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ブラックスポット・ピグミーエンゼル

2011年02月24日 15:19

字だらけの記事が続いたので息抜きに。

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B-BOX松戸店に入荷した個体。

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初入荷のブラックスポット・ピグミーエンゼル。
(この記事も参照下さい)
以前は生きている個体の写真は、Richard Pyle氏が撮影したものしかなく、あとはいくつかの標本写真があるだけであった。今回、生きた個体が初めて商業輸入されて話題になっている。今までにも数匹が採集され、シッパーの水槽にストックされたことはあるが、どうも弱い魚のようで、ストック中にことごとく死んでいる。今回、初めて生きた状態で日本に届いた。しかもなかなか良い状態である。現在、ほどなく餌付きそうな感じだ。

生息水深は特に深くなく、普通に10mほどである。しかし臆病で知られるゴールデンエンゼルを上回るほどの臆病さで、これが採集できない大きな要因だろう。おそらく再入荷は無いのではと思われる。
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自然な体型、体色 その2

2011年02月23日 14:56

 餌もそうだが、水質は魚の体色に大きな影響を及ぼす。顕著なのはクイーンエンゼルやブルーエンゼルの例で、硝酸塩が蓄積されているような水質では、あっという間に綺麗なブルーの色彩は抜け落ちてしまう。ブルーエンゼルでは水換えを頻繁に行なって硝酸塩濃度を低く保ち、さらに餌に海藻類を多用して、ほぼ入手当初の色彩を維持できたという報告がある。クイーンについても、最近はサンゴ水槽で飼育する例が増えており、そのような飼育では色彩が維持できている場合がわりと多いと感じる。

 サンゴが状態良く維持できる環境で、魚も状態良く飼育できれば一番である。しかし、サンゴ水槽では病気が発生した際に対処に困る。サンゴが入っている水槽に、治療のための薬剤を投入することはできないからだ。このあたりがサンゴ水槽の最大のネックといえる。もちろん、殺菌灯やオゾナイザーを用い、予防に努めればかなり発病の割り合いは減らすことができる。が、それでも出るときは出てしまう。それに対して通常濾過の魚専用水槽であれば、魚病が出た際にすみやかな対処が可能だ。

 では魚混泳水槽であれば万全なのかといえば、ここにも気を付けなくてはならない点がある。日本のアクアリストの混泳水槽は自分も含め、どうしても魚を多く入れ過ぎな傾向がある。魚が入りすぎれば栄養塩は容易に上昇し、魚の体色に影響を与える。魚の数が多いと、スレッドが伸びるような魚はスレッドが切れやすくなったりもする。また魚病が出るたびに投薬していれば、薬の影響で体色が落ちる。こういった点に注意すると、魚を思い切って少なく(メインを1~2種程度)、水槽サイズに応じた魚種選択、トリートメントしてから本水槽に導入して魚病予防、という感じになる。

 ま、こういうことを多くのアクアリストが実践しだすと、ショップ(特に量販店)は大いに困るかもしれない。売れなくなるからね(笑)。

 水質と共に大きいのが水温の設定だ。通常、サンゴ礁域の深さ20mまでに生息している魚であれば、25℃程度で問題ない。しかし生息域によって平均水温が異なるので、どこでも25℃でいいというわけでもない。ハワイやカリブ海は意外と水温が低めであるので、こういった海域の魚は23℃ほどが適している。また紅海は平均水温が高く、28℃程度にした方が良い場合もある。

 地域だけでなく、生息深度によっても適温が異なる。深い魚ほど低い水温を好むといった具合。たとえばマダラハナダイなどは、24℃で飼育するより、18~20℃で飼育した方が断然体色も状態も良いのである。深場の魚や温帯の魚を24~25℃で飼育していると、体色が悪くなったり、餌食いが止まったり、状態が落ちたりする。水温はかなり重要だということを理解しておきたい。特に25℃から下の温度は、わずか1℃の違いが大きく影響することがある。深場や温帯の魚を飼育する際は、水温に十分注意しておきたい。水質が良くても、水温が合ってなかったら、それは片手落ちというものだ。

