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FAUNA MARINの餌

2010年12月27日 11:17

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レッドシーが販売しているFAUNA MARINのサンゴ用フード。
画像のものは試供品で、Tetsuoさんの海外土産。
右がマメスナ用のもので、左がLPS用。
マメスナ用のものはパウダー状で非常に細かい。
対してLPS用のものは粒が大きい。

マメスナ用のものは、まともなマメスナが水槽になかったので、他のサンゴに対して使ってみたが、餌の匂いに対する反応は上々だった。LPS用の方は、コハナガタ、オオトゲキクメイシ、ハナガタ、タバネサンゴ、キサンゴなどに与えてみた。どのサンゴも反応がよく、食い込みもよかった。

どちらの餌も海水に入れ、スポイトで吸ってからサンゴに与える。LPS用のものは粒が大きいので、管の太いスポイトが必要。LPSには最初に餌を浸して匂いのついた海水を流して、ポリプが開いてから与えるのは、生餌と変わらない。マメスナ用は、海水に溶かしてスポイトで静かに振りかければ良いようだ。いずれにしても、冷凍餌や生餌でないぶん管理が楽なのが良い。他にもヤギ用の餌などがあり、興味をそそられる。
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ピクチャースク・ドラゴネット

2010年12月20日 15:39

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オス個体。(photo/J.E.Randall)


学名:Synchiropus picturatus (Peters, 1877)
和名:なし
英名:ピクチャースク・ドラゴネット Picturesque dragonet
全長7cm
フィリピン~北西オーストラリアに分布

サイケデリックなスポット模様が特徴の小型種。マンダリンフィッシュの模様違いといった種である。オス・メスはやはり第一背ビレで見分けるが、本種は背ビレの伸長がマンダリンフィッシュよりも短く、小型個体では見分けが難しい。生息域は狭く、フィリピン、インドネシアが分布の中心。行動その他はマンダリンフィッシュに準じる。

観賞魚としてポピュラーな種で、日本のアクアリウムではその模様から、スポッテッドマンダリンフィッシュの名で親しまれている。分布は狭いが、幸いにもフィリピン、インドネシアのため、安価で入荷するのがありがたい。これが東アフリカ限定などという種であれば、10倍の価格であってもおかしくない。そう考えれば、安価であることのありがたさが分かるというものだ。飼育はミヤケテグリ、マンダリンフィッシュの記事を参照。

種小名は『描かれた、刺繍された、縁取られた』などという意味。特徴的な模様に由来。英名の picturesque は『美しい、絵のような』といった意味。やはり体色、模様に由来したものである。

ニシキテグリ

2010年12月19日 00:47

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(photo/J.E.Randall)

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オス個体。(photo/J.E.Randall)

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メス個体。(photo/J.E.Randall)


学名:Pterosynchiropus splendidus (Herre, 1927)
和名:ニシキテグリ
英名:マンダリンフィッシュ Mandarinfish
全長7cm
西部太平洋に分布

非常に派手な色彩をした小型種。多くのネズッポ類は、砂泥地や砂礫底を主な生活圏としているため、体型は上から押しつぶしたような扁平な体型をしている。しかし本種とスポッテッドマンダリンフィッシュ Pterosynchiropus picturatus の2種は、どちらかというと普通の魚の体型に近い。これは熱帯域で、ミドリイシなどのサンゴの隙間に入り込んだりするために都合のよい体型である。他のネズッポのように扁平な体型では、そのような場所に入り込めない。生息場所に適応した体型変化といえるだろう。本種は他の小型ネズッポ類と同様、ヒレの形状でオス・メスが判別できる。オスは第一背ビレが伸長するのに対し、メスでは全く伸長せず、小さい。またオスは第一背ビレだけでなく、各ヒレもメスより大きくなり、体型も大きい。メスはオスより小さく、体型がふっくらとする。日没時にペアが寄り添って海面方向に上昇し、産卵することが知られている。食性はゴカイや小型甲殻類などの底性小動物。

観賞魚としては非常にポピュラーで、ほとんどどこでも見られると言っていいほど。価格も安価で入手しやすい。しかし飼いやすいかというと、そうでもない魚である。基本的な飼育はミヤケテグリの記事を参照のこと。どのネズッポでも問題となるのが初期の餌付け。入荷して間もない、まだ痩せていない個体を入手して、素早く餌付けてしまいたい。まずは冷凍餌あたりから始めてみるのがよい。餌付いたら人工餌を混ぜていく。人工餌に完全に慣れてしまえば、あとは心配いらない。餌付き後は混泳魚に注意すれば、長期飼育は比較的たやすいはずである。
※本種はストレスを受けると、有毒な粘液を分泌することがある。おそらく同居魚にしょっちゅう突かれたり、体調が悪く死にそうな場合などだと思われる。事例としては少ないが、このようなこともあるので注意しておいた方がいいだろう。(情報提供:delphinus氏)
この事例に関する参考文献
Debelius, Helmut, & Baensch, Hans A., Marine Atlas, 1994, Tetra Press.
Dakin, Nick, The Marine Aquarium Problem Solver, 1996, Tetra Press.
Cy, Dr. Barb & Todley, Green Mandarin (Synchiropus splendidus), 2005

