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久しぶりにネコン

2007年08月28日 22:46

撮りためた画像でもごらんください。

fubu-8.28.jpg
のびーー

lala-8.28.jpg
相変わらずの舌出し

sakura-8.28.jpg
美ネコンのサクラ

mimi-8.28.jpg
高いところ大好きミミ
壁紙が・・・

koro-8.28.jpg
脚の悪いコロ
大きくなりました

chi6-1.jpg
外をパトロールする司令官
でも高齢なので、そのへんをちょろっと歩くだけ
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オレンジフィン・アネモネフィッシュ

2007年08月24日 01:50

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マーシャル産(photo/J.E.Randall)
尾ビレの白いタイプ。

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パラオ産(photo/J.E.Randall)
マーシャル産と変わらないが、この個体は腹ビレが暗色をしている。

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タヒチ産(photo/J.E.Randall)
各ヒレが美しい黄色に彩られている。

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マーシャル産幼魚(photo/J.E.Randall)

参考画像
ニューギニア産1
ニューギニア産2
ニューギニア産3
ニューギニア産は、腹ビレと尻ビレが黒いのが特徴。

学名:Amphiprion chrysopterus Cuvier, 1830
和名:なし
英名:オレンジフィン・アネモネフィッシュ Orangefin anemonefish
全長17cm
西部太平洋からミクロネシア、ポリネシアに分布

基本的型は体が黒く、各ヒレがオレンジ色をしているが、生息地域によって変異がある。中には体色がくすんで、全体的に褐色の色合いをしたものも。くすんだ色合いの個体は、バリアリーフ・アネモネフィッシュに非常によく似ており、両者の類縁関係が疑われる。クマノミ類の特徴である2本の白いバンドは青みが強く、そこから別名ブルーストライプ・アネモネフィッシュとも呼ばれる。本種はクマノミ類中では最も大型になる種のひとつで、大きなものでは全長17cmにまでなる。宿主とするイソギンチャクは多彩で、ハタゴ、イボハタゴ、シライト、センジュ、サンゴイソギンチャクなど色々な種類と共生する。

観賞魚として入荷するが、入荷量の少ない種類だ。幼魚から成魚までみられるが、幼魚よりも、体色の鮮やかな成魚個体の方が人気が高い。輸送に弱く、輸入直後は調子を崩している個体が多く、そのまま立ち直らないこともよくある。死亡率が高いため、問屋やショップにしてみれば、余り仕入れたくない魚といえるかもしれない。入手の際は、少なくとも一週間は様子を見て、落ち着いた個体を入手するのがベスト。良い個体が入手できれば、飼育自体は他のクマノミと変わらず容易。本種に限らず、クマノミ類は良い個体が入手できるかどうかが肝要である。なお本種は大型で気も強いため、他のクマノミとは組み合わせない方が無難。

種小名は「黄金色のヒレ」という意味で、本種の色彩的特徴を表している。英名もヒレの色彩から。

オレンジストライプ・バスレット ペア

2007年08月20日 18:16

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小型水槽内のペア。やっと撮影に成功。
左がオスと思われる個体。右がメスではないかと。
左にチラリと写っているのは、マーシャル産カシワハナダイ幼魚。

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おそらくオス個体。
オレンジ色が濃くて綺麗。

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メスと思われる個体。
オレンジ色は薄い。比べてみると明らかに違う。
この色彩差が雌雄差なのだろうか?
もう1ペア飼育して、同じような違いになれば確定するのだが。

しかし、画像がボケボケだ(汗)。

良い梱包 その6

2007年08月19日 23:55

今回はB-BOXからの荷物。
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一番上には、新聞紙に包まれた保冷材。
保冷材は既に溶けていた。
ちなみに、青い封筒は納品書。
受け取り時間は午前8時で、営業所にて荷物を直接受け取り。
早速、水温を計測してみると25℃と、丁度良い水温。
この厳しい時期、水温の上昇を考えると生体の受け取りは、やはり午前が安全。

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箱一杯に生体のパッキングが。
水量は、かなりたっぷりで安心できる。
中身は10cmと3.5cmの魚が1匹ずつ。2パッキング。

