fc2ブログ

ニシキヤッコ

2007年02月09日 14:49

nishiki-3.jpg
太平洋産の個体(photo/J.E.Randall)

nishiki-4.jpg
紅海の入り口、ジブチ産の個体(photo/J.E.Randall)

nishiki-5.jpg
エジプト産の個体(photo/J.E.Randall)

nishiki-6.jpg
縞模様が消失した個体。
ジブチ産(photo/J.E.Randall)

nishiki-2.jpg
幼魚は背ビレに明瞭な眼状斑を持つ。
サモア産。全長3.6cm(photo/J.E.Randall)

nishiki-1.jpg
ごく小さい幼魚。
縞の数は極端に少ない。全長2cm(photo/J.E.Randall)

学名:Pygoplites diacanthus (Boddaert, 1772)
和名:ニシキヤッコ
英名:ロイヤル・エンゼルフィッシュ Royal angelfish
   リーガル・エンゼルフィッシュ Regal angelfish
全長:25cm
西部太平洋~インド洋に広く分布

非常に特徴的で、カラフルな色彩を持つ中型ヤッコ。他に類似のヤッコはおらず、分類は1属1種。太平洋産のものと、インド洋産のものでは体色に違いがみられる。太平洋産のものは腹部が白いが、インド洋産のものは腹部が黄色く、全体の黄色みも強い。また同じインド洋でも紅海産のものは、より鮮やかな色彩をしているとされる(実際は、さほど顕著な違いが無いように思われる)。バンドが乱れた個体や、青い色素が抜け落ちたようなカラーバリエーションも存在する。カイメンなどの付着生物や藻類などを食べる。

カラフルな色彩から観賞魚として人気が高く、太平洋・インド洋各地からコンスタントに輸入されてくる。コンスタントに入荷する魚が飼育が容易かというと、そんなことはなく、かなり難しい部類に入る。最も手こずるのが餌付け。特に12cm以上から餌付けが難しくなっていき、20cm前後の成魚を餌付けるのは相当に困難である。餌付けに関しては、やはり小さいサイズの個体は餌付きやすいのでよい。しかし5cm以下の個体は餌付きは良いものの、突然死の確率が高い。5~10cmサイズの個体が、飼育には最も適している。このようなサイズの個体から良い状態のものを選べば、餌付けに関してはそう難しくない。他に強いヤッコが居ない環境で、落ち着けば数日で餌を食べるようになる。しかし導入初期に失敗すると、回復は難しいので要注意。

餌付けば、短期的には非常に状態よく飼育できる。しかしある程度期間が経つと、急に餌を食べなくなったり、突然状態を崩すことがある。ほとんどが原因不明のもので、対処のしようが無い。また年単位で飼育できても、何故かあまり成長しないことが多いようだ。幼魚から成魚に育てたという話はほとんど聞かない。成長が非常に遅い点は水槽飼育の際には利点ともなるが、長期飼育では何となく不安にはなる。餌の問題が大きいのかもしれない。

水槽環境に慣れてしまうと、それなりに丈夫だが、それでもあまり気の強いヤッコや大型のヤッコとは組み合わせない方が無難。他の魚に対しては関心が薄いことが多く、組み合わせはしやすいと言える。水槽サイズは、10cmほどの個体ならば、60×45×45もしくは90cm規格水槽あたりが適当。水質に敏感な面があるため、サンゴが状態よく飼育できるぐらいの水質を維持したい。

種小名は「2本の棘」という意味。ヤッコ特有のエラブタの棘に由来しているのではないかと思われる。英名のロイヤル、リーガル、ともにその豪華な色彩に由来したもの。和名も同じく色彩から。昔は着物の黄八丈を連想させることから「キハチジョウ」との呼び名が使われたことがある。
スポンサーサイト





コメント

  1. 松井 | URL | -

    キター、錦奴。
    絶対2匹飼いしてやる。

    >しかしある程度期間が経つと、急に餌を食べなくなったり、
    >突然状態を崩すことがある。
    ある程度って、どのくらい?

  2. 雪風 | URL | cKg/74mY

    松井さん
    ニシキの2匹飼い、期待してますよぉぉぉ。

    >ある程度って、どのくらい?

    そりゃ個体や環境によりけりですよ。
    3ヶ月ぐらいのときもあれば、半年ぐらいのときもあります。ならない個体もそれなりにいますしね。

  3. 作左 | URL | jPC7I2S6

    おはようございます。
    素人目ながら、キレイですね~。

    って、上の3枚の写真…
    違いが分からん(笑)

  4. 雪風 | URL | cKg/74mY

    作左さん、どもです。
    これは実物の方が綺麗ですよ。

    一番上と、二番目、三番目のお腹(というか胸)を見ると違いがわかります。二番目と三番目は、産地が違うだけで同じものですよ。

  5. 瀧音 | URL | lHI8H0U6

     私も錦奴にほれておりますが、
    ”ならない”個体とであることを
    祈っております・・・

  6. 雪風 | URL | cKg/74mY

    瀧音さん
    ”ならない”個体だと良いですね。
    よい環境で飼育していれば、その確率も随分下がると思います。

  7. やまたけ | URL | .Q7UDCiU

    沖縄産

    以前掲示板に沖縄産より紅海やインド洋産の方が餌付きが良いと書かれていらっしゃいましたよね?

    自分のブログの記事にそのことを書いたのですが、自信がなかったので、ベテランアクアリストと書かせていただきました。

  8. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ニシキに関しては、沖縄産であっても餌付き面では安心できないですね。何故か紅海産やインド洋産のものの方が圧倒的に餌付きが良いです。何故なのかはよく分かりませんが。太平洋産ならば、最近だとマーシャルのものは、マニラ産に比べると格段に良いですね。

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://necon.blog38.fc2.com/tb.php/231-eeff9da5
この記事へのトラックバック

ニシキヤッコ

今自分が買えるヤッコの中で私が好きなのは、 シマヤッコ、スミレヤッコ、コリンズ、そしてニシキヤッコです。 ちなみに"私が買える"というのは、だいたい2万円未満のヤッコのことですw 海水魚飼育を始めた4年前ごろから、ニシキヤッコのことは知っていました