自然な体型、体色 その1

2011年02月20日 19:56

 飼育されている魚を見ると、妙に太っていたり、自然状態とは異なる体型になっていたり、体色が変わってしまっていることがある。それは餌の問題であったり、水質や水流の問題、あるいは水温や照明の問題であったりする。また水槽内では、どうしても克服できない問題もある。飼育を続けていると、自然下のような体型、体色を目指したいと思ってくることが多いと思う。アクアリストを長く続けていると、それを目指したくなってくるのである。

 まず体型でいえば、太り過ぎず、痩せていない、自然下のような固太りな体型が理想。普通、海水魚には市販の人工餌を与えることがほとんどである。人工餌は優秀で、しっかり餌付けできれば、数種の人工餌を与えるだけで健康が維持できる。しかし、食べるだけ与えたりしてしまうと、魚はあきらかに肥満となる。人工餌は栄養価が高いため、与える量が多いと余計な部分に脂肪が付いてしまうのだ。そういった魚を解剖してみると、腹部の内側にベッタリと脂肪が付き、肝臓は脂肪肝となっていることがよくわかる。

 太り過ぎの魚かどうかを見分ける場合、解剖しなくても見分けることはできる。分かりやすいのはまず頭部で、額のあたりに不自然な盛り上がりがあれば、それは脂肪の盛り上がりだ。また魚を正面から見て、かなり幅があれば太り過ぎである。太った魚は体が膨張して、色彩も薄くなりがちになる。例として、コバルトスズメが太ると、体色の青が薄くなってくる。このことからも、体色の劣化の一因が太り過ぎであることがわかる。自分の水槽に入っている魚が、このような状態である場合は注意が必要だ。まあ、丸々と太った魚が好み、もしくは精神的に安心できるというアクアリストもいるので、それはそれで好みの問題だからかまわない。だが美しい体型、色彩を目指しているのであれば、十分気を付けたいポイントといえる。

魚が慣れてくると、どうしても餌を真っ先に食べたり、独占しがちになる個体が出てくる。他の魚にも餌を行き渡らせようとすると、必然的に餌の量が多くなりがち。そうすると肥満個体の一丁上がりだ。これを防ぐのはなかなか難しい。混泳水槽で魚の数が多くなるほど困難になってくる。このあたりをどうするかは、アクアリストの腕にかかってくる。太りにくい餌を探して与えたり、餌の種類や与え方を変えたりといった工夫が必要だ。魚の組み合わせ自体も変えたり、収容数を絞ったりする必要がある。

個人的には大型ヤッコに生きたカイメンを与えたり、海藻を別水槽で増殖させて与えたりもした。海藻などは効果があったが、餌単独の問題であることは少ない。水温や水質などといった複数の要素が絡んでくるので、一筋縄ではいかないのである。

掲示板オープン

2011年02月15日 17:49

ゆっきぃのニャン'sカフェ

一部の方からご要望(笑)もあり、またBlogだけでは、ちょっとした質問や
話題の書き込みが難しい側面があったので、掲示板を設置しました。

掲示板のタイトルは、以前掲示板を運営していたときに、たまさんからいただいたもの。
当時と同じteacupにて、背景も同じく黄色で復活させてみました。
適当な雑談や質問などにお使い下さい。

とりあえず半年ほど試用期間とします。
あんまり需要がなかったら、半年待たずに消去刑に処します(笑)
それなりにあれば継続ということで。

ショップレビュー関西編30

2011年02月09日 16:32

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SkipJack

外観から水槽を伺うことがほとんどできず、注意していないと通り過ぎてしまいそうになる。店舗は小さく、魚とサンゴの比率は半々ほど。サンゴの状態は良く、SPSやLPS、ソフトなど満遍なく揃えられている。中には掘り出し物もあり、なかなか侮れない。魚のストック状態は、まあ普通程度。こちらも小型魚から肉食魚まで、色々とストックされている。