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クマノミが無事到着。

ボロカサゴ類飼育法

2007年08月17日 23:50

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(以下の記事は、以前、瑞羽氏のHP用に書いたものを再構成・加筆訂正したもの)
■まず最初に
 ボロカサゴ類を飼育する際には、餌代がかなりかかるという点を考えなければいけない。なにしろ、クリルやイカの切り身を食べてくれることが非常に少なく、まず生きた魚やエビを与えなくてはならないからだ。餌を採集に頼ると安上がりのように思えるが、採りに行く手間や餌魚用水槽もきちんとしたものを用意しなければならず、意外にスペースや維持費用がかかる。この点を十分に考慮しておかないと、すぐに手放すことにもなる。飼育の前に、長期にわたり維持管理がきちんとできるかどうかを、十分に検討してから飼育に臨みたい。

■水槽設備など
水槽サイズは、10cm前後の個体を飼育するのであれば、45cm水槽でも十分。20cm近い最大個体でも、単独ならば60cm規格水槽で飼育可能である。個体のサイズに比べて水槽サイズが小さくて済むのは、あまり動き回らないため。
大型個体のペア、あるいは複数匹飼育でも60×45×45~90cm規格水槽ぐらいの大きさがあれば十分だろう。餌の捕食しやすさなどを考えれば、水槽の高さはあまりない方が良く、30cmくらいあればいいだろう。あるいは底砂を厚く敷いて(DSBなど)、実質的な水深を浅くしてしまってもよい。岩組みは複雑でない方が餌の小魚を食べやすい。また、あまりゴチャゴチャとしたレイアウトだと、アゴを傷つけてしまうことがあるので、そういった面からもシンプルなレイアウトにしておきたい。
濾過システムは、まともに濾過が機能するものであれば問題ない。ベルリンシステムなどの強制フィルターの無いシステムの場合は、少なくともセット後半年ほどして、ある程度安定してきてから個体を導入すべき。水換えは当然のように定期的に行い、清浄な状態を保つことは言うまでもない。
この他、メインタンクに繋げたリフィージウム・スタイルの水槽で飼育するのもよい。この場合、メインタンクの飼育水がそのまま使えるので、セットして即時飼育が可能となる。

照明は20Wの蛍光灯が1~2本あれば十分。メタハラなど強い照明は不要。球の種類については、色彩維持の項目を参照のこと。水温は20~25度の範囲であれば、特に問題は起きない。もともと少し深い場所に生息するため、あまり水温が高くなるとまずい。

■してはいけないこと
・メタハラの光を当てる
6500Kや10000Kあたりの白系のメタハラ(特に250W)があまりよくない。 かなり落ち着きがなくなり、あちらこちらと動きまわる。普段動かない魚が動き回るのはかなり体力を消耗するらしく、餌をきちんと食べていたとしても背中が痩せてきてしまう。また、特徴ある体色を損なう結果にもなるので注意したい。
・混泳
ヤッコやチョウチョウウオなどと一緒にする人はいないと思うが念のため。同じ仲間のカサゴやオコゼなどとは争うことはまず無いが、狭い水槽に色々と収容すると、オコゼの棘に刺されて大きなダメージを負うこともあるので注意したい。またオス同士の複数飼育は、激しく闘争をするので困難(外見での判別が付かないので、事前に避けることは難しいが)。

■病気など
海水魚につきものの白点病にはあまりかからず、この点は非常にありがたい。ボロカサゴ類で一番多いトラブルが、アゴに関するケガ。アゴのケガは、特に入荷してまもない大きめの個体によくみられる。下アゴを水槽面や岩にぶつけて、炎症を起こす個体が意外と多い。軽度であれば、エルバージュ浴を行うことで完治することが多いが、重傷になるとアゴのケガから死に至りやすい。アゴの傷は軽度のものでも、放置するとカサゴ類では致命傷に至ることが非常に多い。アゴに傷を見つけたら、早い段階で薬浴して治療するのがベスト。カサゴは比較的薬品耐性があるが、エルバージュなどは規定量よりも、やや少なく用いる方が無難。

