レッドシー・ロングノーズファイルフィッシュ

2010年06月25日 17:30

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(photo/J.E.Randall)

学名:Oxymonacanthus halli Marshall, 1952
和名:なし
英名:レッドシー・ロングノーズファイルフィッシュ Red Sea longnose filefish
全長:7cm
紅海に分布

紅海特産のテングカワハギ近縁種。よく似ているが、スポット模様がより細かい点、頭部のオレンジ色の模様がラインにならずスポットになっているなどの違いがある。また、最大長はテングカワハギよりも小さい。性質などはテングカワハギに準じるものと思われる。雌雄の判別も同じではないかと思われるが、詳しい資料が無く不明。

観賞魚として輸入されたことはまだない。いずれ実物を見てみたい種である。

種小名は人物名。英名は産地と姿に由来。
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テングカワハギ

2010年06月25日 17:10

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(photo/J.E.Randall)
サモア産のオス個体。腹部の模様に注目。

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(photo/J.E.Randall)
全長9.7㎝のオス成魚。モーリシャス産。

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(photo/J.E.Randall)
メスの腹部には模様が無い。フィジー産。

学名:Oxymonacanthus longirostris (Bloch & Schneider, 1801)
和名:テングカワハギ
英名:ハーレクィン・ファイルフィッシュ Harlequin filefish
全長:10cm
インド洋~西部太平洋に分布

綺麗なグリーンの地色に、オレンジのスポット模様が美しい小型のカワハギ。体色もそうだが、吻が長く、カワハギ類にしては特異な形状をしているため、他の種と間違えることはない。ミドリイシなどのサンゴが豊富な場所に多く見られる。成魚は単独またはペアで行動するが、幼魚期には群れをつくることが多い。なお、成魚でも寝る際は数匹の小群になることがある。食性はポリプ食で、ミドリイシやコモンサンゴ、ハナヤサイサンゴなどのポリプをよく食べる。本種は腹部の模様で雌雄が判別できるが、幼魚では特徴が不鮮明で見分けが難しい。オスの腹部には黒い部分があり、そこに白い斑点があるが、メスにはない。

観賞魚としては意外に古くから知られているが、以前は食性が不明で、アクアリストにはプランクトン食と思われていた時期もあった。餌付かない魚としても良く知られていて、古いアクアリストの受けはよくない。しかし近年入荷する個体は状態が良くなったのか、人工餌に餌付くものも多い。やや小振りの個体を選んで餌付けると、成功率が高い。餌は細かくしたクリルや顆粒餌が適している。また、殻付きアサリをチョウチョウウオと一緒についばんだりもする。人工餌に餌付いても、サンゴを食べる習性は変わらないので、ハードコーラルを収容した水槽には不向き。ソフトコーラル主体の水槽か、おとなしい魚で構成した混泳水槽が適している。性格は温和で、他の魚をいじめるようなことはまずない。しかし同種同士、特にオス同士は激しく争う。そのため、1匹かペアでの飼育となる。

種小名は『長い口』の意。英名のハーレクィンは道化(ピエロ)の意味があるが、体色が道化の衣装を連想させるところから付けられたと思われる。和名は天狗のような姿から。

シマキンチャクフグ

2008年11月18日 18:34

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太平洋産(photo/J.E.Randall)

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モーリシャス産(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster valentini (Bleeker, 1853)
和名:シマキンチャクフグ 
英名:ヴァレンティニーズ・シャープノーズパファー Valentinni's sharpnose puffer
全長11cm
インド洋~太平洋に広く分布

毒性が強いことで知られるキンチャクフグ。その毒の強さから、本種に擬態する魚が何種かいる。カワハギの仲間のノコギリハギ、ハタの仲間のコクハンアラの幼魚がそれ。有毒な本種に似ることで、捕食から逃れるためのものと思われる。本種はインド洋から太平洋の広い範囲に生息しているが、ハナキンチャクフグのような色彩変異はみられない。画像には太平洋のものと、インド洋モーリシャスのものを掲載したが、比べてみてもほとんど差異はない。食性は他のキンチャクフグと同じく雑食性。浅い水深帯に多く、深くても50m程度の場所まで。

キンチャクフグの中では、最も入荷量の多いポピュラー種。フィリピンあたりから盛んに輸入される。そのため、価格も安価で入手しやすい。観賞用として古くから知られる種で、飼育したことのある人も多いだろう。2㎝ほどの小さな個体から、6㎝程度のサイズの個体が多くみられる。これより大きいサイズの個体は、あまり入荷しない。飼育法は、他のキンチャクフグに準じる。

種小名は人物名。英名も同様。和名は体側の縞模様に由来。

ハナキンチャクフグ

2008年11月18日 18:16

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日本産(photo/J.E.Randall)

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ハワイ産(photo/J.E.Randall)

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モーリシャス産(photo/J.E.Randall)

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紅海産(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster coronata (Vaillant & Sauvage, 1875)
和名:ハナキンチャクフグ 
英名:クラウン・トビー Crown toby
全長14cm
インド洋~太平洋に広く分布

