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水槽飼育で余り綺麗に仕上がらない魚

2009年05月29日 16:22

水槽で大事に飼育していても、なかなか自然下でみられるような色合いや模様に仕上がらない魚、どうしても体型が綺麗にならない魚がいる。今回は、そんな魚たちを一部ピックアップしてみた。

・クリスルス
成魚の重厚な感じが人気のヤッコ。しかし幼魚から育ててみると、思うような成魚に仕上がらない。特に頭部と尾ビレの幼魚斑が抜け切らないことがほとんど。しかも成魚になるまでかなり時間がかかる。なので、クリスルスに関しては成魚が欲しい場合は、既に成魚で輸入された個体を入手した方が良い。ただ、大きい成魚ほど餌付け難易度は高くなる。

・コルテツエンゼル
これも幼魚斑がなかなか抜けない種。水槽飼育では生息域より水温を高く設定して飼育することがほとんどなので、そこが影響しているのかも。頭部の黄色いバンドが綺麗に発色しないので、やはり成魚個体での入手がおすすめ。

・スミレヤッコ、ソメワケヤッコ
共に水槽飼育では青い色が抜けて黄色い部分が増えてくることがある。魚混泳水槽でも、サンゴ水槽でも同じ現象が起こるので、水質の影響は少ないようだ。なぜ黄色い部分が増えていくのかは分かっていない。一度そうなると、元に戻ることはまずないようだ。

・ナミチョウ、ゴールデンバタフライ
どちらも体高があるのが特徴だが、幼魚から育てると、だいたい体高の無い、やや細長い体型になりやすい。そういった個体は目がやけに大きいといった特徴もみられる。おそらくは、大型の水槽で餌を豊富に与え、一気に育て上げないと綺麗な体型にならないのではないかと思う。同様のことはチョウハンなど他のチョウチョウウオでもみられる。狭い水槽で飼育するのが原因ではないだろうか。

・オレンジフィンアネモネフィッシュ
長期飼育していると、鮮やかなオレンジの色彩が薄くなってしまいがち。中にはオレンジ色ではなく、茶色くなってしまうものもいる。状態の良いサンゴ水槽でもそうなってくることがあるので、水質だけが原因ではないようである。イソギンチャクとの共生の有無や、食べている餌なども関係してくるのではと思う。同様に、カクレクマノミやツーバンドアネモネなども入荷当初に比べて色落ちすることが多い。

海域別混泳パターン2

2009年04月13日 23:16

さて、その2ですよ。

・インド洋エリア
モルディブ、紅海、東アフリカの3つに大別できる。

まずはモルディブ。
主役に思いつくのは、やはりインドニシキだろうか。クロシテン、アーミターギでもいい。脇にはエイブリー、イエローフィンエンゼル、マルチスパインドエンゼルの3種。渋くいくならマルチスパインドで。ベラはキュウセンタイプなら、インディアンカナリーラスかアドルネッドラス。他、インド洋型エクスクイジットラス、パープルフェアリーラス、ドラキュラゴビー、オーロラゴビー、インド洋型モンツキカエルウオ、モルディブアネモネフィッシュ、エバンスアンティアス、スレッドフィンアンティアス、レスブレンデントアンティアス、コウリンハナダイなど。お好きな組み合わせで。

マニアックにいくなら、インド洋型シテンヤッコ、スポッテッドバタフライのペア、トライアングラーバタフライ、コラリス、テレラブルス、マッコスカーズラス。この中では、スポッテッドバタフライ、トライアングラーが難種。コラリスも、なにげに難種だし。組み合わせの順番も難しい。

魚混泳なら、インド洋型タテキン、インドスダレ、インドイッテン、インディアンバタフライ、サントス、ブラックピラミッドバタフライ、クイーンコリス、インド洋型モンツキベラ、パウダーブルーサージョン、インドヒレナガハギ。飼育難種はいないものの、サイズによる組み合わせの順番を考えないと無理が出る。入手は難しいが、ここにガーディナーズバタフライを入れてもいい。

・紅海
個性的な種が多く、主役にできる魚が多い。ヤッコを主役にするなら、何といってもアズファーか。大型ヤッコと組み合わせるなら、ゴールデンバタフライ、レッドシーラクーン、紅海型トゲチョウ、レッドシーバンナー、パープルタン、ツーバンドアネモネフィッシュ、レッドシークリーナーなど。アズファーではなくて、マクロススでもいい。飼育はどれも普通にできる。

マニアックにいくなら、ゼブラエンゼルのペア、レッドシーエンゼル、ホワイトフェイスバタフライ、レッドバックバタフライ、エイトラインラス、フリードマニーあるいはブルーストライプドティー、ストライプアンティアスなど。飼育する前に、これを集められるのかどうかが問題。特にレッドシーエンゼル、
紅海産のゼブラエンゼル、ストライプアンティアスは入手難。ちなみに、フリドマニーは養殖ではなく、できればワイルド個体を入れたい。