この他、病気ではないが餌の不良による死亡がある。特に市販のスズメダイの場合、販売水槽内で銅イオンなどの薬品を高い濃度で使用していたりすると、それを食べたカサゴが死亡することがある。スズメダイは入手後すぐに与えず、数日間は新しい海水で薬気を抜いてからにすると安全。

■餌
 基本的には入手のしやすさなどを考えると、デバスズメやコバルトスズメなどのスズメダイ類を主に与えることになるだろう。他に、磯採集に行ったときにはドロメやアゴハゼ、メジナ幼魚、ボラ幼魚などを餌用に採集して、別水槽にストックしておくといい。特にハゼやボラは消化が良く、非常に良い餌である。

 海が近い人ならば、夏場は可能な限り、磯採集に行って餌を確保することをおすすめする。ストックした餌用魚には人工餌を与え、栄養的バランスを取ってから与えるようにするとベスト。痩せ細った魚を与えても、身にはならない。なお採集してきた餌用魚は、必ず淡水浴や薬浴を行っておきたい。ヒラムシ(ベネデニア)などの寄生虫の侵入を防ぐためだ。磯で採集できるハゼやボラなどの幼魚は、時期によっては寄生虫の宝庫になっていることもあるため、淡水浴は必ず行うようにしたい。
餌はだいたい週に1~2回。飼い始めのころは与える量を少なめに、週3回くらい給餌するといい。飼育当初に、あまりいっぺんに与えると吐き戻してしまうことがあるからだ。吐いてしまうと水質に悪影響が出るため、あまり食べさせ過ぎないように注意する。小型個体には、消化のいいハゼ類を与えることができればベスト。
イソスジエビの小さめのものも良い餌だが、個体によっては余りエビを好まないものもいる。いずれにしても、数種類の餌を与えて変化をつけるのは良いことである。なお、エビ類はストック当初は意外に水を汚すので、ストック水槽(あるいはバケツ)の水質管理には注意したい。エビ類は酸欠にも弱いので気をつけること。

■餌にしてはいけない魚
・キハッソクなど
 皮膚毒があるのでこれらのハタ類やソープフィッシュは駄目。
・サンゴハゼ、コバンハゼ類
 皮膚毒を持つので与えてはいけない。小さいイザリウオなどにはサイズもいいのでつい与えてしまう人もいるが、食べた魚はまず間違い無く死んでしまう。
・ハコフグ、フグ
 これらも、もちろん毒があるので与えるべきではない。
・ゴンズイ
 これも磯で採集できる。ヒレに毒があるのだが、イザリウオなどは、ゴンズイを食べてもなんともなかったりする。大事をとるなら与えない方が無難。
・トウゴロイワシ
 磯で採集できるのだが、脂が多いようなのでたくさん与えるのは控えた方がよい。

■脱皮
ボロカサゴ類は、定期的に表皮がはがれ落ちる「脱皮」をすることでも知られている。はがれた表皮は時間が経つと分解されてしまうが、はがれ落ちてすぐは意外な丈夫さがある。大型個体では量も多く、ときとしてポンプの吸い込み口に詰まって、流量を大幅に落としたりすることがある。そうなるとトラブルの原因にもなりかねないため、パワーヘッドやフィルターポンプのストレーナーには、スポンジを付けるなどの対処をしておくと、かなり安全だ。また小型オーバーフロー水槽では、フローパイプが細い場合に表皮が詰まってしまうことがある。そうなると漏水してしまうため、詰まり防止の対処が必要だ。はがれた表皮を見つけたら、すみやかに取り除こう。