種小名は『光彩のある。華麗な』といった意味。美しい体色に由来したものである。英名は本種のオレンジ色が、おそらくマンダリンというミカンの一種の果実の色を、連想させるところから付いたのではないかと思われる。和名はその派手な体色に由来。

※英名について。
この種のエキゾチックな体色を、科挙で登用された官僚(科挙官僚=Mandarin)が着る服に見立てた物(情報提供:delphinus氏)。こちらの方が正しい由来とされる。

ニセクロスジギンポ

2010年12月17日 00:03

ホンソメワケベラの記事と併せて読んで下さい。

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下向きの口に注目。(photo/J.E.Randall)

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背ビレ、尻ビレの色彩に注目。(photo/J.E.Randall)

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南太平洋産は、黄色い斑紋までそっくり。(photo/J.E.Randall)


学名:Aspidontus taeniatus Quoy & Gaimard, 1834
和名:ニセクロスジギンポ
英名:フォールス・クリーナーフィッシュ False cleanerfish
全長12cm
東部太平洋を除く太平洋に分布

ホンソメワケベラに酷似した姿を持つギンポの仲間。本種の食性は他の魚のヒレや皮膚で、他魚に接近してはかじり取る。この仲間は、どれも同じ食性をしている。中でも本種はホンソメワケベラに擬態することで他魚を安心させ、容易に接近してヒレなどをかじることができる。その擬態ぶりは見事で、あまりにもそっくりなために、よく知らない人は完全にホンソメワケベラだと思ってしまう。南太平洋のものは、黄色い斑紋まで持っているほど。そんな見事な擬態だが、区別する方法はある。第一は口で、ホンソメワケベラでは前方に口が開くが、本種は下方に口が開くので区別できる。ホンソメワケベラと本種の画像を見比べていただきたい。第二はヒレ。ホンソメワケベラは背ビレ、尻ビレに透明な部分が多いのに対し、本種のヒレは透明な部分がなく、色が付いているのですぐに分かる。また背ビレの長さも異なる。しかし、ヒレは広げていないと分かりづらいので、口の付き方で見分けるとよい。

ホンソメワケベラに混じって入荷するが、個体数が少ないのか、見かけることは稀。ホンソメワケベラだと思って買ったら本種だった、という例もあるので、購入時は一応気を付けた方がいい。特殊な食性だが、人工餌に慣れれば長期飼育は可能。もっとも本種のような厄介な魚を、積極的に飼育しようという人は滅多にいないだろう。

種小名は『帯』という意味で、本種の黒いラインにちなむ。英名は『偽のクリーナー』という意味。和名はクロスジギンポ Aspidontus dussumieri に模様が似ているところから。

ソメワケベラ

2010年12月15日 14:54

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完全な成魚。(photo/J.E.Randall)

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未成魚。(photo/J.E.Randall)

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幼魚。(photo/J.E.Randall)

学名:Labroides bicolor Fowler & Bean, 1928
和名:ソメワケベラ
英名:バイカラー・クリーナーラス Bicolor cleaner wrasse
全長15cm
インド洋~中部太平洋に分布

ソメワケベラ類中で最大になる種。色彩は特徴があり、成魚の体の前半は濃い紺色、後半が淡い黄色になる。若い個体では体色の境界がぼやけているが、完全な成魚になると、くっきりとした染め分けとなる。幼魚期は黒地に黄色のラインが入る。習性はホンソメワケベラと同じだが、本種の行動範囲はより広い。ソメワケベラ類を筆頭とするクリーナー類は、海では大きな役割を持っている。このことは、クリーナーラスを取り除いた海域では、魚の数が減少するという実験結果からも明らかである。採集する際は飼育分だけにとどめ、むやみな乱獲は避けるべきだ。

観賞魚として入荷するが、ホンソメワケベラに比べると数はずっと少ない。入荷するのは未成魚や成魚が多く、小さい幼魚の入荷は少ない。飼育は基本的にホンソメワケベラに準じる。大きな個体は餌付きにくい傾向があるため、なるべく小さめの個体を入手した方がいいだろう。

種小名は『2色の』という意味。成魚の色分かれした体色に由来。英名、和名も同様。

ハワイアンクリーナーラス

2010年12月13日 09:05

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(photo/J.E.Randall)

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(photo/J.E.Randall)