エクスクイジットバタフライ、オレンジフェイスバタフライは、組み合わせどころが難しい。ソハールサージョンは性格的に難。

・東アフリカ
魚種があまりなく、組み合わせバリエーションが少ない。主役はクリスルスとマクロススの2種。どちらもいい。当然のことながらマクロススは、きちんと東アフリカ産のものを選ぶ。チョウチョウはブラックバーンズバタフライ、ソマリバタフライ、渋くいくならアフリカンバタフライ。個人的にはソマリバタフライか。ベラはリーデントラス、ディビデッドラス、クイーンコリス。どれを選ぶか悩む・・・。他、インド洋型ハナキンチャクフグ、スミスズトビー、アラルズアネモネフィッシュ、スカンクアネモネフィッシュ。

・モーリシャス
色々といるが、どれも入手困難で、ほとんどが高額。お金がいくらあっても足らない・・・(汗)。

海域別混泳パターン

2009年04月02日 09:01

雑誌などで海域ごとに固有の、あるいは特徴的な魚を組み合わせて、混泳を構成する特集が組まれることがある。そこで、個人的な好みで混泳パターンを書き出してみた。でも、海域別で集めてみようと思っても、いつの間にか他海域の魚も混じったりして、意外に実現が難しかったりする。できそうで、できないものと言えるかも。

・日本近海
主役として思い浮かぶのは、やはりレンテン、キンチャクダイ、ユウゼンといったところか。が、個人的にはトサヤッコをメインに持ってきたい。脇役にはゲンロクダイ、フタホシキツネベラかタヌキベラ、スジハナダイ、セナキルリスズメなど。トサヤッコが遊泳性なので、水槽は120㎝以上で。水温は22℃ぐらいかな。ゲンロクダイが入っているから、薬の使える魚水槽。ゲンロクダイを入れなければ、サンゴ水槽でも。トサヤッコとゲンロクダイの良個体を入手するのがネック。どちらも着状態が悪い。

・ハワイ
ブラバンやティンカーを主役にするのが常道だけれど、ポッターズピグミーエンゼルのペアをチョイス。他にフォーラインラス、エレガントコリス、シェブロンタン、ミゾレチョウ(ハワイ産)もしくはミリアリス。チョウチョウウオが入っているけど、サンゴ水槽かな。どれも飼育難易度は低いので、実現可能性は高い。ハワイ産のミゾレチョウ以外は入手できる。

もうひとつ。
サイケデリックラス(ペア)、ポッターズラス、マルチバンドバタフライ、ファンテイルファイルフィッシュ、ハナキンチャクフグ(ハワイ産)。マルチバンドがいるけれど、これはサンゴ水槽でやりたいところ。サイケデリックラス、ポッターズラス、マルチバンドの3種は、いずれも飼育難易度の高い魚。また状態の良い個体を入手するのも大変。もし全て状態良く飼育できたら、相当自慢できる水槽になる。

ちなみに数は少ないものの、ハワイにはマルチカラーエンゼルが生息するので、これも使おうと思えば使える。大型ヤッコはタテキンのみ。クマノミ類は一切生息しないのが面白い。

・中部太平洋(マーシャルなど)
いくつかのパターンが考えられる。まずはオーソドックスにゴールドフレークをメインに。サブとしてレモンピールも良いが、餌付けや個体次第ではマーシャルシマ(ペアなら面白い)なども。脇役にはオセレイトラス、あるいはペパーミントラス。ボディアヌスを入れないのであれば、かわりにローンボイドフェアリーラスのペア。他にオーネイトラス、シテンチョウ(混泳は難しいかも)、スリーバンドアネモネフィッシュなど。スリーバンドアネモネの良個体を入手できるかどうかが難点。

第2パターン
ロストラタン、ダイダイヤッコ、オレンジフィンアネモネフィッシュ、オセレイトラス、イヤーマフラス、ゴイシギンポ、ボルケーノシュリンプゴビー(最近入荷無し)。ダイダイヤッコの入手が難。オレンジフィンの良個体を入手するのも大変。

第3パターン
ベントラリス、パープルファイアーゴビー、メニィストライプバスレット、サークルドラゴネット、オビイシヨウジ、ホワイトバンデットポッサムラス。ベントラリスはクック産のものではなく、マーシャル産のもので。マーシャルベントラとサークルドラゴネットを入手するのが難しい。蛍光灯だけのサンゴ水槽に泳がせたいところ。

第4パターン
グリフィス、マルケサンバタフライ、タヒチアンバタフライ、ミスジスズメダイ、ベニゴンベ、クログチニザ。うーん、普通の混泳水槽(笑)。

・グレートバリアリーフ
スクリブルドエンゼルといった一部の魚以外はインドネシアなどと変わらず、ちょっとどうか・・・。オーソドックスにスクリブルドかパソニファをメインにするのが普通。でも、マージンチェルモン、ミューラーズチェルモン、レインフォルディ、ゴールデンストライプといった固有のチョウチョウウオを組み合わせた方が面白いかも。ただし餌付け難易度、混泳難易度共に高い。

