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オレンジフィン・アネモネフィッシュ

2007年08月24日 01:50

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マーシャル産(photo/J.E.Randall)
尾ビレの白いタイプ。

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パラオ産(photo/J.E.Randall)
マーシャル産と変わらないが、この個体は腹ビレが暗色をしている。

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タヒチ産(photo/J.E.Randall)
各ヒレが美しい黄色に彩られている。

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マーシャル産幼魚(photo/J.E.Randall)

参考画像
ニューギニア産1
ニューギニア産2
ニューギニア産3
ニューギニア産は、腹ビレと尻ビレが黒いのが特徴。

学名:Amphiprion chrysopterus Cuvier, 1830
和名:なし
英名:オレンジフィン・アネモネフィッシュ Orangefin anemonefish
全長17cm
西部太平洋からミクロネシア、ポリネシアに分布

基本的型は体が黒く、各ヒレがオレンジ色をしているが、生息地域によって変異がある。中には体色がくすんで、全体的に褐色の色合いをしたものも。くすんだ色合いの個体は、バリアリーフ・アネモネフィッシュに非常によく似ており、両者の類縁関係が疑われる。クマノミ類の特徴である2本の白いバンドは青みが強く、そこから別名ブルーストライプ・アネモネフィッシュとも呼ばれる。本種はクマノミ類中では最も大型になる種のひとつで、大きなものでは全長17cmにまでなる。宿主とするイソギンチャクは多彩で、ハタゴ、イボハタゴ、シライト、センジュ、サンゴイソギンチャクなど色々な種類と共生する。

観賞魚として入荷するが、入荷量の少ない種類だ。幼魚から成魚までみられるが、幼魚よりも、体色の鮮やかな成魚個体の方が人気が高い。輸送に弱く、輸入直後は調子を崩している個体が多く、そのまま立ち直らないこともよくある。死亡率が高いため、問屋やショップにしてみれば、余り仕入れたくない魚といえるかもしれない。入手の際は、少なくとも一週間は様子を見て、落ち着いた個体を入手するのがベスト。良い個体が入手できれば、飼育自体は他のクマノミと変わらず容易。本種に限らず、クマノミ類は良い個体が入手できるかどうかが肝要である。なお本種は大型で気も強いため、他のクマノミとは組み合わせない方が無難。

種小名は「黄金色のヒレ」という意味で、本種の色彩的特徴を表している。英名もヒレの色彩から。
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マカロックズ・アネモネフィッシュ

2006年09月05日 00:36

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学名:Amphiprion mccullochi Whitley,1929
和名:なし
英名:マカロックズ(マッカロウズ)・アネモネフィッシュ McCulloch's Anemonefish
全長12cm
オーストラリア東部沖のロードハウ島とノーフォーク島に分布

クマノミといえば、オレンジ系の体色にホワイトバンドというのがパターンだ。しかし本種はどこにも赤みが無い、クマノミとしては特殊な体色をしている。大きくなって黒っぽく、あるいは色彩変異として黒くなるクマノミはいるが、幼魚期からずっと黒いままなのは本種のみである。頭部には白いバンドが見られるが、消失しかかったものや、バンドが全く無い個体(メスに多い)もいる。ちなみに幼魚期は普通のクマノミのように、体側中央にもホワイトバンドをもっている。共生するイソギンチャクは、サンゴイソギンチャクで、生息域では他に共生に適したイソギンチャクがいないようだ。水槽内では、タマイタダキやシライトなどにも入る。

さて本種はクマノミの中でも、ハマクマノミ・グループに入れられている。しかしながら、ここにはいくつかの疑問がある。まず成魚の尾ビレの形状。ハマクマノミ・グループでは、どの種も円形(ラウンドテール)の尾ビレなのに対し、本種では中央部が湾入し、尾ビレの上下葉が尖っている。これはクマノミ・グループの特徴だ。また幼魚は腹ビレと尾ビレが伸長する個体が多い。これもクマノミ・グループ独特の特徴であり、ハマクマノミ・グループの種には見られないものだ。以上の点から、個人的にはクマノミ・グループに入れるのが妥当ではないかと思っている。

生息域は比較的水温が低いものの、水槽飼育では23~27℃と幅広い水温域で問題無く飼育できる。ただ、あまり高い水温が長期間続くようだと、何らかの不都合が生じる可能性はある。25℃前後の水温が維持できれば十分。他、餌などはクマノミと同様にほとんどの人工餌を選り好みせず食べてくれる。性格は強いが、ハマクマノミ類のような強烈な強さはなく、クマノミと同等程度。

種小名の mcculloch は人物名。mucculloch の発音は、調べた限りでは「マカロック」あるいは「マッカロウ」が最も近いようだ。なお、日本の海水魚専門誌では「マックローチ」、「マックローキ」などと表記されている。