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ディヴァイディッド・ラス

2010年07月30日 11:20

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(photo/J.E.Randall)
オス成魚。

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(photo/J.E.Randall)
メス個体。

学名:Macropharyngodon bipartitus Smith, 1957.
和名:なし
英名:ディヴァイディッド・ラス Divided wrasse
全長:13cm
西部インド洋に分布

紅海や東アフリカ沿岸の西部インド洋で、普通に見られる種。メスは赤っぽい体色で、腹部が黒くなっていて目立つ。また全体にブルースポットが点在する。オスはメスとは異なり、全体がグリーン系の色彩に包まれ、頭部から腹部にかけてライン模様が入る。オスは単独で行動するが、メスや幼魚は小群を作って行動する。底性小動物を食べ、夜間は砂に潜って眠る。

観賞用としては、ケニア便で入荷する。主にメス個体が多く、オス個体の入荷は少ない。もちろん餌付きはメス個体の方がよく、オス個体は難しい。もっとも、メス個体も他のベラに比べると餌付きがよいとは言えない。砂が無いと落ちつかないので、細かい砂を敷くのは必須。他はノドグロベラの項を参照。

種小名は「2つに分かれた」といったような意味。調べた限り、メスの色彩を表しているのか、オスとメスで色彩が違うことを示しているのか、それ以外のことなのかは不明。英名の divided も「分割された」という意味で、種小名と同じ意味である。おそらくメスの色彩から付けられたものではないだろうか。英名にはもうひとつ、バーミキュレイト・ラス Vermiculate wrasse というのもある。Vermiculate は「虫食い模様」の意で、こちらはオスの模様に由来していると思われる。
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高知磯採集記 その3

2010年07月21日 14:59

さて3日目。
この日は、底引き網漁のゴミ拾いということで、こぞって漁港へ繰り出しましたが、残念ながら海が荒れて漁が無かったためナシに。。。うーん、残念。次の機会にはぜひとも。ちなみに、参加者の1人、たまーぼさんペアは、この時点でお帰りになられていた模様。仕方がないので昨日とは別の磯へ繰り出すことに。

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ここ。
まあ上から見ると、どの磯も一緒に見えてしまう。
ここにはハナガサやシコロの大群体などがありました。
チョウハンいたけど、採れなかった。。。
並チョウは、いくらでも採れそうでした。

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潮が満ちてきたので上がり、皆で戦果の確認中。
この後、だにやん、かなめ氏、M井氏がお帰りに。

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ロッジに帰還すると、なんと豪華な食事が!
ホストのゆぅぞぅ氏が採集にも行かずに調達してくれたもの。
美味しいので、あっという間に完売。
鰹のタタキ、あんなにあったのに。。。

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夜は夜で再び酒盛り。
女性陣のビール消費量が半端ない。
お前ら呑み過ぎだろ(笑)。

翌日は帰還の日。
どりる氏がわざわざ高知龍馬空港まで送ってくれました(感謝!)。
豪雨で飛行機が遅れる可能性がありましたが、
何とか定刻に出発。

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帰りはモヒカンジェットでした。
懐かしい。

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参加の皆さん、お疲れさまでした。

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さて今回の戦利品。
チョウチョウウオは、並、アケボノ、トノサマ、ヤリカタギの4種。
少ないですが、サンゴを避けながらの採集では、これが限度。
まあそんなに多く採っても仕方ないし、これで十分。
奥にチラッとクマノミが見えますが、クマノミはTetsuoさんの成果。
Tetsuoさんによると、ミスジチョウもいたらしい。うーむ。

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アヤヘビギンポ。
採集時は婚姻色で、頭部が鮮やかなオレンジだったんですが。。。
しかし、ショップには入らない種なので満足。
他にはホンソメワケベラ、トゲアシガニなど。

チョウは全てアサリを食べるようになり、採集時より大きくなってきました。
特にトノサマダイの成長が早い。

高知磯採集記 その2

2010年07月16日 16:49

翌日は各地からの仲間と合流し、磯へ。
それにしても総勢20名以上というのは、なかなか無い大所帯。
集合場所に行ったら、7台も車が。。。
とりあえず、金魚のフンのように連なって近くの磯へ。

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まずは軽装備でヤドカリ拾い。
エイジ氏によれば、珍種が観察できたそう。
ヤドカリの他、エビ、カニ、ハゼ、ヨウジウオなども発見。

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次は本格的装備で別の磯へ。
みなさん、創意工夫を凝らした道具を装備しているのがすごい。
私なぞ、100均で調達した装備が中心(笑)。
でも、それが意外に使えたりするので侮れない。

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海の中に入るとこんな感じ。
サンゴがありすぎて、魚を採集するのがひと苦労。
豆チョウはミドリイシの中に逃げ込んでしまうとお手上げ。

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コモンサンゴと思われる種。
ブルーパープルのポリプが綺麗。
随所にありました。

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サンゴの少ないところで、何とか豆チョウを採集。
それと、サンゴが多い割にチョウの姿が少なかった。
まだちょっと時期が早かったのかな?