オーストラリアならば、南側の温帯域の方が固有種が豊富。色々と面白い魚はいるものの、どれもこれもマニアックで入手するのに困る。

大型水槽の水換え

2007年11月06日 22:52

今回は、我が家の水換えアイテムを紹介。
数百リッターの水換えをする場合は、それなりのアイテムを揃えないといけない。道具が揃っていれば、大量の水換えも短時間で終了することができる。

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水換え用水槽
普通は250リッターや500リッターの活タンなどを使用するが、うちでは飼育槽としては使わなくなった大型水槽を利用。この水槽は120×45×60cmで、水量は300リッターほど。ここに、エーハイムの水中ポンプとサーモ&ヒーターを常設。エアーレーションは必要に応じて追加。

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内径25mmの耐圧ホース
この大口径ホースで一気に排水する。また、注水にも使用。
普通のホースで、ちまちま排水していたのでは日が暮れてしまう。
大型水槽の水換えには、大口径ホースが必須だ。

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毎分110リッターのRYOBIポンプ
ホームセンターの安売りで9800円にて入手。
この手のポンプは、樹脂製でサビにくいものを選ぶといい。
これなら1トン水槽も10分で注水完了できる。

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何故かプラケース
何に使うのかというと、注水の際、強力な水流を受けるのに使う。
そうでないと、砂が盛大に掘れてしまうから。

この他、注水ポンプのオン・オフを行なう手元スイッチなども、あると便利なアイテム。

大型水槽を所有する場合、このような水換えアイテムの充実も大事である。でないと、メンテナンス時に非常に苦労することになる。大型水槽を所有するということは、それのメンテナンスも考えておかないといけない。水槽の置き場所だけでなく、メンテナンス面をどうするかという問題も出てくる。まあ、500リッター以上の大型水槽を所有しているアクアリストならば、上に挙げたアイテムぐらいは普通に持っていることだろう。もし持っていないとしたら、大型水槽所有者として、ちょっとどうかと思う。

水槽の入れ替え その2

2007年05月01日 18:36

つづき。
作業は午前10時前から開始し、午後10時前までに一応終了。
本当に「一応終了」しただけ。
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水槽の入れ替え その1

2007年05月01日 14:32

Hさんの水槽入れ替え顛末記。

もの凄く大変でしたよ・・・。
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使徒再来

2007年04月18日 02:56

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前回の記事
一ヶ月ほど前、再びホンハナマツムシの被害が表面化した。食害を受けたのは、コモンサンゴとカロリニアーナ。前回の殲滅作戦から一年以上が経過しており、わずかな数が残っていて、そこから増殖したのかもしれないし、持ち込みかもしれない。サンゴはほとんど購入していないので、幼貝が生き残って成長し、繁殖するようになったので目に付きはじめたのだろう。

前回は発見次第、ピンセットでつまみ出す受け身な対処だった。しかし今回はホンハナマツムシの性質が多少なりとも判明したので、積極的に駆除する方法にでた。ホンハナマツムシは、主にコモンサンゴやミドリイシを食害し、少ないながらも他のハードコーラルを食べたりもする。特に状態の落ちたサンゴや、傷付いたサンゴに取り付くことが多い。そこで、今回は意図的にコモンやミドリイシを枝打ちし、あちこちに配置してみた(もちろん、接着はしない)。

この作戦は当たりで、多くのホンハナマツムシをおびき寄せることができた。夜中に枝打ちサンゴを引き上げると、大抵いくつかの個体が付いていた。これをピンセットでつまんで除去し、枝打ちサンゴは元の場所に配置しておく。一週間ほど繰り返すと、ほぼ完全に居なくなった。前回に比べると、幼貝の捕獲率が非常に高い。画像に写っている以外に、細いホースで直接吸い出したものも多い。枝打ちサンゴ駆除法は、サンゴを水槽から取り出して、じっくりと貝の駆除ができるのがいいところ。コモンではフチの部分に、ミドリイシでは枝の先端より、根元に付く方が圧倒的に多い。そこを重点的に調べて除去する。

水質などが適正であるにもかかわらず、ミドリイシやコモンサンゴが部分白化や根元の共肉が白くなってきた場合には、ホンハナマツムシの被害を疑った方がいいかもしれない。ただし、水槽の照明が消えて一時間以上しないと活動しないので、夜中に懐中電灯で照らして調べることになる。成貝でも1.3cmほど、幼貝では1~2mmしかないので、十分に観察しないと見落としてしまう。照明のついている間だけしか水槽を見ないのでは片手落ちだ。たまには夜中の観察も必要である。