■色彩維持
ボロカサゴ類は、レッドやパープル、ピンクといった魅力的な色合いをした個体が多い。これらの体色を維持するには、ブルー系の蛍光灯をメインにして照射してやるとよい。またベージュ色の個体にブルーの蛍光灯を照射すると、パープルやピンクに色変わりすることが多い。しかし、レッドになることは非常に少ない。ただ、紅藻をレイアウトに用いると、レッド系の色合いに近づけることはできる。またボロカサゴの場合、海藻を茂らせた水槽に収容すると、特徴的な皮弁が発達してくる。カウレルパなどの緑藻では体色は緑褐色に、紅藻ではレッドパープル系に変化することが多い。
数は少ないが、イエローやゴールドといった色彩変異もみられる。これらの色を維持するには、イエロースポンジやオレンジスポンジを多めにレイアウトし、6500kのやや黄色い光の蛍光灯を照射すると、体色を維持しやすいようである(個体によって違うが)。

■寿命、成長
正確なことは分かっていないようだが、水槽内では少なくとも5年程度は普通に生きると思われる。成長は結構早く、4~5cmほどの幼魚でも、十分に餌を与えれば半年ほどで10cmを超えるサイズになる。ボロカサゴ類は、ほとんどの種が最大で20cmほどまでになるが、水槽内では15cm程度で止まることが多い。

Bodianus paraleucosticticus

2007年08月16日 10:49

b-paraleucosticticus.jpg
(photo/アキュリ)

学名:Bodianus paraleucosticticus Gomon, 2006
和名:なし
英名:不明
全長:15cm
ラロトンガ、パプアニューギニア、ニューカレドニアに分布

スジキツネベラ(Bodianus leucosticticus)によく似た種。体側のラインの色が違うことで区別できる。水深50~115mと、かなり深い場所に生息している。詳しい生態などはよくわかっていない。体長は15cmとしたが、近縁のスジキツネベラなどの体長を考えると、少なくとも20cmには成長すると思われる。

この手の Bodianus は、丈夫で何でも食べるので飼育しやすい。しかし、本種をはじめ深場のベラは突然減圧症が出たりすることもある。このあたり、見た目で判断できないのが難しいところ。性格はおそらくきつく、混泳させるのは少々難しいかもしれない。エビなどの甲殻類は好物なので、それらとは一緒にできない。

種小名の para は「似た、近似の」という意味で、スジキツネベラ(Bodianus leucosticticus)に似た種ということ。leucosticticus は「白い斑点」という意味で、体にある白点に由来。

良い梱包 その5

2007年08月14日 02:31

今回は大阪のショップ。アキュリからの荷物。
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外見は普通。
注意書きは十分だ。

aquarie-2.jpg
中身はなんと二重に。
酷暑期や厳寒期、あるいは遠隔地への発送、希少種で代替魚がいない場合などに、この梱包方法で発送する場合がある。最もベストな梱包方法のひとつだが、ショップ側としてはいつでもできる梱包ではない(サイズの合う発泡箱の調達や、手間の面で)。私自身も、この二重梱包はやったことがあるが、箱のサイズを合わせるのが一番大変だった。

aquarie-3.jpg
生体は中の発泡箱に。
箱と箱の間、またパッキング袋が動かないように新聞紙を詰めている。

aquarie-4.jpg
保冷材は、新聞紙にくるまれた冷凍ペットボトル2本。
箱と箱の間に配置。この時点でも、まだ凍っていた。
保冷効果は抜群で、袋の水温は上昇せず、良好そのもの。
もちろん、中の生体も無事に到着。

この時期のような極端な気温の中での発送は、ショップ側を悩ませるもの。遠方への発送では、梱包に工夫を凝らすショップが少なくない。このような時期の発送では、そのショップの梱包技術や配慮などがよくわかって面白い。

更新情報

2007年08月12日 13:45

レッドストライプト・ホグフィッシュ
インド洋産と太平洋産が別種に分けられたため、内容を改訂。

ペパーミント・ホグフィッシュ
新種記載されたため、内容を改訂。

飼育困難な魚たち

2007年08月11日 00:14

前回は「持て余す魚」だったが、今回は持て余すことすら許されない、飼育困難な魚たちについて。難しい魚は稀少珍種かというと全くそんなことはなく、むしろ入手しやすい魚に多い。次に挙げる魚たちを年単位で長期飼育できたら、どんな珍種・希少種を飼育するよりも自慢できるだろう。

