリーストライプバタフライを実際に見ることができたら最高でしょう。

  6. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    なるほど、観賞魚ルート限定ですね(だからタイのアンダマンあたりの魚の分布が書いていないのですね。あそこも原則的に採れないそうです)。

    ロードハウはバリアエンゼルとかいう、ほんとうにこれがキトドントプラスか?と思われるへんな魚も近くの島までいくといますし、おもしろそうです。ただ水がちょっと冷たい。。。それと、リクエストしてっても見つからないことが結構多いです。

  7. Tetsuo | URL | -

    ついでにバリナAを見れたら興奮ものですね。基本的にはボールズピラミッドまで遠征しなければならないそうですが、ここではコンスピはもちろん、ハーフバンドAも見られるというアクアリストにとって夢のような場所です。

  8. パソニファ | URL | TY.N/4k.

    h ttps://www.diveengine.com/diveengine/editor/images/8/Lord%20Howe%20Island%20Flyer%20Destinations%20to%20Dive%20For.pdf

    こんばんは、tetsuoさん、
    このツアーで5泊7日宿込み込み(ボールズピラミッドも20キロくらいはなれていますが、ポイントでいきます)で1400AUドルです。ブリスベンまで格安でいって、あとロードハウはマイレージで飛べば23万円くらいです。でもその前にGBRを下(ヘロン島あたり)から行くツアーのほうに先にいきそうです。

  9. 雪風 | URL | cKg/74mY

    バリナエンゼル・・・一度実物を見てみたい魚ですね。他にはロードハウバタフライとかですか。いずれにしても、マニア垂涎の魚たちの宝庫といえますね。

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