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石垣島旅行 その3

2008年09月17日 01:19

3日目は、石垣島内の様々な場所で観察。
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まず最初はマングローブ帯。
石垣島には何カ所もある。
一見すると静かだが、生物の数は濃い。
豊かな場所だ。

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マングローブ帯ではお馴染みのトビハゼ。
とにかく無数のトビハゼがいる。
トビハゼは水中には逃げず、陸上に逃げていく面白い魚だ。
他にもハゼ類は多く、タカノハハゼ、クモハゼ、カタボシオオモンハゼ、カザリハゼ、ツムギハゼなどがみられた。ハゼ以外ではボラ、クロダイ、フエダイ幼魚、コトヒキなど。甲殻類はミナミコメツキガニやシオマネキなど各種カニ類、石をひっくり返すと沢山のテッポウエビが出てきた。

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ヤドカリは期待のヒルギノボリヨコバサミの観察に成功。
エイジ氏としては、当初の目的達成である。
しきりに撮影をしていた。
画像はツメナガヨコバサミ。

マングローブ帯を後にし、観光ビーチへ。
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リーフエッジまでは結構歩くものの、エッジに到着すれば、このような素晴らしい光景が眼に入る。サンゴが白化してダメージを受けたという話をよく耳にするが、まだまだ元気なサンゴ礁は数多い。画像ではミドリイシの色合いが全く出ていないが、実物は案外綺麗なものがあった。とにかく隙間が無いほどミドリイシが折り重なっている。陰になった部分には、ハナガタなどのLPSが。魚はニジハギ成魚、コバルト多数などなど。

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このクレバスの下に、ニシキヤッコが悠然と泳いでいた。シュノーケリングでニシキヤッコが観察できるとは・・・。この他、カクレクマノミがタマイタダキに入っているという、極めて珍しい組み合わせが見られた。自然下でタマイタダキに入るというのは、かなり稀なのではないだろうか。しかし、これがハタゴの生息数が少なくなったためだとしたら、珍しいだなどと喜んでもいられないが。

ヤドカリはカザリ、アカツメ、ウスイロ、ツマジロなどの各種サンゴヤドカリが。驚いたのは、シュノーケリングでもダンダラヒメヨコバサミが普通に観察できたこと。

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さらに別のビーチに移動。
ここでは定番のハタゴとカクレの組み合わせが観察できた。かなり大きいトゲチョウやフウライチョウもいた。他、セグロ、ゴマ、ミスジ、カガミ、チョウハンなど各種チョウチョウウオを観察。環境としてはアマモやウミヒルモ、サボテングサが多かったが、ハマサンゴやキクメイシ、コモンサンゴなどのサンゴは比較的多くみられた。

陸地では無数のオカヤドカリコロニーを発見。もの凄い数のオカヤドカリを観察。

朝から出て、ほぼ石垣島を1周するほど動き回った。
みんな、メシ喰うのも忘れるほど海の中に入っているのだから呆れる(笑)。
おかげで満足度はかなり高かった。
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石垣島旅行 その2

2008年09月12日 14:02

二日目はダイビング。
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ダイブショップの船にて、石垣島のそばにある黒島を目指す。

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これが黒島。

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ダイブボートから見た海の様子。
非常に美しい。白いのは全てサンゴ砂。
黒っぽいところは根の部分。

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キンメモドキかテンジクダイ類の群れ。

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ニセモチノウオ。
周囲にはキッカサンゴやハナガタが見える。
この他、ミドリイシはもとより、コハナガタやバブル、トサカ、ウミアザミ、ツツウミヅタなど様々なサンゴ類が観察できた。砂地ではベラギンポやキンセンハゼが、根ではアカハラヤッコ、ナメラヤッコ、オビイシヨウジ、各種チョウチョウウオ、クレナイニセスズメ、ヤスジニセモチノウオ、ヒメニセモチノウオ、ヤシャベラなどなど数多くの魚が見られた。