ハナグロチョウ、オウギチョウ、ハクテンカタギ
安価で入手できるチョウチョウウオだが、この3種は餌付きにくいポリプ食チョウチョウウオの中でも最高に難しい。まずアサリに餌付かせるだけでも苦労するし、人工餌にはほとんど餌付かない。3種の中ではハクテンカタギが最も餌付かせやすいが、他2種に比べてという程度。余りにも餌付かないため、この3種は観賞魚としての輸入を禁止してもいいと思う。飼えない魚は、切り花的に消耗されるだけだからだ。
(2009年後半あたりから、餌付く個体の入荷が多くなってきたように思える。とはいえ、飼育難魚であることに変わりない)

スギアヤチョウ、バンデットバタフライ
これらも飼いにくいチョウチョウウオである。ほとんど状態の悪いものしか流通せず、飼育できそうな個体を探すのが難しい。どちらもカリブ海産であるが、米国在住経験のあるTetsuoさんによると、米国内では比較的良い状態で流通しているそうだ。となると、輸出シッパーの扱いが全く駄目だということになる。Tetsuoさんは業者の餌止めのし過ぎを指摘している。

ハシナガチョウ
チェルモンの名で親しまれるが、これも長期飼育の難しい魚。アサリやゴカイ類はよく食べるが、なかなか人工餌にまで移行できない。混泳もやや難しく、年単位の長期飼育は難しい。吻の長いチョウチョウウオはポリプ食ではないものの、なかなか手強い種類が多い。

フエヤッコ
この魚も難しい。比較的人工餌には餌付きやすいものの、口が小さいために大きな餌が食べられない。そのため、かなりこまめに餌を与えないとすぐに痩せやすい。餌は人工餌だけよりも、アサリなどの生餌も併用した方が成績が良いようだ。餌の与え方などを考えると、混泳は少々難しい。安価だが、ビギナーが手を出しても、まず長生きはさせられない。

アカククリ
非常に飼育の難しい魚として有名。亜成魚サイズ以上は比較的飼育しやすいが、幼魚はとてつもなく飼育難易度が高い。幼魚から成魚まで育てあげたという話を、全く聞いたことがないほど。昔から知られる観賞魚だが、いまだに幼魚の餌付けが確立されていない。観賞魚としての輸入が不適当と思われる魚のひとつだ。

ヘコアユ
珍妙なスタイルと泳ぎ方が印象的な海水魚。口が小さくプランクトン食のため、与える餌に困る魚である。大抵は適当に細かい餌を与えるうちに餓死というパターンになる。長期飼育は結構難しい魚だ。餌にはアミエビが適しているので、それを与えるとよい。人工餌に餌付くことは稀で、せいぜい細かくしたクリルがいいところ。他魚との混泳も考えない方が良い。

テングカワハギ
ポリプ食だというのにもかかわらず、多数がコンスタントに入荷する。ミドリイシやコモンサンゴなどのポリプを主食にするため、飼育は大型のリーフタンクに収容して、勝手にポリプを食べさせる方法ぐらいしかない。人工餌に餌付くことはまず無いため、初心者向きとして販売するべき魚とは言えない。
(実は人工餌を食べるようになる個体がわりといることが判明した。個体を選べば、顆粒餌に餌付けることが可能である)

マルチカラーラス
本種をはじめ、オグロベラの仲間は飼育が難しい。デリケートで餌付きにくい。砂に潜ったまま出てこないで死亡するパターン、他魚にプレッシャーを受けて飛び出して干物になるパターンが非常に多い。専用水槽を用意するなどして飼育しないと、長期飼育はかなり厳しいといえるだろう。

ソメワケベラ
とにかく餌付きが悪い。なかなか餌付かず、痩せて餓死というパターンが多い。稀に人工餌に餌付いて長期飼育できる個体もいるが、多くの場合で飼育は難しい。餌付きの悪さは、幼魚、成魚ともに同じ。
(最近入荷の個体は餌付くものが多いようである。2011年追記)