学名:Labroides phthirophagus Randall, 1958
和名:なし
英名:ハワイアン・クリーナーラス Hawaiian cleaner wrasse
全長10cm
ハワイ諸島、ジョンストン島に分布

ほぼハワイ固有種といっていい種。ソメワケベラ類では唯一、日本で確認されていない種でもある。体色は、体前半が黄色、後半が濃いブルー、尾ビレ上下がピンクに彩られ非常に美しい。別名レインボー・クリーナーラスと呼ばれるほどだ。画像は2枚とも標本個体だが、生時の色彩は鮮やかで濃い。幼魚期は黒地に赤紫のラインが入り、他の種と間違えることはない。生態はホンソメワケベラに準じる。

入荷量はごく少ないが、美しい色彩で人気の高い種。しかし飼育難易度はかなり高い。餌付きが悪いのが最大の難点で、いかに状態の良い個体を入手できるかがポイント。餌は人工餌を食べてくれればベストだが、なかなかそうはいかないだろう。食べてくれるなら冷凍餌でも何でも与えるべきだ。痩せやすいので、餌付いたらこまめに餌を与え、太らせるようにする。餌付いても、太らせるのに失敗したら短命に終わるので気を付けたい。これは、どのクリーナーラスにも共通する注意点である。

種小名は『寄生物を食べる』という意味で、本種の生態に由来。英名は生息地から。

スミツキソメワケベラ

2010年12月12日 00:00

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マーシャル産。(photo/J.E.Randall)

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パラオ産。(photo/J.E.Randall)


学名:Labroides pectoralis Randall & Springer, 1975
和名:スミツキソメワケベラ
英名:ブラックスポット・クリーナーラス Blackspot cleaner wrasse
全長11cm
西部~中部太平洋に分布

体前半部の黄色い色合いが美しい種。本種の最大の特徴は、胸ビレ基部にある明瞭な黒斑である。この特徴により、他のソメワケベラ類と区別できる。日本では小笠原や沖縄に分布するが、数は少なく、見かける機会のない稀種。性質等はホンソメワケベラと同様なので、そちらの記事を参照。

観賞魚としては、数は少ないがポツポツと見かける。注意していれば、そう入手の難しい魚ではない。飼育はホンソメワケベラに準じ、個体の状態で餌付くかどうかが決まる。餌付いてしまえばそう難しいことはないが、長期飼育の報告を聞かない種だ。総じてホンソメワケベラ以外のソメワケベラ類は、飼育例が少なく、詳しい情報がなかなか出てこないのが難点。

種小名は『胸ビレ』という意味。胸ビレ基部に特徴があるので、そこから付けられたのだろう。英名、和名ともに胸ビレの黒斑に由来。

sebae邸スイハイ

2010年12月08日 15:58

今回は都内在住のsebaeさん宅にお邪魔してきた。
Zeovitシステムの素晴らしい水槽は見事の一言。
じっくりご覧下あれ。
ちなみに画像は全て、だにやん撮影。

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玄関に設置されたZeovit水槽(フラッシュなし)。
Zeovit特徴のパステル色が、十分に発揮されたSPS群が見事。
照明はLEDではなく、メタハラがメインな点に注目。
システムの詳細は、sebaeさんのブログを参照していただきたい。

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フラッシュ有りで撮影。
なかなか目で見た本来の色彩が伝えられないのはもどかしいところ。
実際に見ると、その綺麗さに凄いの一言しか出てこない。
Zeovitの見本となるべき水槽と言えるのでは。

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魚はキャンディーバスレットのペアのみ。
魚を少なくし、さらに餌はイサザアミのみ。
栄養塩を徹底排除するため、人工餌を用いないといったこだわりも。
ただし、イサザアミは栄養強化しないと、魚が痩せてくるといった面がある。
このあたりは今後の課題だが、すぐに解決してしまうだろう。

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こちらはVSVメソッドで管理されている水槽。
Zeovit水槽とのサンゴの色の違いなどを比較してみると面白い。

気になったのは、配線類が混沌としていてなんだか分からなくなっていたこと。機材が多くなると、どうしてもタコ足配線で入り組みがちだが、これを整理すれば管理面で相当良くなるし、漏電等の事故も防げる。あえて言えばその程度で、他はほとんど文句のつけようがない。

ここに挙げた水槽の他、T-5蛍光灯をメインにした水槽も立ち上げ途中で、その水槽もどうなるのか実に興味のあるところ。しかしsebaeさんならば、魅力的なSPS水槽を作り上げるに違いない。ちょっと目の放せないアクアリストである。

クチベニソメワケべラ

2010年12月03日 14:28

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タヒチ産。(photo/J.E.Randall)

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タヒチ産。(photo/J.E.Randall)


