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サンゴ水槽で役に立つカニ

2006年07月25日 14:35

サンゴ水槽でカニというと、厄介者というレッテルが貼られがちだ。しかしながら、カニの中にはサンゴ水槽に有益な種類もいる。今回は3種類を紹介しよう。画像は各自で検索してほしい。なお画像検索ではほとんど引っかからない種もあり、それらは図鑑などを参照のこと。

ヒメミドリベニツケガニ
Thalamitoides tridens
ワタリガニ科のカニで、外見はかなりヤバそうな雰囲気だが、実は藻食性の強いカニ。大きなハサミを持っているが、先端は平たくなっており、藻類をつまみやすい形状だ。ハサミの先端が平たくなっている種は、藻食性のものが多い。本種は主に岩上に生える藻類を、ハサミでちまちまむしって食べている。単体での入荷は無いが、ライブロックに付いてくる個体を探すのが唯一の入手法。ライブロックを導入後、最初はわからず、大型化(といっても最大で甲長4cmほど)した姿を発見して、すわ一大事と騒がれることが多い。死んだ魚を食べたりはするが、元気な魚を襲うカニではない。本種を見つけても、そのまま放置して藻類を食べてもらった方が役に立つ。ちなみに熱帯性なので、沖縄あたりでないと自家採集はできない。

トゲアシガニ
Percnon planissimum
非常に動きの素早いカニ。体は平たく、狭い場所にも入り込む。ハサミは小さく、先端は平たくなっていないものの、器用に藻類をむしって食べる。カニにしては珍しく水槽面に張り付くのも得意で、水槽面の藻類も食べてくれる働き者。色彩も美しく、観賞にも耐える。かなり有用なカニだが、アクアリウム・トレードされることは無い。幸い、本州など温帯域の岩礁や堤防でも見られるので、自家採集は可能だ。ただし異様に素早いので、採集はかなり苦労することだろう。沖縄には別種のミナミトゲアシガニがいる。性質は同じだが、こちらの方が色彩は美しい。トゲアシガニは甲長6cmほど。ミナミトゲアシガニは、それよりやや小さい。

エメラルドクラブ
Mithrax sculptus
カリブ海産のカニ。エメラルドの名が付いているが、全くエメラルド色をしていない。ちなみに正式英名は、グリーン・クリンギング・クラブ Green Clinging Crab である。外見は魚を襲いそうな感じではあるが、温和な藻食性の種だ。本種もツメの先端が平たくなっており、藻食性であることがよくわかる。藻類の中でもバロニア類を好むため、バロニアの発生に悩まされているアクアリストには重宝がられている。なおこの属のカニは他に何種かいるが、いずれもツメの先端が平たくなっているため、どれも多かれ少なかれ藻類を食べているものと思われる。本種はカリブ便で入荷するが、数は少ない。甲長3cmほど。
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コメント

  1. 工場長A | URL | JalddpaA

    ヒメミドリベニツケガニって
    体色はもしかして黒ですかね?

    うちの水槽ではこれが結構います。
    はさみは先端がまるぽい感じですね。

  2. UMIHITO | URL | 1wIl0x2Y

    バロニアってたしか、つぶれるとリン酸が飛び散るんですよね?
    っていうことでいつも思うのですが、
    バロニアを食べる=潰して食べる、
    ってことじゃないんでしょうか?
    まさか丸呑み!?
    どうやって食べるのかけっこう素朴な疑問です。。。

  3. 雪風 | URL | cKg/74mY

    ■工場長氏
    >体色はもしかして黒ですかね?

    黒ではなく、ダークグリーン系だね。

    ■UMIHITOさん
    バロニアを潰すとよくないんですが、エメラルドクラブを投入すると、バロニアは消滅していくのは事実です。どうやって食べているのかは不明ですねぇ。

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