持て余す魚たち

2007年08月07日 22:58

「買ったときは綺麗だったのに」とか「最初は大人しかったのに」、「まさかこんなに大きくなるなんて」など、最初の頃とはだいぶ違った感じになってしまう魚がいる。しかし、それらは十分な下調べもせずに、衝動買いした結果であることがほとんど。後悔しないように、事前調査をしっかりとするべきである。

フレンチエンゼル、グレーエンゼル
可愛らしい幼魚に惹かれて、つい買ってしまう人は多いだろう。しかし成長がかなり早く、他の大型ヤッコよりも早い段階で大型水槽が必要になる。体長だけでなく体高もかなりあるため、深さ45cmの水槽では長期飼育はやや難しい。大型水槽が用意できない場合、手放すことになりやすい。成魚にまで成長した個体には、150×60×60cmぐらいの水槽は必要だ。大型水槽が用意できさえすれば、飼育面ではあまり問題はない。

パッサー、クラリオン
性格が悪すぎて混泳が困難なのが最大の問題点。幼魚のうちはそうでもないが、成長するにつれて性格は激しくなってくる。そのため成魚個体の混泳は難しく、相当気をつけないと殺されるヤッコが続出する(もちろん、相手は魚なので例外はあるが)。その性格の悪さ故、長期飼育途中で手放されてしまうことが多い。飼育するには、十分な覚悟が必要である。ただし、単独でじっくりと飼育するならば非常に魅力的な魚だ。

クイーンエンゼル
青い色が褪せ易く、長期飼育個体はほとんど黄色い魚になりがち。黄色くなってしまうと興味が失せるのか、ショップへ引き取られる個体も多い。高水温、栄養塩の蓄積が色彩の維持に大きな影響を与える。22℃程度の水温と、リーフタンク並みの水質管理が要求される。本種を綺麗に飼育するには、かなり大きめのリーフタンク(500リッター以上)で、水温を低く保ってゆったりと飼育するのが良い。魚病薬の使用によっても褪色は進行するため、この点においても薬品を用いないリーフタンクでの飼育が一番であると考えられる。性格的に問題は無いが、褪色の問題から混泳水槽向きのヤッコではない(黄色くなってもいいというなら別)。ちなみに近縁のブルーエンゼルは、低栄養塩の環境において、青い色彩が長期間褪せずに維持できたという報告がある。

ソメワケヤッコ、ヘラルドヤッコ
小さいうちは比較的温和で協調性もあるが、長期飼育して成長したものは非常に性格が悪くなる。大きくなった個体は、大型ヤッコの成魚とも張り合えるほど。同じ小型ヤッコは殺されてしまうことが多く、成魚個体の混泳は難しい。ショップで見られる個体は手頃なサイズのものが多く、飼育している人は結構いるだろう。性格の問題は、長期飼育しなければ出てこない。逆に言うと、長期飼育できない人は、混泳で悩むことはない。

ハマクマノミ
クマノミ類はペアになると攻撃的になり、混泳させづらくなるが、中でもハマクマ・タイプのクマノミは別格。とにかくペアの性格がキツイ。同じクマノミ類はもとより、ヤッコ、チョウチョウウオなど問わず、ほとんどの魚に攻撃をしかけることもある。水槽が小さいと、混泳という選択肢はあまり考えられなくなってしまう。幼魚は可愛いが、入手前に性格面のことを十分考えてからにしたい。スパインチークも、ハマクマ類に次いで気の強い種だ。

各種スズメダイ
スズメダイの多くは気が強く、中には飼育したことを後悔するような種も少なくない。特に気が強いものは、ミツボシクロスズメやミスジリュウキュウスズメ、ネオンダムセル、ヒレナガスズメ、クロスズメ、ジュエルダムセル、ガリバルディなどなど多数。丈夫であるが故に、初心者向けとしてすすめられることが多い。が、初心者向きなのは丈夫さだけで、性格は非常に悪く、このため扱いに困ってしまう。デバスズメ以外のスズメダイを、初心者向きとして販売するのを禁止したいぐらいである。