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ショウガサンゴは綺麗なグリーンのものが多くありました。
サンゴガニが入っていたものも多く、そのサンゴガニがまたデカイこと。

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宿泊は、このようなロッジに。

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夜は大バーベキュー大会。
疾風ウォルフ曰く『酒だ!酒!何でもいいから酒をくれ!』

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いごっそうを囲み、ありがたい講義に耳を傾ける。
一段高いところから見下ろすは、もちろん、いごっそうだ(笑)

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爆睡するTetsuo卿。
早く寝過ぎでしょうよ。。。。

その3に続く。

高知磯採集記 その1

2010年07月14日 15:10

やどかり屋主催の高知磯観察会に参加してきました。
私ら夫婦は1日早く現地入りし、高知のアクアリストM井氏の案内で
皆に先駆けて高知を楽しむことに。

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まずは空路にて高知入り。
M井氏が空港まで迎えに来てくれました。感謝。
ちなみにM井氏は、知る人ぞ知るアクアリスト。

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M井氏の案内で桂浜の龍馬像を見たり、
おみやげを買ったりと、普通に観光。

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お次ぎは漁港巡り。
堤防からカエルアンコウ掬いを楽しんでみました。
こんなに浅い場所で、カエルアンコウが何匹も掬えるとは驚き。
しかし、嫁の方が見つけるのが早いとは。。。(汗)
もちろん、チョウチョウウオやハタタテダイなどもいました。

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さすが南国土佐。
テトラポットに、ミドリイシを筆頭としたサンゴがびっしり。
でも温帯なので、色はグリーンか褐色。
トサカなどのソフトも多数観察できました。

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沈下橋も見たりしつつ、M井邸へ。

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何年か振りに見るM井水槽。ぜんぜん変わってない。
メインは2段になった60センチ水槽。
上にサザナミ、サツマカサゴなど。下にはチョウチョウウオ。

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下段のチョウチョウウオ水槽。魚は全て自家採集もの。
上部ろ過とスポンジフィルターのみのシンプルシステム。
これでも十分。

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相変わらず水の入っていない大型水槽。
稼働する日は来るのか。。。。

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(イメージ画像。こんな感じ)
夜は豪勢な食事で酒盛り。
鰹のたたき、イカ刺、サバの棒寿司、うつぼなどなど。
美味しい料理に舌鼓を打ち、初日は終了。

その2に続く。

ノドグロベラ

2010年07月02日 17:04

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(photo/J.E.Randall)
オス個体。

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(photo/J.E.Randall)
メス個体。

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(photo/J.E.Randall)
目状斑のある幼魚。

学名:Macropharyngodon meleagris (Valenciennes, 1839)
和名:ノドグロベラ
英名:ブラックスポッテッドラス Blackspotted wrasse
全長:15cm
西部太平洋に分布

西部太平洋の熱帯域で普通に見られる種。幼魚は背ビレ、尻ビレ後方に目状斑を持つ。成長するにしたがい、メス特有の碁石模様がはっきりとしてくる。オスになるとグリーンの強い体色になり、メスとは異なる色模様となる。背の立つような浅場から、30mほどの深さまで生息するが、浅い水深の方が多くみられる。主に甲殻類やゴカイなどの底性小動物を食べる。夜間は砂に潜って眠る。

観賞魚としてポピュラーな種で、ベラミックスで入荷することが多い。ベラ類は丈夫で飼育しやすい種が多いが、ノドグロベラ類は飼い難い部類に入る。やや神経質なため、落ち着ける環境でないと、砂に潜ったまま出てこないなどということも珍しくない。餌付きは良いとはいえず、最初は活き餌や生餌のお世話になることもよくある。大きな個体になればなるほど、餌付き難易度は上昇する。人工餌に見向きもしない場合は、活きたイサザアミを与えるのが最良。これを食べない場合は、残念ながら望みが薄い。入手の際は、なるべく入荷してから日の経たないうちがよい。というのも、この手のベラはショップのストックが長引くと、調子を崩してしまうことが多いためだ。ショップもノドグロベラに専用の水槽など用意できるはずもないので、このあたりは仕方の無いところ。欲しい人は、なるべく早めに購入することをおすすめする。いったん餌付き、落ち着いてしまえば比較的飼育しやすくなるが、無理な混泳をさせると駄目になりやすいので注意。また飛び出しも多く、フタは必須だ。長期にわたる飼育が意外と難しい魚で、アクアリストの水槽に対する工夫とサジ加減がものをいう。

種小名は『斑点を持った』という意味で、メスの模様に由来。英名もメスの模様から。和名の由来については、よく分からなかった。