シマキンチャクフグに似るが、本種の方が派手な色彩をしていて美しい。生息域が広く、地域によって色彩変異がみられる。日本産を含む太平洋産のものはオレンジとブルーの模様が入り、ハワイ産ではイエロースポットが、東アフリカ沿岸や紅海のものは、ブルースポットが目立つ。最近では、それぞれの産地のものを別種として分類する方向もあるようだ。浅い場所で多くみられる種だが、100mもの深さからも記録がある。海藻、甲殻類、カイメン、クモヒトデ、ゴカイなど多様なものを食べる雑食性。全長14㎝と少々大きくなるが、大きな個体はほとんどみられず、観察されるのは10㎝以内の個体が多い。

キンチャクフグの中ではかなり綺麗な種だが、何故か入荷量が少なく、目にする機会があまりない。入荷量の多いシマキンチャクフグに比べると、よほど観賞価値は高いはずなのだが、不思議なことである。たまにバヌアツや東アフリカからポツリと入荷する程度。価格は特に高くはなく、比較的入手しやすい。日本産のものであれば、南日本の沿岸の磯や堤防で採集できる。飼育はアラレキンチャクフグの項を参照。

種小名は「花輪」あるいは「王冠」という意味。その美しい色彩から付けられたと思われる。英名も同様。和名も、その美しい体色が由来だろう。

シボリキンチャクフグ

2008年09月03日 00:31

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オーストラリア産(photo/J.E.Randall)

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モルディブ産(photo/J.E.Randall)

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小笠原産・幼魚(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster janthinoptera (Bleeker, 1855)
和名:シボリキンチャクフグ 
英名:ハニカム・トビー Honeycomb toby
全長9cm
インド洋~太平洋に広く分布

アラレキンチャクフグに似ているが、体のスポット模様が大きく密で、腹部まで模様が入っている。また尾ビレにスポット模様が無く、背ビレ基部の眼状斑が無い点などで見分けられる。分布は広いが、あまり目立った色彩変異は無いようである。背の立つような浅場から、水深30mまでの範囲でみられるが、10mまでの水深に最も多い。海藻、甲殻類、ゴカイ、クモヒトデなどを食べる雑食性。

本種も、やはりインドパシフィックトビーの名で流通することがあるが、シボリキンチャクフグの名で流通することもある。飼育はアラレキンチャクフグの項を参照。

種小名の意味は調べた限りでは不明。英名は模様に由来。和名は、和服の絞り模様に似ているところから付けられたと思われる。

パプアン・トビー

2008年09月02日 23:51

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パラオ産(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster papua (Bleeker, 1848)
和名:なし 
英名:パプアン・トビー Papuan toby
全長10cm
インド洋~西部太平洋に分布

画像の個体はアラレキンチャクフグのところでパラオ産として紹介したが、本種である疑いが強いため、こちらで紹介する。アラレキンチャクフグとの違いは、腹部が白くならないこと、吻部がオレンジ色(ほとんどオレンジにならない個体もいる)、吻部にライン模様が入る、といった点で区別できる。画像の個体はアラレキンチャクフグとしてデータベースに載せられていたが、前述の特徴がみられることから、本種であると判断して当ブログに掲載した。生息深度は6~50mと幅広いが、浅いところで多くみられる。雑食性で、貝類やゴカイ、クモヒトデ、甲殻類などを食べる。ハードコーラルをかじる行動もみられる。

本種もアラレキンチャクフグ同様、インドパシフィックトビーの名で流通する。飼育は至って容易で、餌はクリルや粒餌を好む。他はアラレキンチャクフグの項を参照。

種小名は地名(パプア)から。英名も同様。

カザリキンチャクフグ

2008年08月28日 17:03

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フィリピン産(photo/J.E.Randall)

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オーストラリア産(photo/J.E.Randall)

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東アフリカ産(photo/J.E.Randall)

学名:Canthigaster bennetti (Bleeker, 1854)
和名:カザリキンチャクフグ 
英名:ベネッツ・シャープノーズパファー Bennett's sharpnose puffer
全長10cm
インド洋~太平洋に広く分布

広範囲に生息する種だが、アラレキンチャクフグのように、生息地域ごとの色彩変異はみられない。水深10mよりも浅い場所で多くみられ、サンゴが生育するような場所よりも、ガレ場や藻場に多い。雑多なものを食べるが、他のキンチャクフグに比べて藻類を好み、特に緑藻類を多く食べる。

あまり入荷量は多くなく、ポツリポツリと入荷する程度。飼育しやすいが、やはり入手当初は痩せやすい面があるため、餌はこまめに与えてやる。藻類を好むため、動物質の餌よりも、植物質の餌を中心に与えると状態良く飼育できる。海藻類がはびこりがちなリーフタンクに、藻類の掃除屋として収容してもいいだろう。

種小名は人物名。和名は体の模様が由来。英名は種小名から。