学名:Labroides rubrolabiatus Randall, 1958
和名:クチベニソメワケベラ
英名:レッドリップ・クリーナーラス Redlip cleaner wrasse
全長9cm
中部太平洋に分布

日本では小笠原の遥か東方、ハワイ寄りの南鳥島でのみ観察されている。体中央付近が淡いオレンジ色に染まるため、他種と間違えることはない。この他、唇が赤いという他のソメワケベラ属には見られない、明確な特徴がある。性質などはホンソメワケベラに準じる。

観賞魚として中部太平洋域より入荷するが、その数は少ない。クチベニソメワケベラの表記ではなく、レッドリップクリーナーラス、あるいはピーチクリーナーラスの名で流通する。輸送に弱いようで、入荷状態にばらつきがあり、状態の良いときは比較的容易に餌付くが、駄目な場合は立て直せないことが多い。また本種は長期飼育の例が知られてなく、そういった点から状態維持の難しい魚だと言えるだろう。

種小名は『赤い唇』という意味で、本種の特徴に由来。英名、和名も同様。

ホンソメワケベラ

2010年12月01日 11:10

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東アフリカ産。(photo/J.E.Randall)

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マーシャル産。(photo/J.E.Randall)

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パプアニューギニア産。(photo/J.E.Randall)

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タヒチ産。黄色い斑紋が特徴。(photo/J.E.Randall)

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スーダン産。(photo/J.E.Randall)


学名:Labroides dimidiatus (Valenciennes, 1839)
和名:ホンソメワケベラ
英名:ブルーストリーク・クリーナーラス Bluestreak cleaner wrasse
全長12cm
インド洋~中部太平洋に分布

 魚の体表に付いた寄生虫を食べる習性で広く知られる種。この習性のため、肉食性の大型魚にも食べられることはないとされる。しかし偶発的な事故などで、誤って食べられてしまうことが稀にある。分布域は広いが、地域による色彩変異はほとんど見られない。唯一、フィジー周辺に生息するもののみ、体側後方に黄色い斑紋を持つ変異がある。ただしフィジー産のものが全て黄色い斑紋を持つわけではなく、黄色くないノーマルなタイプも混在する。日本では千葉県以南に、夏から秋にかけて磯で幼魚がみられる。幼魚期は体色が黒く、細いコバルトブルーのラインが入る。
 本属のベラは一夫多妻のハーレムを持ち、オスの縄張りは広く、他のオスと出会うと激しく争う。このハーレムを率いるオスがいなくなると、そのハーレム内で順位が最も上のメスがオスへと性転換する。性転換は、およそ2週間ほどで完了するとされる。また大型のメスと小型のオスとを組み合わせると、大型個体はオスへ、小型個体はメスへと性転換することが確認されている。夜になると岩陰やサンゴの隙間に入り、口から粘液を分泌して寝袋をつくり、その中で眠る。

 古くから観賞魚として知られ、非常にポピュラーな種である。東南アジアから輸入される個体には状態を崩しているものもいたりするので、入手の際は状態の見極めが重要になる。フラフラと泳いでいるもの、痩せているもの、腹部が凹んでいるものなどは要注意。何も問題がなくとも、餌付けに難がある個体もみられるので、安全策を取るなら餌付いたものを入手するといいだろう。なおこの記事を書いた時点では、インド洋産やフィジー産は状態が比較的安定しており、餌付きも良い。最も良いのは自家採集することで、ちゃんと持ち帰れば状態、餌付きの良さなどは抜群である。
 クリーナーとして混泳水槽のタンクメイトとして選ばれることが多く、実際に良きタンクメイトになる。しかし個体の性格や混泳スタイルによっては、クリーニング行為が過剰になる場合があり、同居魚がストレスを受けることも稀にある。このような場合は混泳を解消した方がよい。また、ホンソメワケベラが分布していない海域の肉食魚、たとえばカリブ海のハムレットなどには捕食されてしまうことがあるので注意。サンゴ水槽で飼育するのも良いが、何故かクリーナーラスはシャコガイの外套膜を突くことが多い。このため、シャコガイを収容したサンゴ水槽での飼育は避けた方が無難である。
 クリーナーラスは、水槽内ではペア以外の同種同士は激しく争う傾向がある(ショップでも1匹ずつ収容されていることが多いのはこのため)。飼育の際は、1水槽に1匹が基本となる。病気にはかかりにくいが、飛び出し事故は多い。病死するより干物になる確率の方が遥かに高いので、フタはしっかり閉めておきたい。

種小名は『二分された、半分の』といった意味で、模様に由来している。英名も色彩に由来。和名は本来、ソメワケべラ Labroides bicolor に対し、体が細いのでホソソメワケベラと名付けられた。それが『ホソ』が『ホン』と誤って呼ばれ(あるいは誤植)、定着してしまった。誤った和名が正式和名として定着した珍しい例である。