このポイントでは、コハナガタなどの生息状況を確認できたのが良かった。しかし、ここで見たままを水槽には再現できない。水槽と自然とは全く違うものだから。とはいっても、実際に見ることで、何がしかの参考にはなる。フィールドワークはアクアリストにとって重要なことだ。

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背後から撮影されてますた(笑)。

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ハナヒゲウツボ。
実物が拝めるとは・・・。

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ヤドカリ探索中。
カザリサンゴヤドカリ、アカツメサンゴヤドカリ、ダンダラヒメヨコバサミ、ミギキキヨコバサミなどなど、多くのヤドカリが観察できた。

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綺麗だ・・・。
透明度は、かなりのものである。

石垣島旅行 その1

2008年09月10日 14:25

2年ぶりに行ってきた。石垣島に。
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那覇経由で石垣島に到着。
ちっこい旅客機は揺れますな。

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そして、まずはシーピーファームを再訪。
相変わらず、ストック場の隣の小川にはグッピーが。
さらに今回はセマルハコガメの姿も。
さすがは自然に囲まれた場所。
ストック場への入り口も、注意していないと見過ごしてしまうほどだ。

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ソフトコーラルのストック。
このストック槽内で勝手にトサカが増えたり、ムカデミノウミウシが増えたりしている。
そのため、槽内の大掃除はしていないという。

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レモンスポンジのストック。
他にも小振りで丁度いいサイズのソフトコーラルがいくつもあり
小型ソフトコーラル水槽を作ってみたくなってしまった。

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シャコガイのストック。綺麗なものが多い。

ファーム見学後、浜に出てオカヤドカリと戯れてみた。
ちなみに、オカヤドカリは採集禁止だ。

今回は取材ではなく、プライベートな旅行であったが
親切に応対してくださった、シーピーの増川さんに感謝。
どうもありがとうございました。

シボリキンチャクフグ

2008年09月03日 00:31

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オーストラリア産(photo/J.E.Randall)

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モルディブ産(photo/J.E.Randall)

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小笠原産・幼魚(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster janthinoptera (Bleeker, 1855)
和名:シボリキンチャクフグ 
英名:ハニカム・トビー Honeycomb toby
全長9cm
インド洋~太平洋に広く分布

アラレキンチャクフグに似ているが、体のスポット模様が大きく密で、腹部まで模様が入っている。また尾ビレにスポット模様が無く、背ビレ基部の眼状斑が無い点などで見分けられる。分布は広いが、あまり目立った色彩変異は無いようである。背の立つような浅場から、水深30mまでの範囲でみられるが、10mまでの水深に最も多い。海藻、甲殻類、ゴカイ、クモヒトデなどを食べる雑食性。

本種も、やはりインドパシフィックトビーの名で流通することがあるが、シボリキンチャクフグの名で流通することもある。飼育はアラレキンチャクフグの項を参照。

種小名の意味は調べた限りでは不明。英名は模様に由来。和名は、和服の絞り模様に似ているところから付けられたと思われる。

パプアン・トビー

2008年09月02日 23:51

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パラオ産(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster papua (Bleeker, 1848)
和名:なし 
英名:パプアン・トビー Papuan toby
全長10cm
インド洋~西部太平洋に分布

画像の個体はアラレキンチャクフグのところでパラオ産として紹介したが、本種である疑いが強いため、こちらで紹介する。アラレキンチャクフグとの違いは、腹部が白くならないこと、吻部がオレンジ色(ほとんどオレンジにならない個体もいる)、吻部にライン模様が入る、といった点で区別できる。画像の個体はアラレキンチャクフグとしてデータベースに載せられていたが、前述の特徴がみられることから、本種であると判断して当ブログに掲載した。生息深度は6~50mと幅広いが、浅いところで多くみられる。雑食性で、貝類やゴカイ、クモヒトデ、甲殻類などを食べる。ハードコーラルをかじる行動もみられる。

本種もアラレキンチャクフグ同様、インドパシフィックトビーの名で流通する。飼育は至って容易で、餌はクリルや粒餌を好む。他はアラレキンチャクフグの項を参照。

種小名は地名(パプア)から。英名も同様。