2007年05月05日 16:41

オス成魚(photo/J.E.Randall)

メス(photo/J.E.Randall)

幼魚(photo/J.E.Randall)
学名:Coris gaimard (Quoy & Gaimard, 1824)
和名:ツユベラ
英名:イエローテール・コリス Yellowtail coris
全長:40cm
中部・西部太平洋に分布
成魚は40cmにもなる大型のベラ。コリス属のベラは、本種のように幼魚・メス・オスで大きく色彩が異なるタイプ(大型種)と、体色変化の少ないタイプ(中・小型種)とがある。本種に代表される大型コリスの体色変化は大きく、まるで別種の魚になるかのように劇的。幼魚は非常に鮮やかな体色をしているが、これは有毒生物と思わせて、捕食を免れるという効果がありそうだ。なお、生まれたときは全てメスで、成長した強い個体がオスへと性転換する。これは本種に限らず、ほぼ全てのベラに共通する生態だ。幼魚のうちはゴカイ類や小型甲殻類を食べ、成長するとウニや貝類などの固いものも食べるようになる。夜は砂に潜って眠る。また、外敵の攻撃を受けた際にも、砂に潜って難を逃れる。
観賞魚としてコンスタントに入荷するが、ほとんどは幼魚かメス個体。オスはサイズ的に大き過ぎるため、アクアリウム用として入荷することはまず無い。餌付きは容易で、餌は粒餌やクリルなど、歯ごたえのあるものを好む。砂は敷いた方がよく、砂が無いとストレスになってしまうこともあるので気をつけたい。幼魚は痩せやすく、いったん痩せてしまうと回復が難しい。そのため、こまめに餌を与えて太らせることが大切。肉食性が強いため、グラスシュリンプなどの小型甲殻類や、ベニハゼなどの小型ハゼ類との混泳は避ける。混泳面での協調性は、幼魚のうちは良いが、成長につれて気が強くなってくる。特に同じベラの仲間に対しては威嚇するようになる。そのため、温和な魚などとの混泳には向かない。大型ヤッコなどと一緒に飼育するのが良いだろう。飼育下では、オスの体色に変化するまでのサイズに成長することは少ない。
種小名は人物名から。英名は成魚の尾ビレが黄色いところから。和名のツユは「露」であるらしい。だとすると、メスの体色から付けられたのだろうか。
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