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スジハナダイ

2010年09月16日 08:32

Psfas_u1.jpg
(photo/J.E.Randall)

Psfas_u2.jpg
(photo/J.E.Randall)

学名:Pseudanthias gibbosus Klunzinger 1884
和名:スジハナダイ
英名:ワンストライプ・アンシアス One-stripe anthias
全長:21cmほど
インド洋~西部太平洋に分布

体側中央に入る赤いストライプが特徴のハナダイ。メスや幼魚はストライプが明瞭だが、オスになるとやや不鮮明になる。またオスは婚姻色になるとストライプがより不鮮明になり、ときとして消失することもある。そのような状態のときは、一見すると別のハナダイに見えるほどだ。あまり大きな群れはつくらず、単独か数匹の小群での行動が多い。20メートル以深でよく見られる。

他のポピュラーなハナダイに比べると入荷量は少ないが、入手困難というほどではない。減圧症が出ていなければ、飼育は至って容易。精神的にタフなハナダイで、大型ヤッコなどとの混泳もこなすほど。これは逆に言えば、小型種との組み合わせが厳しいということでもある。ベントラリスなどの小型ハナダイや小型イトヒキベラなどとは相性が悪く、組み合わせはおすすめできない。大型個体になると、ベニハゼなどの小型魚を食べてしまうこともある。このあたりは、スミレナガハナダイやマダラハナダイなども同様だ。タフで飼いやすいハナダイが欲しい人には適している。なお、大型個体は非常に美しく、一見の価値がある。

種小名は『縞模様』の意で、体側のラインに由来している。英名、和名も同様。
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イトヒキコハクハナダイ

2010年09月15日 10:43

参考画像1
参考画像2
参考画像3

学名:Pseudanthias rubrolineatus (Fourmanoir & Rivaton, 1979)
和名:イトヒキコハクハナダイ
英名:不明
全長:12cmほど
西部太平洋に分布

スジハナダイによく似ている。しかしスジハナダイと比べると、体側の赤いラインは細く、スジハナダイでは中央にラインが入っているが、本種ではラインが上方にずれている。またラインも体側中央部付近で終わっている。このラインの特徴から、ダイバーの間では『スジチガイ』という俗称で呼ばれていた。ラインの他は、尾ビレの条がいくつか糸状に伸びる点がスジハナダイと異なっている。尾ビレの特徴は幼魚期から見られるので、スジハナダイとの区別は容易だ。オスは婚姻色を呈すると、体側のラインが不明瞭になる。このあたりはスジハナダイのオスの特徴とそっくりである。水深50メートル以深の深場に生息する。

観賞魚としては最近、少数が入荷した。価格は高いが、水温に気を付ければ飼育そのものはキンギョハナダイと大差なく、気が強くタフで飼いやすい。暗い水槽での飼育が向いている。

種小名は『赤い線』という意味。体側のラインに由来。和名は『イトヒキ』が尾ビレの条が伸長する点、『コハク』は体色に由来するものと思われる。

ゴージャス・スワローテイル

2008年05月14日 00:43

Honat_u0.jpg
(photo/J.E.Randall)

学名:Odontanthias natalensis (Fowler, 1925)
和名:なし
英名:ゴージャス・スワローテイル Gorgeous swallowtail
全長37cm
インド洋に分布

非常に大型で、おそらくバラハナダイ属では最大種。非常に長く伸びる尾ビレが特徴。詳しい生態は不明だが、水深100m以深に棲むものと思われる。

観賞魚としての入荷は無い。標本画像ではよくわからないが、体色はかなり美しいようである。

種小名は「ナタール産の」という意味。英名は体色と尾ビレの特徴に由来。

イエロー・アンシアス

2008年05月14日 00:21

Ofusc-1.jpg
(photo/J.E.Randall)

Ofusc-2.jpg
(photo/J.E.Randall)

yellow-a.jpg
以前飼育していた個体。

学名:Odontanthias fuscipinnis (Jenkins, 1901)
和名:なし
英名:イエローアンシアス Yellow Anthias
全長25cm
ハワイ諸島に分布

ハワイ固有種。鮮やかな黄色い体色が特徴。興奮したりすると、マダラハナダイのような模様が出現する。背ビレ第3棘は伸長し、先端に小さな皮弁がある。生息水深は深く、水深100m前後の深場に生息している。

観賞魚として、ごく少数が稀に入荷する程度。22~23℃の低めの水温を維持すれば、飼育自体は別に難しくない。強い照明を当てると美しい体色が日焼けしてしまうため、メタハラを当てるのは厳禁。暗めの水槽が似合うハナダイだ。

種小名は「暗色のヒレ」という意味で、背ビレと尾ビレ基部が暗色になるところから。英名は体色に由来。

ハタタテハナダイ

2008年05月10日 11:57

Hofla_u0のコピー
小笠原諸島産。
(photo/J.E.Randall)

学名:Odontanthias flagris (Yoshino & Araga, 1975)
和名:ハタタテハナダイ
英名:不明
全長27cm
沖縄、小笠原に分布

30㎝近くにまでなる大型ハナダイ。背ビレ第3棘条が非常に長く伸びるのが特徴で、先端部に皮弁がある。水深100~200m前後に生息し、深場の釣りで漁獲される。詳しい生態は不明。

観賞魚としての入荷は無い。この水深では無理だろう。

種小名は「旗」という意味。伸びた背ビレ棘の先端にある皮弁を、旗に見立てた命名。

Odontanthias tapui

2008年05月10日 11:44

Hotap_u0.jpg
タヒチ産の個体。
(photo/J.E.Randall)


Hotap_u1.jpg
サモア産の個体。
(photo/J.E.Randall)

学名:Odontanthias tapui Randall, Maugé & Plessis, 1979
和名:なし
英名:不明
全長20cm
中部太平洋に分布

バラハナダイに似ているが、体色が少々異なる。一番の違いは尾ビレで、鮮やかな黄色をしており、非常に長く伸長している。生息水深は深く、100m以深。詳しい生態はわかっていないが、バラハナダイと似ていると思われる。

観賞魚としての入荷は無い。美しいので人気は出そうである。

種小名は人物名。

バラハナダイ

2008年05月10日 11:30

Hochr_u1のコピー
全長15㎝ほどの若魚インドネシア・セレベス産。
(photo/J.E.Randall)

Hochr_u2のコピー
全長20㎝以上になった成魚。グアム産。
(photo/J.E.Randall)

学名:Odontanthias chrysostictus (Günther, 1872)
和名:バラハナダイ
英名:イエロースポット・シーパーチ Yellow-spot Seaperch
全長22cm
インド洋~西部太平洋に分布

ピンクとイエローのコントラストが素晴らしい大型ハナダイ。幼魚のうちは尾ビレ上下葉が尖っているが、成魚では先端は丸く幅広になる。また、背ビレ、尻ビレ、腹ビレのスレッドが伸びる。水深100m以深に生息し、群れをつくって生活しているようである。小型甲殻類や小魚を好んで食べる肉食性。 Holanthias katayamai Randall, Maugé & Plessis, 1979 は本種のシノニムとされている。

観賞用として1度だけ、1匹のみ入荷したことがある。実物は非常に美しく、入荷すれば確実に人気種となるだろう。インドネシアからマダラハナダイが入荷しているので、入荷の可能性は少ないながらもある。

種小名は「黄色い点」というような意味。体色に由来している。英名も体色から。和名は、バラのように美しいというところから付けられたと思われる。