小さい店舗ではあるが、器具類は必要最小限には揃っている。魚関連のガラス細工などの小物が充実している点が変わっていてよい。サイトの更新頻度は高いが、最大の難点はリストのみで、生体の画像が無いところだ。通販はしているそうなので、画像を載せると利用しやすい。特にサンゴは色みが分からないと非常に注文しづらいので、サンゴの個別画像はぜひ欲しいところ。また通販法上の表記が無いので、このあたりも改善願いたい。

アクセス
電車は阪急宝塚線、山本駅か、福知山線、北伊丹駅が最も近いが、歩いてどうにかなる距離ではない。電車の場合は、タクシーやバスを駆使することになる。車は中国自動車道、宝塚インターから近く、アクセスは良い。店舗向いに2台分の駐車場がある。

更新情報

2011年02月08日 14:14

EARTH

フリーウォーター

以上、2つの記事に追記。

さくらママ邸スイハイ

2011年02月03日 17:16

今回は大阪の、さくらママ邸にお邪魔した。

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まずは陰日性サンゴの水槽が目をひく。
水槽サイズは45センチキューブだ。

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カラフルなヤギが満開で、ここまで開けば見応え十分。
レイアウトもかなり良い。
こういうのを見て、陰日水槽をやりたくなる人は多いはず。

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キサンゴも満開。
魚はカクレクマノミ、ハナゴンベ、オーロラゴビー、マンジュウイシモチ、アオギハゼなどで、意外に魚が入っている。

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ヤギへの給餌風景。
餌は海水館というショップが販売している、フレーム2というサンゴ用粉末飼料。これを海水で溶いて、スポイトで吹きかけている。与えている餌はこれひとつだそうで、ヤギのポリプがよく開き、成長もしているところから、十分な効果があるようだ。給餌回数は1日1回程度。

こういった粉末飼料は残餌が気になるところ。しかしこの水槽にはポイントがある。水槽の底一面に、小さなゴカイが多数繁殖しているのだ。これらが残餌を効率良く処理しているのだろう。このような水槽は、一朝一夕にできるものではない。スタイルだけを真似しても、同じようにはいかないだろう。陰日性サンゴの飼育は、好日性サンゴ飼育とは、また違った創意工夫が必要だ。

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サンプ部。特別なものは何もない。バイオボールが沈めて使われている。。。真ん中にタッパーが2個沈められており、ミラクルマッドが入っている。しかし海藻は無く、効果のほどは?だ。水換えは週に一度、20Lほど換えているという(水換えはご主人の担当らしい)。

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こちらはご主人が管理する混泳水槽。
サイズは90×60×45センチで、高さを抑えて奥行きをとってあるのは賢い選択だ。体高のある魚を飼育する場合以外は、高さを抑えた方がメンテナンスなど様々な面で有利といえる。

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この水槽の主役であるタテキン。
わずかにHLLEが見られるものの、状態はすこぶる良い。

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クログチニザが混泳相手というのが渋い。しかも成魚色になりかけ。個人的に注目した魚だ。この他、大きいヒフキアイゴがいるが、これの体色が綺麗だった。大物はタテキンを含めて3匹で、ゆったり余裕のある混泳になっているのは素晴らしい。何かと入れ過ぎがちになってしまうアクアリストは多いので、こうした余裕のあるスタイルは見習いたいものである。

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本水槽とつながっている小型水槽。
住人はご主人のお気に入りのセグロチョウのみ。このサイズで本水槽に入れるのはきついので、こうして別飼育するのは正解といえるだろう。

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オーソドックスなウェット&ドライろ過層。
水槽台などは自作だそうで、なかなかマメな方のようだ。