ハギ(ニザダイ)類
キイロハギやクログチニザ、シェブロンタン、コーレタン、パウダーブルータン、ソハールサージョンなど、ハギの仲間は観賞魚として色々な種類がみられる。性格はねちっこく、同じハギの仲間をはじめ、他魚に対してもかなりしつこく攻撃する。幼魚のうちは性格も比較的まともで、混泳もさせやすい。しかし、成魚に近くなるにつれて性格の悪さが増してくる。多くの場合、成魚になるのを待たずしてショップへと引き取られていく。また頻繁な薬品使用や海水成分の劣化には弱く、褪色や頭皮欠損(HLLE)などが引き起こされる。そうなってしまった個体も、ショップへ引き取られたり、海へ不法放流されたりする。

モンガラカワハギ類
持て余す要素を十二分に持っている魚たちである。ホンモンガラ、イソモンガラ、ゴマモンガラ、クマドリなど、いずれも他の魚と混泳など到底無理という性格をしている。この仲間が本当に好きで、単独飼育ができる人にしかすすめられない。普通のショップで、これらの成魚を引き取ってくれと言ったら、かなりの確率で難色を示されるはず。だいたいが水族館行き(水族館も基本的に引き取ってくれない)か、不法放流することになる。

アジ類
観賞用としては、コガネシマアジがコンスタントに入荷する。ヒラアジ類の中には成魚で30cm未満の小型種もいるが、多くは大型に成長する。中には1mを超えるものも。成長も早く、餌が十分だと水槽内でもぐんぐん成長する(逆に餌が少ないと餓死)。遊泳力も強く、ホームアクアリウムでは、まず持て余す結果になる。観賞魚として不適切な魚種のひとつだ。

ダイダイヤッコ

2007年08月02日 12:30

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グアム産。メス個体。(photo/J.E.Randall)

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グアム産。オスになりつつある個体。(photo/J.E.Randall)

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小笠原産。やや赤みが強い。(photo/J.E.Randall)

学名:Centropyge shepardi Randall & Yasuda, 1979
和名:ダイダイヤッコ
英名:シェパーズ・エンゼルフィッシュ Shepard's angelfish
全長:12cm
主に小笠原、グアム、サイパンなどマリアナ諸島、パラオに分布

フレーム・エンゼルとアカハラヤッコの中間的なカラーリングをした種。両者に近い種であると考えられる。実際、フレーム・エンゼルやアカハラヤッコなどとの交雑個体が確認されている。オスは成熟すると背ビレと尻ビレの先端が尖り、エラブタ後方が青くなることが多い。体側の黒い斑紋の入り方は個体差が激しく、中には全く黒斑の入らないものもみられる。分布域は狭いが、グアムなどでは個体数も多く、分布の中心域では普通種。生息水深は1~56mだが、浅い場所ではあまりみられず、20~30m付近に最も多い。

生息の中心が観賞魚採集ルートから外れているため、たまに混じりで採集されたものが送られてくる程度で、流通量は少ない。飼育そのものは非常に容易で、丈夫で飼いやすいヤッコだ。ただし問題がひとつある。それは、その性格。幼魚のうちは比較的普通だが、成長するにつれて攻撃的な性格になっていく。特にオスの成魚は、小型のパッサーかクラリオンかと思うほど非常に気が荒い(稀に比較的マシな性格の個体もいるようだが)。そのため、他の小型ヤッコとの混泳が困難になることが多い。本種は長期飼育のできる魚だが、多くのアクアリストが成魚の激しい性格に辟易し、長期飼育半ばで手放してしまう例がいくつもある。本種を飼育するなら、この性格をあらかじめ知っておいた上で、覚悟を持ってやらないといけない。古いアクアリストならば、ダイダイヤッコを他の小型ヤッコと混泳させることの難しさを知っていることだろう。本種は無理に混泳をさせるべき魚ではなく、単種(つまり、ヤッコは本種だけにするということ)飼育が最も適している。単種飼育で状態良く飼育すると、素晴らしい色合いをみせてくれるヤッコだ。

種小名は、記載時に貢献のあったグアム大学の学生の名に因む。和名はその体色から。英名は種小名から。